ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

新政府初代内閣総理大臣・坂口恭平というひと

2013年03月21日 | 日本とわたし
坂口恭平、新政府初代内閣総理大臣。
けったいな人やなあと、気になりながら、チラチラと動向を調べたりしながら、ずっとこの人のことを考えてた。
モバイルハウスの建て方も観た。


めっちゃ新鮮で無邪気で大胆で、けどもよう考えたら、実現するには相当の決心が必要な、新しい生き方への門。

わたしの旦那弟の奥さんの両親が、子供が巣立った後に、いわゆるトレーラーハウスの住人になった。
モバイルハウスの先祖みたいなもん。

最初、彼の考えを聞いた時、わたしには無理や、だって、ピアノ置けへんし……と即考えた。
後でそのことを思い出して、それこそが、わたしの、生きることに対する思い込みであることに気がついた。
なんで、ピアノを持ってなあかんと思たのか。
教えていかな暮らせんからか。
なんで教えな暮らせんのか。
そうやって、毎日毎日働いて日銭を稼がなあかん物を所有してるから。
ほんで、その物は、自分が好き好んで手に入れたもんで、けども手に入れたが最後、その物にしがみつかれて往生してる。
わたしらのために働け~、もっと働け~と、呪いをかけられてる。

いや、でも、子供にピアノという楽器を楽しんでもらいたい、という願いは、お金とはまた別のところで存在する。
けれどももし、そのことに集中して考えたら、なんぼでも方法や場所は見つけられるやろう。

いや、でも、自分がピアノと一緒に暮らせんというのはどうやろう。
かなんなあ……。
一時期、親の借金のカタに取られて、やくざが6人がかりで、ピアノを家から運び出してったことがあった。
ピアノが家から姿を消した。
結局は、その時教えてもろてた教授の、大学のレッスン部屋のピアノを、朝から晩まで弾かせてもろた。
ピアノは相棒。
けども、やっぱりこれも、わたしの勝手な思い込みなんやろか。

などなど、この人の言うことを聞いてると、実にいろんなことを考えさせられる。
このビデオは、もうかなり前のもので、一番規模が大きかった首相官邸前の抗議集会の後に設けられた、山本太郎さんとの会談の収録。

今はまたきっと、新しいアイディアを続々と出してはるのやろうけども、とりあえずここに、初の紹介として、文字起こしをしてみた。

ただし、言わはったことを一字も逃さず、というのではなく、わたしの責任でまとめながら書いたこと、山本さんの言葉は省略したことを、ここにお知らせしておきます。





無政府状態なので新政府を作ろうと決心した。
ベルギーに住んでいる友人も、一時ベルギーが同じような情勢になった時、新政府を作った。

皆の不安はまず原発。
自分も脱原発のデモなどに行ったりしたが、脱原発の前に、今もう出てしまっている放射性物質について対処しなければならないと思った。
新政府としては、まずそこを見る。
もう傷が出ているので、そこはちゃんと手当てをしなければならない。
そこに住んでいる人がまだいる。
それこそ東京都だって、荒川の河口が、半径20キロに渡ってなどと、NHKがもう言ってしまってるわけで、
3年後にはもう、江戸前寿司なんて誰も食えない。
実際に、築地に取材に行ったが、誰も買わない。

そういうのを見て、まずいと思い、チェルノブイリの例を鑑みて、とりあえず半径300キロ圏内に暮らしている人は逃げなさいと言われてたので、
鎌仲さんや飯田さんらと、3月3日にたまたま番組をやっていて、福島第一原発が危ないなどと話していたりしたのだが、
とりあえず、300キロ圏内の人は、わたしの家に逃げてきていいですよと、まあ、首相官邸ということ。
それで丁度いい200平米の物件が見つかり(横井小楠の家の前に夏目漱石の家があり、そのクロスポイントの所)、総理になっちゃったんだったらっていうことで、3万円で大家さんから買った。
逃げたい人は来なさい。お金はかかりません。
ただ逃げてくるんじゃなくて、まずうちに来て、ここで住んでもいいということなら物件を紹介するということで、
雇用促進住宅の物件が余っていることを確認し、福島の原発を恐れている人は、移ってきなさいと。
3DKで家賃が800円。
福島からだけではなくて、東京からでも可能と言った。
ということで、希望する人達が行ったら、三日後に、住めなくなったと連絡があり、雇用促進住宅の方に問い合わせた。
すると、厚労省から通達があったと。
「関東圏の人達は引っ越しできなくなりました」と。
すでに、そんなふうにして、新政府の動きを政府は見ている。
あきらめるわけにはいかないので、熊本県が無料の物件を持っていることを知ってお願いしてみたが、渋られた。
自分が行ってももうだめだと思い、女性大作戦と銘打って、女性自身でお願いすることにした。
借りられた人はたくさんいて、5LDKで0円もあるし、家賃がタダという例はいっぱいある。
要するに、国から金が流れている所はダメで、県からだとオッケーということ。

