ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

静岡県民と首都圏住民のみなさんは特に、浜岡原発がどれほど危険なものか、これを観て知ってください!

2014年02月06日 | 日本とわたし
この『浜岡原発の今とこれから』のビデオに収められている物事は、多分みなさんはもう、よくご存知のことだと思います。
けれどもつい先ほど、下記のこの中日新聞の記事を読み、いても立ってもいられないような気持ちになり、
ぜひもう一度、浜岡原発がなぜ、数ある原発の中でも最も危険であると見なされているのか、確認していただきたく思い、書き起こしをしてみました。
写真を数枚撮りましたが、いつものごとくボケボケです。すみません。

浜岡原発審査 14日にも申請
【中日新聞】2014年2月7日

中部電力が、浜岡原発4号機(御前崎市)の再稼働を目指し、14日にも、原子力規制委員会に安全審査を申請する方針を固めた
「3月末までのできるだけ早い時期」と説明してきた中電としては、もっと早く申請する方針だったが、
津波対策や想定外のトラブルに加え、原発ゼロを掲げる立候補者が注目を集める、東京都知事選も絡んでずれ込んできた
 
原発の新規制基準が、昨年7月に施行され、これに基づいて、規制委の安全審査が終わらなければ、再稼働は認められない。
これまでに7電力会社が、16基の審査を申請している。
浜岡など、福島第一原発と原子炉格納容器が同型の「BWR」と呼ばれるタイプは、特殊な排気設備の即時設置が義務付けられるなど、審査のハードルが高いとされる。
 
最大の課題は津波対策だ。
中電は、マグニチュード(M)9.1の南海トラフ地震を前提に、対策をしているが、
規制委は、審査ガイドの中で、南海トラフと南西諸島海溝との連動で起こり得る地震として、最大M9.6程度を「参考値」として例示
中電はこの影響の調査、分析に時間を要した。
 
昨年11月には、人為的ミスで、5号機の非常用ディーゼル発電機のスイッチを入れ忘れ、再発防止策を御前崎市長らに報告したのは今月になった。
都知事選では、原発即ゼロを掲げた細川護熙元首相が立候補したため、「政治的に利用されかねない」(幹部)との判断で、選挙期間中の申請は避けたとみられる。
 
申請後も、規制委の指摘を受けて、調査や対策をやり直す電力会社が相次いでおり、再稼働を見通せない状況は続く。
地元自治体は、安全審査を受けることは容認する一方で、再稼働反対の声は根強く
中電は、2015年9月末まで対策工事を進めながら、地元の理解を得られるかが焦点になる。


◆反対派「再稼働ありき」
 
浜岡原発の危険性を訴えて、再稼働に反対する人たちは6日、中部電力の安全審査申請について、
「再稼働を射程に入れている」「地震や津波の想定が不十分だ」と、反発や批判を強めた。
 
「再稼働申請にほかならない」。

東京電力福島第一原発事故前から、東京高裁で控訴審が争われてきた、浜岡原発運転差し止め訴訟の原告団長、白鳥良香さん(81)はこう強調する。
 
中電は「申請が再稼働とはリンクしない」(水野明久社長)との立場を繰り返すが、「再稼働反対が多い世論を意識し、苦しい言い訳をしているだけ」と白鳥さん。
「審査を通れば中電は、『浜岡が安全とのお墨付きを得た』と、再稼働を突き進めかねない」と語気を強める。
 
この日は、県内の弁護士らが中電に、浜岡の廃炉などを求めた訴訟の口頭弁論が、静岡地裁であり、
原告側は、海抜22メートルの防潮壁について、「中電は、何ら具体的に強度を立証していない」と述べるなど、安全対策の不十分さを指摘した。
原告兼代理人の一人、鈴木敏弘弁護士は閉廷後、
「中電は、どういう地震を想定しているかも明らかにしていない。申請は出せるのに訴訟には出さない。あまりに不誠実だ」と疑問を投げ掛けた。
 
