私たちは『秘密保護法案』に反対します!
声明文
私たちは、日本のテレビ番組で、情報を伝える仕事に関わっています。
私たちは、今国会に提出されている、特定秘密保護法案の法制化に対する、強い危惧の念を共有しています。
国民の知る権利に奉仕し、行政機関や強大な組織が持つ権力の使われ方を、国民の立場に立って監視することは、
私たちジャーナリズムの一端を担う者に科せられた、大切な役割です。
この法案が成立すると、取材報道の自由は著しく制限され、ひいては、国民の知る権利が、大きく侵害されることになりかねません。
行政機関の情報公開は、世界の大きな潮流です。
秘密の多い国は息苦しく、非民主的な国家であることを、私たちは過去から学んできたはずです。
この流れに逆行する特定秘密保護法案が、法制化されようとしていることを、私たちは黙視しているわけにはいきません。
今日、緊急に、ここに駆けつけた私たち以外にも、多くの同調者がいることを、私たちは知っています。
これは、始まりに過ぎません。
2013年11月11日 有志一同
TVジャーナリストたちの遅すぎた抵抗「この法案が通るとは思えなかった」
2013/11/11
有名ジャーナリストたちの遅すぎた行動は、大手メディアの重い腰、及び腰を見事に象徴していた。
取材・報道の自由が制限されるとして、特定秘密保護法案に反対する、鳥越俊太郎氏などのジャーナリストが11月11日、
「TVジャーナリストらによる『特定秘密保護法案』反対会見」を開いた。
登壇したジャーナリストらは、それぞれ、秘密保護法の危険性について語った。
警察関係の取材を続けてきた、元共同通信記者でジャーナリストの青木理氏は、
「警察関連の情報のほとんどが、特定秘密にされてしまいかねない」とし、
「自信を持って言えるが、この法律ができれば、数年前に書いた公安関係の書籍も、書けなかっただろう」と話した。
元読売新聞社社会部記者の大谷昭宏氏は、21条の定める「共謀・教唆・扇動」の処罰規定について危機感を示す。
「時の権力は『悪いようにはしない』というが、何年か経てば見事に引っ掛けてくる。それが常道。とてもじゃないがこの法律は通せない」。
秘密保護法案について田原総一朗氏は、
「問題は大きく分けて二つある」と前置きし、
「一つは、マスコミが取材をできなくなること。
もう一つは、これをチェックする機関がないこと。
どこの国でも20年、30年で全部(情報を)公開する。
ところが、(日本では)内閣が承認した場合は、永遠に公開しない。
こういうばかばかしい法律はあってはいけない」と語気を強めた。
TBSの「報道特集」でキャスターを務めている金平茂紀氏は、
「長いこと取材を続けてくると、政府はこれまでも嘘をついてきたし、おそらく、これからも嘘をつくだろうと思う」という。
さらに、「腹に据えかねるのは、『西山事件は処罰対象』と、担当大臣が言っていること。
西山事件は、外務省の機密漏洩事件だが、あの事件の本質は、
『沖縄の返還に絡んで、政府が密約を結んでいた』こと。
そして、『密約はない』と国民に嘘を付き続けていたこと」と主張。
「『西山事件は処罰対象になります』と軽々しく言うような人たちが、この法案を作っているということに対して、心の底からの憤りを感じる」と怒りをあらわにした。
鳥越俊太郎氏は、
「安倍政権が求めているのは、秘密保護法だけではない。
NSC法案を司令塔に、秘密保護法を用い、最終的には集団的自衛権の行使に踏み切る」と断言し、
「積極的平和主義という言葉は、一見いいことに聞こえるが、これは実は『戦争するよ』ということ。
日本のレジームを『戦争ができる国』に変えることが、今回の法案の背景にあることを見抜いて、
国民全体で、この法案に反対しなければならない」と語った。
しかし今月7日、NSC設置法はすでに衆院を通過し、秘密保護法は国会に上程された。
「(反対表明は)遅きに失したのではないか」――。
質疑応答で、フリージャーナリストの田中龍作記者が指摘した。
田原氏は、
「今月の朝まで生テレビは、この問題をまともに取り上げます。(テレビの)上が何と考えようと朝生はまともに取り上げます」と回答。
しかし、田原氏のいう「朝生」の次回放送は、月末の11月29日。
あまりに悠長ではないか。
毎日新聞特別編集委員の岸井成格氏は、
「ずっと取り上げてきている」と田中記者の指摘を否定し、