つまり、家っていうのはすごく余っている。
800万戸余っている。
ほんとにバカだから。
俺もバカかもしれないけれど、日本はバカだから、ほんとに。

官邸前のデモ(←これは去年の6月29日のこと)に参加した。
いろんな人達が参加していて、知り合いも大勢いた。
警察がやっきになって、人々の流れを規制しようとしているそのすぐ横を、自転車のデモ隊がスイスイと通り過ぎていくのがおかしかった。
デモというと、難しい顔をして真剣にやらないといけない、みたいな感覚を持っている人がいるが、
海外で行われているデモのように、気軽に、楽しんでやり、まだ参加したことが無い人に、足を運びたいと思わせるようなものもいいと思う。
けれども、ひとつ言えることとして、
ペットとしての犬でも、ひとたび本気で噛めば、飼い主を傷つけたり殺したりすることができる。大きな犬であれば。
けれども、それをしないのは、飼い主と犬の間に、何か約束がある。
僕たちもまあ、毎回税金を取られているので、いわば政府の犬のようなものだと自分は思っている。
なので、本気で噛むぞ、という意思を見せればいい。
そのための集合だと思う。
東京というのは、本当に人が集まりにくい。
電車を断ち切られたら集まれない。
だから、自転車デモというのはいいアイディアかもしれない。
普通に走るものなのだから、デモ申請もしなくてもいい。

首相官邸に集まる、ということには意味があるとは思うけれども、警察がロープを張ったりしていて、それなら申請した意味が無いではないか。
それならば、もう少し離れた長野木?(長野県?)あたりで、みんながんばって200万人ぐらい集まってやればいいではないか。
リトアニアは、ソ連から独立する時に、30万人ぐらい集まって、リトアニアの歌なんかを歌ってた。
警察官の管理の仕方と今の動きを見てると、報道はこれからもされないだろうと思う。
とにかく、人数にこだわらないで、何人でもいいから、集まり続けること。
報道されないことに腹を立てても仕方がない。
報道機関自体をもう信じてないのに、報道させようとなどと躍起にならなくてもよい。

投票には行ったことがない。
多数決を信じていない。
誰を選ぶ、ということではなく、自然淘汰によって落とされなかった者が自然に浮き上がってくる。
物事も決めない。
動いて、その都度判断してやっていく。
そんなにたくさんの、1億2千万人全部決めるっていうルールではなく、ある程度の小さな集合体の中でのことで、
もしその中で自殺者がひとりでも出たら、一気にやめる、と思う。
現実では、毎年3万人の自殺者がいて、変死者が15万人出ていても、さらにWHO(僕は全く信じていないが)の見解では、その半分は自殺者であろうと言われていて、
そうすると10万人、原爆が毎年落とされているに相当する数の人間が死んでいて、それでも選挙を信じられるのか、と思っている。
それならば、江戸時代や明治政府なんてあり得ない。

どうやって変えるか。
変えるというのではダメ。
市民の意見を反映して、原発が無くなるとする。
原発というのは、ゼネコンが一番高い見積もりを出しても、借りてくれるし建ててくれる。
原発には、さまざまな企業、銀行がつながっていて、そこから脱するということはまず、企業がつぶれるということ。
社会すべての物につながっているとは言わないが、その影響はかなり膨大な範囲に広がる。
電気は100ボルトと我々は思い込まされているが、それは、長い長い送電線を使っているからであって、本来ならば、12ボルトで電気は使える。
車のシステムと同じものを使って生活ができるはずなのに、100ボルトに飼い馴らされてしまっていて、変えることは考えない。
なのに原発を止めようとしている。
だから、全部が合体しなければいけないのだけれど、ほとんど思考がそういうことにしか向かっていない。

僕はだからまず、福島の人達には逃げろと言う。
作業員の人達も、そんな所で作業していないで逃げろと言う。
福島をまず空っぽにして、事故処理に対応するのは、政府が兵隊でもぶち込んでやるしかない。
プロがやらなければダメ。
プロもいないのにこんな状態で、ただただ人が傷ついている。
僕ならまず、そっちが先。まず西に逃げろと言う。
企業も銀行も電力会社も残したまんま、原発が止められるとは思わない。
なので、まず、個々の人間が、本当に自立できるような社会を作る、ということに重点を置きたい。
本当に、命のことの方が心配だから。