これに対し中電は、閉廷後に記者会見で、「申請の準備でいろいろ検討しているが、まだ結果が出ていない。誠実かどうかという問題ではない」(寺田修一法務部長)と反論した。


◆一層の安全対策を UPZ圏内の磐田市
 
緊急防護措置区域(UPZ)にある、磐田市の山下重仁危機管理監は、
「浜岡原発の再稼働と安全審査とは別と考えているが、使用済み燃料棒が保管されている現状を考えると、なお一層の安全対策を最優先で進めるべき。
UPZ圏内に、12万7千人の市民がいるので、現段階では再稼働に賛成できない」とコメントした。

↑以上、転載おわり

参考に、完成しつつある防潮堤なるものを、ここに載せておきます。
こんな、ペラペラの、ふすまのでき損ないのようなもので、巨大な津波が防げるとでも、本気に思っているのでしょうか?
こんな意味の無いものに、いったいどれだけのお金を注ぎ込んだのでしょうか?


では、ビデオを観てください。
時間の無い方は、書き起こしの文章を、ピンぼけですみませんが、写真を参考にして読んでください。
ちなみにこのビデオは、静岡県の原発議連会長の自民党天野一県議を中心に、浜岡原発の設計者渡辺敦雄氏監修のもと、作成されました。
浜岡原発に関するリスク情報として、客観的かつ公正な内容になっています。
静岡県民と首都圏の方は特に、必見です!!



浜岡原発の今とこれから

この映像を契機に、今後の原子力発電、新エネルギーのあり方について、
浜岡原子力発電所の安全性を第一に、みなさまと一緒に考えてみたいと思います。

知っていますか?
浜岡原発を知っていますか?
もうすぐ再稼働されることを、知っていますか?
その決定が、静岡県民にかかっていることを、知っていますか?


2011年6月、フランスのドゴール空港にて、
静岡産とされるお茶から、基準値を超えるセシウムが検出され、廃棄処分となりました。
フランス当局は、静岡県産のすべての農産物を、(放射能濃度)検査対象とすることを決定。
また、EU委員会にも、これをEU基準とするよう上申しました。
県、そして農業従事者が受けた影響は、計り知れません。
しかし、この事態は、フランスの対応が厳しかったから起こったものでは、決してないのです。

シリーズ 静岡の未来
『浜岡原発の今とこれから』
農業・商工業・日常生活に与える影響


みなさん、こんにちは。
今回は、『浜岡原発の今とこれから』と題しまして、静岡県御前崎市にあります、浜岡原子力発電所の、
現在の状況と将来の展望について、整理・考察していきたいと思います。
2011年3月に起こった東日本大震災。そして、福島で起こった原子力事故。
それを受けて、全国の原発で、これまでの運用を見直す動きが起こり、2012年5月、実に42年ぶりに、国内の全原発が停止しました


■『原発稼働停止』とは?

メディアでよく言われる『原発稼働停止』という言葉。
その言葉の正確な意味を、ご存知でしょうか?
原子力発電所の心臓部である『原子炉』。


その中では『燃料棒』と呼ばれるパーツが、核分裂反応によって、高熱を発し続けています。


原発が発電をしていない時でも、燃料棒は崩壊熱を発し続けており、それを冷やすための冷却水が、循環し続けています。
『原発稼働停止』とは、原子力発電所が『発電を止めている』という意味であり、
原子炉の状態を指す言葉ではありません。
原子炉内(貯蔵プール)には、今も変わらず、発熱を続ける燃料棒が収められています。
仮に、津波対策がうまくいったとしても、何らかの理由によって冷却機能が失われたならば、
燃料棒の温度は上がり続け、致命的な事態が起こるでしょう。
原発が稼働停止中であれば、地震が来ても大丈夫、などということは、決してないのです。

現在、浜岡原発では、稼働再開に向けて、大規模な津波対策工事が進められています。
浜岡原発を運営する中部電力は、解説映像の作成や見学会の開催など、安全性向上のアピールを積極的に行っており、
工事が終了する2015年、再稼働の申請を提出する予定です。



■浜岡原発の『位置』とは?

