ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

ごみ新聞とまとも新聞

2012年07月23日 | 日本とわたし
これは、3日前から、呆れる気にも、怒る気にもなれず、蔑視しながら読んだ記事。

【産経抄】
記者の名前は無記名 産経新聞  2012.7.21  

いまどきのおしゃれな文化人になるためには、どうすればいいのだろうか。
若いときに、電気をふんだんに使ったコンサートをやって人気者になり、ニューヨークの高級マンションに住む。
もちろん、税金は大好きな米国に払って、日本には払わない。

▼菜食主義を一度は試し、電気自動車のコマーシャルに出る。
還暦を過ぎれば、流行の「反原発デモ」の先頭に立って、アジ演説をぶって、拍手喝采される。
目立ちたいのは文化人の業だが、もう少し本業に専念しては、と望むのは、古くからのファンのないものねだりだ。

▼いままで書いてきたのは、架空の人物の話。
ただ、ミュージシャンの坂本龍一さん(60)が、16日に17万人集まったと称する(実際は7万5千人程度だったが)反原発集会での演説は、おしゃれな文化人そのものだった。

▼彼は、
「たかが電気のために、この美しい日本の未来である子供の命を、危険にさらすべきではない」とのたまった。
確かに、たかが電気である。
命には代えられない、と思わずうなずきたくなる甘いささやきではあるが、
「たかが電気」が、どれだけ多くの命を救ってきたことか。

▼東日本大震災でも、17年前の阪神大震災でも、真っ暗だった被災地に明かりが蘇(よみがえ)ったとき、
どれだけの人々が感涙にむせんだことか。
大震災直後の昨年春、たかが数時間の計画停電で、病院に影響が及び、どれだけの病人が困ったかを、坂本教授は知らないのだろう。
 
▼昨日の、首相官邸周辺でのデモには、鳩山由紀夫元首相も参加した。
原発への恐怖心を利用して、騒ぎを大きくしようと画策する、左翼団体や金持ち文化人、
それに、選挙目当ての政治屋どもに踊らされていることに、参加者はそろそろ気付かれた方がいい。


対してこれは、東京新聞の論説。

核は制御できるのか
名古屋本社論説主幹 深田 実 東京新聞 2012.7.24

福島の原発事故をめぐる四つの調査報告が出そろった。 
しかし、これで事故原因が分かったという人は少ないだろう。
逆に、調べれば調べるほど、果たして核は、人間の手に負えるのかという疑問にぶつかるのではないか。

まず、過去の事例を見てみよう。

1979年、炉心溶解を起こした米国スリーマイル島原発事故では、運転員のミスがまず指摘された。
しかし、周りの警告ランプが一斉に点灯する中で、何が進行しているかも分からず、右往左往する運転員のことを、最新技術は考えてもいなかった。

その7年後、当時ソ連のチェルノブイリ原発で起きた事故でも、運転員の違反操作が第一の原因とされた。
しかし、あとで原子炉自体に、暴走の可能性があったと報告された。
欠陥は隠されていた。

これらから導かれることは、巨大科学には見落としが起きやすいという事実。
あるいは、人間が行う以上、科学技術は完璧ではないという、単純だが信じたくない事実かもしれない。

福島の事故の四つの報告書は、簡略化すれば以下のようになる。
国会事故調は『人災』といい、民間事故調は『津波の備えへの不十分さ』、東電社内調査は『想定以上の津波の高さ』を挙げ、政府事故調は『津波・原発事故の複合災害への支店の欠如』を述べた。

しかしながら、どれも原因に肉薄してはいない。

人災にせよ天災対策の不備にせよ、だれが何をどう誤ったのかが解明されねばならない。
そのうえで、なぜ誤ったかはやっと見えてくるのだ。
そこには、スリーマイル島事故のような、技術的欠陥が潜んでいるかもしれないし、
チェルノブイリ事故のように、政府とか人間の組織とは、都合の悪いことを隠したり、そもそも過ちを犯すものなのかもしれない。

だが、忘れてならないのは、原発の危険性は、飛行機や車や工場のそれとはまったく違うということだ。
核の扱いは、絶対の無謬を求められる。
世界では、400を超す原発が動いている。
日本も世界も知りたいのは、人類は本当に、核を制御できるのか、ということではないか。
核のごみはたまり続けるばかりだ。

技術立国日本で起きた事故の調査報告とは、そういう根源的な問いにも答えられるほどの内容であってほしい。
それでなければ、事故は再び起きる。
事故調査を終らせるわけにはゆかない。



この二紙の違いを、ようよう見て、読んでほしい。

今の日本が抱えてるのは、核のごみだけとちゃう。
こういう、見えへんごみもある。
去年のうちは、産経や読売が、とんでもない内容の論説を載せるたび、頭から湯気出してツッコミいれたりしてたけど、
もうそんなことするのも、そういう人間の相手するのも、時間とエネルギーの無駄遣いやと気づいてやめた。
できるだけ無視して、読まんようにしてた。
けど、この記事はひど過ぎる。
名前を公表してなくてよかったやん。
ちゅうか、さすがに、名前は出せんかったんやろな。

これからは、ますます本気でバカにさせていただきます。

東京新聞、こいつらの分も、しんどいけど、これからもがんばってください。

親愛なる『PIANO MEN』♫

2012年07月23日 | 音楽とわたし
『まうみへ

どうやら、今週の月曜日が、オースティンの最後のレッスンになりそうだ。
彼は、来月からトランペットのキャンプが始まる。かなり厳しいキャンプなので、ピアノの練習はほとんどできないと思う。
そして、9月からは高校生。多分、兄のエヴァンと同じく、マーチングバンドに入り、厳しい練習が始まるだろう。
彼は、兄と同じく、幼い頃からまうみにピアノを教えてもらったことで、音楽の楽しみ方を知り、今では毎日、何かの楽器を演奏している。
作曲やジャズにも興味があるようで、あの引っ込み思案の子が、いろんなことに積極的に取り組む姿は、親として見ていてとても嬉しい。

まうみ、彼らはまうみの、アメリカでの教師生活の始まりからの生徒だ。
この10年以上もの間、彼らを教えてくれて本当にありがとう。
 
彼らからの感謝の印に、このビデオを贈る。
楽しんでもらえたら嬉しい。

アラン』


プライベートのYouTubeビデオをクリックすると、
画面にいきなり、オースティンとエヴァンが現れた。
オースティンがピアノを弾き、エヴァンが歌っている。

曲は、ビリー・ジョエルの『ピアノ・マン』

もみじみたいなちっちゃな、ヘロヘロの指が、鍵盤をたどたどしく押さえているのを思い出した。
アレルギー持ちで、よく目を真っ赤にしてた。
ティーンになって、ちょっと反抗期っぽい時もあったけど、こんなわたしによくついてきてくれた。

ありがとう。ありがとう。ありがとう。

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Sing us a song, you're the piano man,
歌ってよ ねえほら ピアノマン

sing us a song tonight
歌ってよ ねえ 俺たちに

Well we're all in the mood for a melody
今夜お前のピアノを聴けば

and you've got us feeling all right
それで幸せさ

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ふたりの人生に、ずっとずっと、音楽の神様が微笑みかけてくれますように♪