「反省するとすれば、通ると思えなかったこの法案が、もしかしたら通るかもしれない、という感覚のズレ」と返答した。
しかし、なぜ「通ると思わなかった」のかも疑問だ。
また、メディア人の集まりであるとは言え、鳥越氏以外の登壇者らは、「報道の自由を侵害する懸念」に言及するのみで、
「戦争のできる国への一歩」「米国へのさらなる隷従」といった秘密保護法案の本質には、一切触れていない。
それどころか、岸井氏に至っては、
「おそらく、最初は、米国との軍事情報に限られた話だったのだと思う。
しかし、そこへいろいろなものが入ってきて、どんどん一気に悪乗りしてこういう法に作ってしまったという感じがする」と述べ、
米国への配慮として作るぶんには、問題のない法律であるかのような見解を示した。
また、残念ながら、この日の会見で登壇者らが指摘した「秘密保護法の危険性」のことごとくが、
すでに数年前から、憲法学者や法律家が指摘してきたことであった。
なぜ、今頃になって有志で集い、法案成立に反対を表明したのか。
やはり、「TVジャーナリスト」らの警鐘は、遅きに失したと言わざるをえない。
こうした、TVを代表するジャーナリストらの危機感の欠如こそが、
大手メディアの重い腰、及び腰といった、報道姿勢そのものの象徴なのではないだろうか。
(IWJ 原佑介)
・会見者
田原総一朗氏・鳥越俊太郎氏・岸井成格氏・田勢康弘氏・大谷昭宏氏・金平茂紀氏・青木理氏ほか
↑以上、転載おわり
なんかもう、ため息しか出ません。
なんなんでしょう?この危機感の欠如は。
中堅のおっさんたちが、一杯飲み屋で語り合うてるような……もうとっくの昔っからわかってることばっかり言うて……。
しかも、とんでもなく遅すぎて話にならない。
それほどの危機感があるのなら、あんな横断幕なんか作ってる暇があるなら、
とっとと有志一同で企画して、特別報道番組をやればいいのとちがいますか?
こんな声明を出したところで、まるで何の意味も無いことぐらい、わかってるでしょうに。
それともこれは、私たちは反対していたんですよ~の証拠作りですか?
遅きに失した。
これ以外のなにものでもありません。
Better than Nothing、なにも無いよりゃマシ、とでも思てもらいたいんでしょうか。
↓以下は、岩上安身氏による、海渡雄一弁護士インタビュー(11月13日)の内容報告ツィートです。
『特定秘密保護法案』と『NSC設置法案』、そして『ツワネ原則』について
「岩上安身による海渡雄一弁護士インタビュー」の模様を実況します。
臨時国会で審議中の、特定秘密保護法案とNSC設置法案について、お話をおうかがいします。
岩上氏:
大変な問題をはらんだ法案が、国会に提出され、国民が知らない間に可決されようとしています。
秘密保護法は、日米関係と切り離せません。
その際、スノーデン事件に注目することが、必要だと考えられます。
海渡氏:
参院選で圧勝した、自民党の安倍政権。
集団的自衛権の行使容認や、NSC設置によって、自衛隊を、米軍とともに戦争ができるようにしているのではないでしょうか。
さらには、原発の輸出という問題があります。
原発の輸出と再稼働に、どうやって歯止めをかけるかどうか。
安倍さんの周囲は、原子力ムラでべったりと囲まれてしまっています。
元CIA職員のスノーデン氏が、米NSAによる盗聴を暴露しました。
マイクロソフトや米ヤフーなど、9社にアクセスしていたことが明らかになりました。
メールのコンテンツまで読める仕組みで、バックドアを仕掛けていました。
エシュロンは、無線を傍受していると言われていましたが、ここに来て、ネットへのアクセスが始まったと言われます。
『カーニボー(肉食獣)システム』の存在が、指摘されています。
岩上氏:
政治支配力は、情報にもとづく。
右のファシズム、左の共産主義も。
それを極端に具現化したのが、東ドイツのシュタージ(秘密警察)。
しかしシュタージは、情報を集めすぎて混乱した。
しかし、現代のNSAには、膨大な情報を整理できる検索システムがある。
海渡氏:
特定秘密保護法では、ジャーナリストや市民活動も、特定取得行為の対象になります。
条文に、『管理を害する行為』とありますが、これには何でもあてはまってしまいます。
秘密を明らかにするような取材は、対象になると考えるべき。
岩上氏:
仮に、私のもとに、特定秘密がもたらされたとして、そうと知らず見てしまった場合は、どうなるのでしょう?