これは、世界の地震分布を図にしたものです。
日本とその近海に、地震が集中している様子がよくわかります。


これに、世界の原子力発電所の位置を重ねてみます。


日本以外の、世界中の原発が、地震の起こる地域を避けて建てられていることが、はっきりと分かります。




それでは、日本を詳しく見てみましょう。
これは、政府が毎年発表している、大地震の起こる確率を図にしたものです。


原発の位置を重ねてみます。


浜岡原発が、地震大国日本の中でも、もっとも危険とされる場所に建っていることが、よく分かります。


今後30年以内に、この場所が、震度6弱以上の地震に遭う可能性は、
2012年の発表で、約95%とされています。


■浜岡の『断層』とは?

人類の歴史が始まる前から、たくさんの地震にさらされてきた日本列島。
浜岡原発には、過去の大地震の痕跡、何本もの断層が、確認されています。
浜岡原発の敷地内を走る、複数の断層群は、H断層と呼ばれています。
原発内の建造物は、この断層を避けて建てられ、その間を配管がつないでいます。


これは、2012年に、SBSで放送された特集番組の中の、断層地帯における地震のイメージ模型です。


断層によって分断された地盤が、それぞれに違うタイミングで揺れ、その上にある建造物に、ダメージを与える様子が分かります。
浜岡原発敷地内には、原子力建屋とタービン建屋をつなぐ配管、海から冷却水を運ぶための配管が、縦横に走っており、
地震の際には、その両端が、違うタイミングの揺れに見舞われるのです。

これは、日本の原子力発電所を、上から見た図です。


どの原発も(建屋の順番において)、ほぼ同じ敷地レイアウトをしています。
海側から『タービン建屋』『原子炉建屋』、それが並行に並んでいきます。


断層を避けて主要施設を建てている、浜岡原発だけが、通常と逆、海側に『原子炉建屋』、その内側に『タービン建屋』を持ち、
また、それぞれの原子炉を、ばらばらに配置しているのです。


2012年に提出された、国会事故調査委員会最終報告書の中で、
福島第一原発において、津波到達以前に、配管の破断があった可能性が、指摘されています。
地震や津波の際には、複数の重要施設が同時に動かなくなる恐れがあり、
敷地内を断層が走る浜岡原発は、特に危険なのです。


■もしもの時、何が起こるのか?

ここからは、もし、浜岡原発で原子力事故が起こった場合、周辺地域にどのような影響が及ぶのか、それについて整理していきましょう。

これは、福島第一原発の事故後に発表された、放射性物質の拡散シミュレーションです。


細かい粒子が、西風に乗って、東へ運ばれてゆくさまが分かります。

この発生源を、浜岡原発の位置にずらしてみましょう。
空中にばらまかれた放射性物質が、静岡県から関東平野、東京を覆ってゆきます。


浜岡原発の近辺を見てみましょう。
ここに、福島第一原発事故で立ち入り禁止区域となった、半径20キロの円と、半径30キロの円を表示します。


静岡県のこの部分には、日本の東西をつなぐ交通の導線が、集中しています。
東海道新幹線、東海道本線、東名高速道路、新東名高速道路、国道一号線、そして静岡空港、
全てが、浜岡原発から30キロの圏内にあるのです。


地震大国である日本は、交通網の地震被害復旧について、東日本大震災の時にも、大きな力を見せました。
しかし、立ち入り禁止区域の中では、何もすることができないのです。

ここまで、浜岡原発の持つ、潜在的危険性について考えてきました。
ここで、現実問題として、浜岡原発を止めることは可能なのか。
再稼働を認めず、廃炉(永久停止)にしたとして、電力の供給に問題は無いのか。
その点を調べていきましょう。