デモ行動は、今の政府に、自分達の意思を示すこと。
同時に考えないといけないのは、もう危険に晒されている人がいることと、逃げなければいけないということ。
同時進行で必要。
どっちかというと、デモより先にやらなければいけない。
脱原発をするのはちょっと後の話で、今やらなければいけないのは、緊急に一回逃げる。
まずは、火事場からまず逃げる。
そして次に、火事場になる理由を削除する。
そして、その元を作った政府自体をつぶす。
その三段階。

けれども僕はまだ、第一段階の火事場から逃げるところで留まっている。
まだ命が気になる。
僕個人の力だけだけど、福島の子供を50人、毎年無料で招待している。
昨年は150万。それぐらいでできる。
他の方だったらもっとできると思う。
今年からは、春夏二期にした。
人はよく、そんなことはできないと言う。
助成金も下りないと。
人の金なんてあてにしてる場合ではない。
自分がそのために働けばいいじゃないか。
無ければ、ある人に、興味を示してもらえるような説明をして、もらえばいいじゃないか。
チェルノブイリでも、3週間から1ヵ月の間だけでも保養をすれば、体内の汚染が軽減されると言われている。
でも、本質的には、僕は、疎開学校を作りたい。
熊本では、学校が本当に余っている。
とりあえず、お子さんだけの、寄宿舎つきの学校を作る。
もちろん、おとうさんおかあさんには来てもらいたい。心配だろうから。
なので今、熊本の企業で、飛行機4機持ってる所があって、そこに声かけ(営業)しに行こうと思っている。
福島と熊本を結ぶ、エアフクシマというラインを作ったらどうかと。
昔なら、なにを戯けたことを言っているのかと言われたかもしれないけれど、今は以外とみんな、周りのおっちゃんらも、それちょっとやらなきゃいけないかもね、と言ってくれる。

新政府の政策◯◯に行くんだが、その方が、熊本県の副知事に昇格して、彼と一緒にいろいろと話をしている。
バンクーバーの、僕が描いた絵を買ってくれた人がいて、その人は一番上のパトロンなのだが、
「恭平が総理になったんなら、僕だってこのままじゃいられないよ」と言って、バンクーバーの隣のボーエンアイランドという島の市長になった。
で、僕も、2014年に、熊本市長に立候補することに決めた。
今の副知事も、4年頑張って知事になるはずなので、二人で徹底してやろうと。
福島はもう、何万年向こう無理だと思っていて、2回ほど行ったけれども、やはり命に対して無責任になれないと思った。
僕自身としては、そう思っていてもいいと思っていて、その代わり、みんなを受け入れるような場所を作る。

出にくいという思い。それは意外とお金だったりする。
熊本にむちゃくちゃ余っている土地があり、そこでゼロ円生活圏という、車輪がついたモバイルハウスを建てて暮らすことを提案している。
車輪がついている家は、不動産ではなく可動産なので、免許もいらない、農地に置ける。
総工費は3万円。
3万円ぐらいならあるでしょ。土地は用意しておくから。
廃油が使える発電機で、12ボルトの電気を使えばいい。
今の政権の政治家や総理は、結局は後ろから銃を突きつけられていて、脅され続けている状態。
そんなんで、2000万人を逃がせるわけがない。
市民は、違う世界、ねじれの世界に行かなければならない。

そもそも、そういうモバイルハウスを建てなくても、今すでに実在している800万戸の空家に移動できる。
もし政府が決断し、そういう策を立てて実行していれば。
でもできていない。
なんでできないのか。
あ、そうか、今の政府だからか。
じゃあ、私が作ろうってなるしかなくて、なんでできないんですかって、ドアをどんどんと叩いても、出てくるわけがない。
理由があるんだから。
800万戸やった瞬間に、東京地区が絶対暴落するから。
その瞬間に、今まで不動産で食ってた人達は、全部お金が無くなる。
そんなの絶対に言わないから。
東京が汚染されてるなんて、絶対に言わないから。
でも、僕の友人の東京の渋谷のオーナーは、もうもちろんハワイにいますよ今。
それが事実ですよやっぱり。
ちゃんと、金持ちは逃げれるようなシステムになってて、金の無い人達は、その周辺になんとなく、東京幻想みたいな形で居させられてて、それじゃまずいと思っている。
東京でも、98万戸分の東京ドーム分が空き地として余っている。

意識があることを示す、変化にスピードを加えるためにも、デモを続けていくことは大切。
けれども、さらにこれから、もっと実をもったもの、つまり、どういうことを要求しようとしているのか、
例えば、今の経済を変えないでできるのか、変えなきゃいけないのか、そういうところまで、
もうちょっと頭のある人間が、何人か頭(かしら)を作って、それなりの政策をちゃんとデモと一緒に出さないといけない。

