ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

メリークリスマス!

2008年12月25日 | 家族とわたし
リビングルームのテーブルに所狭しを置かれてあるクリスマスクッキーの数々。
キッチンカウンターの上には、朝食用のフワフワのスクランブルエッグとソーセージとかりかりに焼いたベーコンとクリスマスブブレッド。
朝っぱらからすごい量です。

教会音楽が静かに流れる中、起きてきた順番に朝食を終え、子供達待望のプレゼントを開く時間です。
皆でリビングルームに集まり、今年の栄えあるプレゼント贈呈係にわたしがご指名を受け、ツリーの下に山と積まれた贈り物を配ることになりました。

ちょっとメルヘンチックに写真をエディットしてみました。天井にまで届く3メートルもの背い高ノッポのもみの木です。



旦那母のアイディアで、名前別に大きな袋にまとめて入れられた贈り物の数々。



姪っ子のリンデン、めっちゃ真剣な表情で、グミキャンディ(日本製)を読んでおります。



最年少の姪っ子エメラ。まろやかなカーブが心地良い、木製の家族セットに夢中です。




プレゼントタイムの喧噪が一段落した頃、旦那父から「新しいオフィスを見に行く?」というお誘いがありました。

旦那父は、某アイビーリーグを卒業後、軍の弁護士を経て、某有名チョコレート会社に入社。
そこでも弁護士でスタートした後に営業に興味を持ち転向、それからぐんぐんと業績を伸ばし、副社長にまでのし上がった人です。
副社長時代に、もう一人の副社長グループの見え透いた根回し(いわゆる社長の椅子を狙うってやつです)にほとほと嫌気がさして、さっさと早期退職をしました。
それからは、ペンシルバニアの首都があるハリスバーグという町で、企業コンサルタントとして色々な会社の指導をボランティアでやったり、
若手の芸術家を発掘し育てる振興会を作り、発表の場を提供するための大きなホールを建てたりと、どれもこれも純粋なボランティアで精力的に駆け回っている人です。

企業コンサルタントの一環で所属していた健康保険会社の看板CEOが急に辞職したのに伴い、次の人が決まるまでのつなぎでいいからと引き受けた臨時CEOが、わたし達の予想通り、臨時ではなくなりそうな気配がむんむん。
そんなこんなで、彼の新しいオフィスを見学に行くことになったのでした。

テレビや映画とかであるような、過剰な贅沢さは無かったけれど、そりゃまあ、この広さをひとりで使うのは気持良かろう、と思いました。
旦那母の作品(陶芸家です)をさり気なく飾ってありましたが、よくある家族写真は皆無。もともとそういうタイプの人じゃないので、父らしいなあと思いました。

まあ、いろんな人生がこの世には存在するのだけれど、わたし達とは全く違う世界に生きている人なんだなあ……と改めて実感しました。

家に戻ると、旦那母がパニクっておりました。
そりゃそうでしょう、今日のディナーは19名。分量だっていちいち人数分をかけ算しなければなりません。急いでエプロンをかけ、料理に参加することにしました。

巨大ターキー(今まで見た中でいっちゃんデカかった)、スィートポテト、マッシュポテト、カラードグリーン、クランベリー、スタッフィング、グレービーソース、サワークラウト、
毎年食べているのに、やっぱり飽きません。伝統料理恐るべし。
デザートはラズベリーパイとパンプキンパイ。もうお腹の皮が痛み出しているのに、やっぱり食べてしまいました。やれやれ……。

ワインと食べ過ぎで頭が朦朧としているところに、ワシントンから来ている家族が帰らないとってんで、ピアノ演奏開始。
息子Tが、「今年もいっぱいコケたな」とボソリ……あんたに言われんでも分かっとるわい!と心の中で思いながら、「まあな」と同意するトホホなわたし。

息子Kは、ガールフレンドのDちゃんが別のパーティに行かなあかんからってんで早引き。
Kはひいてた風邪がどんどん悪化してしまい、ほとんどゾンビ状態になってました。
息子Tも、ガールフレンドのJちゃんが明後日の早朝に日本に帰っちゃうので、Kとは別に早引き。
息子ってのは、こういうふうにして、どんどん離れていっちまうんだろうなあ……。

それにしても片付けが圧巻でした。とにかく時間内に作ることで精一杯だったので、料理に使った道具やお鍋、それから19人分の食器がてんこ盛り。
まるでレストランでバイトでもしているような錯覚に陥るほどの量です。時間と手間がかかりまくりました。
かなりくたびれたけれど、ちょっと軽くクリスマスソングなんぞを弾いてみたくなったので、またまたミニコンサートが始まりました。
今回はみんなもおっきな声で歌ってくれて、わたしもノリノリ。やっぱりみんな一緒に歌うって楽しい!

ワシントン組に引き続き、旦那姉一家、そしてうちの息子達カップルが居なくなったのでちょっと寂くなり、『となりのサインフェルド』(Seinfeld)のDVDを残った皆で観る事になりました。
このコメディショーは、1989年から10年間続いた、ニューヨークを舞台に繰り広げられる伝説的コメディ番組です。
東海岸に住む大人の中で、このショーの好き嫌いは別にして、知らない人はまずいないと思います。
いろんな場面で大笑いしたら、どういうことか、また小腹が減ってきました。こわぁ~!
なのでスナックタイム。旦那母の秘密兵器ポップコーン器が、あっという間に中くらいのバケツ一杯分のポップコーンを作ってくれました。
それをむしゃむしゃ食べながらガハハガハハと楽しい時間を過ごしました。

初めてこのショーを旦那から紹介されて観た時、わたしはクスッとも笑えませんでした。なにを言っているのか、なにが可笑しいのか、全然分からなかったからです。
その時のことを思えば、こうやってアメリカンと同じタイミングで笑えるようになった自分に、長い時間がかかったとはいえ、よう頑張ってるやんと言ってあげたくなりました。

そして今これを書いています。そろそろ日付が変わります。
さてと、顔洗って寝ようっと。

おやすみなさい。再びかえる君に登場してもらいます