海渡氏:
その場合、密告すれば許してもらえます。
法案には、"密告すれば減刑する"と書いてある。
岩上氏:
官僚機構は、互いに情報を交換しているが、秘密保護法によって、各省庁間の連絡が取れなくなるのではないでしょうか。
ブラックボックスができて、機能麻痺に陥る可能性があります。
海渡氏:
外務省と経産省との、適正評価は別ですし。
岩上氏:
秘密保護法は、9条が重要ではないでしょうか。
各省庁で情報が共有されないのに、米国には情報を渡せるようになっています。
海渡氏:
GSOMIAの6条が根拠。
最近は、国会答弁でも、森雅子担当相が、米国との関係について言及しています。
秘密保護法が定める懲役10年とは、何を意味するか。
懲役3年以上では、執行猶予はつかない。
つまり、実刑になるというのです。
西山太吉さんは、実刑ではなく執行猶予。
これからは、そういうことはできなくなる。
治安維持法は、当初懲役10年でした。
それが、3年後には、死刑にまで引き上げられることになります。
秘密保護法が目指す未来が見えますね。
1941年12月8日の、日米開戦の日、北大生の宮澤弘幸という人が、特高に逮捕されました。
激しい拷問を受けて、網走刑務所に送られます。
根室の海軍飛行場の存在を漏らした、というものですが、完全に冤罪でした。
1944年12月7日に起きた、昭和東南海地震が発生して、1000人が死亡したのですが、
軍部はこれを、軍事上の秘密だとして、公開しませんでした。
軍需工場の情報が、国家機密だからという理由です。
だから、原発事故があっても、秘密にされてしまうかもしれません。
旧ソ連がそうだったじゃないですか。
チェルノブイリの事故も、はじめは公表されなかった。
汚染地図も明らかにされず、それを手に入れようとした多くのジャーナリストが、逮捕されました。
ベトナム戦争について、米国防総省がまとめた、ペンタゴン・ペーパーズというものがあります。
これは、国歌秘密になっていたのですが、エルズバーグ氏が、NYタイムズに持ち込みました。
エルズバーグ氏は、スパイ法違反などの罪で起訴されるのですが、
連邦地裁は、カルテの窃盗や、令状なしの盗聴など、政府の不正があったとして、刑事告訴を却下しました。
ここに、米司法の健全性がある。
なぜ今、特定秘密保護法が出されたのか。
この間、武器輸出三原則の見直しや、原子力基本法の改正、JAXA法から『平和目的に限る』との規定が削除。
潜在的な核保有が安全保障に資する、と考えているのではないでしょうか。
岩上氏:
しかし、例えばイランのように、日本がNPTを脱退して核保有を目指していると、プロパガンダが行われれば、国際的な孤立状態に陥るのではないでしょうか?
あるいはイスラエルのように、米国の庇護を受けたい、と考えているのでしょうか?
海渡氏:
政府は、決してもんじゅを辞めようとしません。
プルトニウムに対する、異常な執着があります。
維新の会などは、声高に、核保有を唱えていますね。
岩上氏:
小沢一郎さんにインタビューした際、核保有の欲望を持った政治家がいる、と明言していました。
海渡氏:
今回の特定秘密保護法では、外交や防衛に関する事項だけでなく、公安又―となるものも含まれます。
北海道警の裏金問題など、警察や公安調査庁は、不都合な事実を隠してきました。
それを、国家機密にできるということです。
3.11の時、東電は、福島第一原発への注水作業を行った東京消防庁に、施設の図面も、免震重要棟の場所も、教えませんでした。
それをこっそりと渡した方がいたので、注水できたのです。
しかし、秘密保護法ができると、懲役10年です。
汚染水漏れも、参院選まで秘密。
2011年3月7日に、東電から保安院に出された、津波に関する報告も、秘密にされました。
清水社長は会見で、"想定外"と言っていましたが、嘘。
しかし、秘密保護法ができると、それも分かりません。
共謀罪について。
犯罪の以前、関係者間の合意だけで、処罰できるという法律です。
秘密保護法の次に出てくるのは、この共謀罪ではないでしょうか。
政府原案では、合計で、600年以上の共謀罪があります。
政府は、組織犯罪防止条約を、国会で承認していますが、批准していません。
共謀罪をやりたいので、批准を遅らせているのではないでしょうか。
コンピュータ監視法が、2011年6月に成立して、施行されています。
プロバイダに対して、裁判所の令状がなくても、通信記録の保全を要請することができるようになりました。
メールの履歴を、リアルタイムに監視できる、ということです。
自民党の改憲草案には、
『公益公共の秩序を害する目的の、表現の自由、並びに結社の自由は、認められない』とあります。
安倍総理は、原発の再稼働を、公益と考えているでしょう。