今僕は、内閣総理大臣の練習をしたい。
正直に言えば、別に日本でなくてもよいと思っている。
なぜかというと、世界中、同じ問題を抱えているから。
けれども、今の日本は、ある程度脆弱さが出てきている。
つまり、システムが破綻し始めてきているので、一応そういう意味では、この国の状態を見たい。
もしかしたら、何かの◯◯を示せるかもしれない。
やっぱりそこからこう、何かを越えられるかもしれない。
でもそれこそ同時に、中国でも問題になっているし、ヨーロッパなんかもう破綻している。
アイスランドはもうデファンドして、中央銀行を国有化した瞬間に、住宅ローンが免除されている。
つまり、借金が幻だったことに気づけば、みんな(後聞き取れず)。

千葉県在住20代男性からの質問:
自分のやりたい事を、自分の意思を持って貫かれているように思われるが、その原動力になっているのは何か?
どうやって、お仲間がそんなに増えているのかについて教えてほしい。

僕は、やりたい事は全然別で、むしろ、やりたい事をやっているという認識が無い。
本当にやりたい事は言えない。
皆に、坂口さんって自由でいいねって言われるけれど、自由とかではないと思う。
やらねばならないことだけをやっている。
そういう意味では使命。使命としてだけやってるんで、僕はほんとはただのエロい、ただのキチガイです。
けれども、誰もやってくれないからやっているだけ。
人が自分の周りに集まっているかどうかはわからない。
僕は、人っていうのはいつか裏切ると思っている。
基本的に、僕は絶対に人を信じない。
人間不信の塊なんで、一切人を信じない。
褒められようがなんだろうが。
そのかわり、けなされてもへこまない。
僕はただただやっていくだけなので、僕はひとりで新政府活動をやっていくので、協力したい方には「ありがとうございます」と言うが、
別に「さよなら」って言われても、「あ、ちょっとだけ声かけさせてもらってもいいですか」って言うぐらいで、別に後はもう去る者追わず、どうでもいい。
僕はひとりでやっていく。
だから、ただのオタク。総理オタク。新政府オタク、ほんとに。
そういう意味では好きなのかもしれない。こういう、やらなくてはならないことをやっていくのが。
ひとりで全部自腹でやるから、スポンサーもなにもついてないから。
助成金も一円ももらっていない。
けれども、今回の福島での企画には、行政がお金を出させてくださいと。自分たちの名前が載ると結構あつい(?)んでと言われて。
それで、いくら出せるのかと聞くと「60万」と。
僕は120万出している。行政がそれだけかと。
つまり、行政が自由に使えるのは、僕の2分の1、という認識。
後は全部、役人に決められている。
それぐらいひどいもの、この世の中は。
変えていこう。

政党が変わるのは、仮面的に変わっているだけで、元はみな同じ。
世間では、(次の)地震が来たら、と言っているが、僕からしたら、頼むから、もう地震は来た。すでに一回起こったこと。
もうこれで動かなくてはダメなんで、原発にしても、次爆発したら逃げるって……いやもう、爆発はしてるから、
だから、爆発はしてて地震は起きてて、という状態から、なんで次に向かっちゃってんだと。
もう起きちゃったでしょと。
だからもうここで変えないと、もう2万年3万年変わらないんだから、じゃあそれに対応するしかないんだから。
今までの政府じゃだめなのはもう分かってきただろうと。
だって、なにもしないんだから。
だからもう、ある程度逃げていただいて、もうここ(今の政府)は無視した状態で、独自の経済圏を作るしかなくて、
その前には、日本銀行圏とほんとはちゃんと断ち切らないといけないけれども、そう簡単にはできることではないので、
でも、それこそ、アイスランドはできているわけだから、そういうできている例を見て、むしろ実現した方を見ようよと。
原発のどこが無くなったかと。
どこも無くなっていないんだから、だからそこじゃなくて、もうちょっと現実的に、何が起きたかっていうのを、つまり、今の政府の中で、できたことを見て欲しい。
例えば、アイスランドのように、中央銀行として国有化できたというのはひとつ、可能性としてあるとか、
そういうものを見た方が、逆に現実的であると、僕としては思っている。
夢は夢として大事なんだが。

政治や選挙には、皆、超シロウトで、だからほとんど、してない人が多い。
で、だから多分、闘えないんじゃないかと思う。
僕は好き勝手をやっているので、ほとんどなんの問題もない。ああ、できなかった……というのも全くない。
なんでも、あ、できた、できた、あ、すごいってだけなんだけども。