これは、日本の電力会社の、発電電力量の電源別比率です。


中部電力の原発依存度は、原発を持たない沖縄電力を除けば、最低の12.3%にすぎません。
実際に、浜岡原発が稼働停止したあとでも、計画停電などの措置を行いませんでした。
中部電力は、原発が無くても、十分な電力供給を行える電力会社だといえるでしょう。

わたしたち日本国民が、これからも豊かな暮らしを維持していくためには、原子力という技術は必要なのかもしれません。
しかし、
全国17カ所の原発の中で、際立って高い、大地震と大津波の発生確率、
強固とは言い難い地盤の状態、
首都圏のすぐ西という立地、電力会社の低い原発依存度など、
静岡の浜岡原発は、他にはない条件を持っている
のです。

東日本大震災、そして、福島第一原発の事故。
わたしたち日本人に突きつけられたのは、100%の安全は無い、という当たり前の事実でした。
ひとたび原子力事故が起これば、農業、漁業、観光業をはじめ、すべての経済活動が、大きな被害を受けます。
わたしたちが代々つちかってきたコミュニティが破壊され、当たり前の生活が失われてしまうのです。
一方で、原子力発電に頼らない選択をすれば、新エネルギー産業の一大拠点として、
また、廃炉技術開発の中心地としての、発展の可能性もあるのです。
わたしたちは、未曾有の原子力事故の時代を生きる人間として、この問題を真剣に考えてゆかねばなりません。
それが、この地で生きる未来の世代への、義務であり、責任なのです。

制作:
静岡県議会議員 天野 一
(静岡県議会 原発・総合エネルギー対策議員連盟代表)
協力:
工学博士    渡辺敦雄
(NPO法人 APAST事務局)

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4 コメント

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Unknown (かまどがま)
2014-02-07 16:08:04
昨夜南西諸島で震度3の地震の直後に東北が大き目に揺れました。この連動はたびたび起きています。
まだまだ地殻変動は解明されていない動きをしている可能性もあります。
福一の事故は当然想定されるべき地震と津波が想定外と言いわけされました。では、地震と津波対策さえしていれば想定外は無いのかという問題はだれも触れませんが、想定外の竜巻、巨大台風など自然災害だけでもまだまだあるはずです。
原発は安くも安全でも無いということを分からないふりをしているだけです。普通に確率論で考えただけでも安全は破たんしている。
かまどがまさんへ (まうみ)
2014-02-09 03:34:25
本当にそうです、もうとっくに安全神話など破たんしてしまっているのですよね。
それをまあ、破廉恥な、どうしてああも知らんふりして恐ろしいことを言ったりしたりできるのか。
常識が無さすぎます。
そういう人間ばかりの所でいると、それが当たり前になるのでしょうね。

もう絶対に、日本は廃炉のみの方針を貫くべきです。
それこそ、国際的な機関から、廃炉命令が出ても良いと思っています。
使用済み燃料について (Masa)
2015-04-14 23:47:05
使用済みの燃料はどうするのでしょうか?
処理方法は?
地下に埋めるとか!!
日本は地震大国、埋めた場所で火山が噴火した場合溶岩で用器がとかされ一緒に吹き出す可能性もあり・・・完璧な処理方法が見つかるまでは再稼働をするべきでは無いと想うのですが如何でしょうか。御前崎の原発再稼働は反対です。
Masaさんへ (まうみ)
2015-04-16 00:59:50
日本は地理上、地下に埋めるには適していないという学者の意見をよく目にします。
それはそうでしょう、地震大国なんですから。

もともとのもともとから、原発などという施設を稼働させること自体が間違っていた。
という現実を、いつになったら認め、悔い、これ以上の被害と問題を増やさないような策を考え始めるのでしょうか。
日本の政府にそれを求めるのは無理なのかもしれません。
情けないですが、いつの日か、世界からの訴訟と追求が起こるまでは、時間稼ぎをして逃れ続けるような気がします。

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