となれば、官邸前の抗議行動は、憲法違反ということになります。
岩上氏:
政府が進めている敵基地先制攻撃論なども、"公益"ということになるかもしれません。
戦争態勢に進むことが、"公益"ということになってしまうかもしれません。
『ツワネ原則』について、おうかがいしたいと思います。
海渡氏:
今年6月12日に、南アフリカ共和国、ツワネで公表されたもの。
ジョージ・ソロスの財団"Open Society Justice Initiative"が呼びかけました。
10月31日、国会図書館が、報告書を出しました。
それを、福島みずほさんが持って返ってきまして、読んでいたんですね。
それで、重要性が分かりました。
『ツワネ原則』には、7ページにわたって、『秘密にしてはいけないこと』のリストが記されています。
しかし、秘密保護法には書いていません。
『ツワネ原則』では、秘密指定は無期限であってはならない、と定めています。
しかし、特定秘密保護法では、30年が経過したものは、内閣に理由を示して、承認を得なければならないという、手続きが示されているだけ。
『ツワネ原則』では、安全保障分野には、独立した監視機関を設けるべきだ、としています。
秘密保護法では、有識者会議の設置が定められていますが、秘密指定の解除権を持っていないので、監視機関とは言えません。
さらに『ツワネ原則』には、内部告発者を守る規定があります。
内部告発によって明らかにされた情報に、公益性がある場合、報復を受けるべきではない、とされています。
『ツワネ原則』は、ジャーナリストと市民活動家を、処罰してはならないことを定めています。
秘密情報の探索や、アクセスに関する共謀で、訴追されるべきではない、としています。
しかし、秘密保護法では、情報源の開示を求められない保障が、どこにもありません。
岩上氏:
大手メディアの中には、修正案によって、報道の自由が保障されると考えている人もいる。
しかし、守られるのは記者クラブだけでしょう。
これは、消費税増税と同じ構造です。
彼らは、自分たちのためだけに、軽減税率を求めています。
海渡氏:
とんでもない話ですね。
岩上氏:
国際人権規約19条に、違反しているということで、差し止めの仮処分申請など、できないのでしょうか?
海渡氏:
いい質問ですね。
しかし、日本の裁判所には、そういう制度がないんだなー。
国会で頑張るしかありません。
特定秘密保護法は、白紙に戻すことです。
さらに、国家公務員法や自衛隊法といった、既存の法体系も含めて、ツワネ原則にもとづいた見直しが必要、ではないでしょうか。
民主党は、反対することが明らかになりました。
みんなの党や維新の会も、反対する公算が強い。
もはや、推進しているのは自民党だけ。
秘密保護法をめぐって、政権交代を目指すくらいの意気込みでいたいですね。
海渡さんは、反対と決まったと言っていたが、油断は禁物。
今朝がた、民主は、廃案を求めていくという記事を読んだが、朝日には「修正協議」と。
大丈夫でしょうか……。
↓
http://www.asahi.com/articles/TKY201311130188.html …
↑以上、まとめ転載おわり
最初の記事の彼らとは対照的に、TV界では全く有名ではありませんが、ネットで情報を集めている我々にとっては、超~重要なIWJ。
わたしは、3.11.11以降、彼が報じてくれる記事やビデオを通じて、日本の本当の、生の姿というものを知ることができました。
この報道機関は、今の日本にとっては、本当になくてはならないものです。
取材をしてくださるスタッフの方々も、毎日必死で駆け回ってくれています。
けれども、運営資金がとてもではないけれども、その活動の量に比べて足らない状態が続いています。
岩上氏は、自腹を切っておられます。
どうしてでしょう?
ここまで、身を削るようにしてまで、世の中のことを伝えようとしてくださっている人が、どうして身銭まで削らなくてはならないのでしょう?
甘え過ぎてはいませんか?
少しでも、助けようとは思いませんか?
もし、彼の情報によって、自分の知りたい気持ちが潤っているのなら、その分をお金で返そうとは思いませんか?
上にも書いたように、日本の報道、特に有名である報道陣は今、とんでもなくボケていて、
あるいはボケのふりをしているだけの腰抜けで、きちんとした仕事ができていません。
そういう時こそが、一番危ない。
国として崩れ始めている、ということです。
そういう時こそ、しっかりと、本当はどうなのかということを伝えてくれる人やグループを支えることは、とても大切なことだと思います。
わたしたち自身を、そしてわたしたちの大切な家族を、国というバケモノから守るために。
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