リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

住宅品質確保促進法

2006-02-15 15:28:22 | 家づくり
少々古くなった情報ですが、「品確方」に関してお知らせいたします。
これは、確かな品質の住宅を、安心して取得するための法律です。

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」は、(1) 住宅の品質確保の促進、(2) 住宅購入者等の利益の保護、(3) 住宅に係る紛争の迅速かつ適正な解決、を図ることを目的として制定されました。
住宅の取得は、多くの人にとって人生の最大関心事です。

この法の主旨は、消費者保護の立場から、住宅取得にあたっての担保措置の強化・充実、住宅選択の際の判断基準の設定を通じて、住宅の生産からアフターサービスまで一貫して住宅の質が確保されることを基本としています。
また瑕疵担保責任の強化や住宅性能表示制度の構築をも目指しています。

この法律では、すべての新築住宅について10年間の瑕疵担保責任を義務づけられています。
引き渡しから10年以内に構造耐力上主要な部分など(別1参照)の瑕疵について、売り主や施工会社が無料で修理することになります。

さらに、これまで明確な基準がなかった住宅の性能について共通のルールを定め(別2参照)、第三者機関が評価する「住宅性能評価書」が交付されるという仕組みもあります。

別1 10年間の瑕疵担保責任を負うべき部分(施行令案)
(1) 構造耐力上主要な部分
 住宅の基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材、その他これらに類するもの)、床版、屋根版または横架材(はり、けた、その他これらに類するもの)で、住宅の自重もしくは積載荷重、積雪、風圧、土圧もしくは水圧または地震その他の震動もしくは衝撃を支える部分
(2) 雨水の浸入を防止する部分
 1. 住宅の屋根または外壁
 2. 住宅の屋根または外壁の開口部に設ける戸、わくその他の建具
 3. 雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、住宅の屋根もしくは外壁の内部または屋内にある部分


別2 新築住宅の性能に関し表示すべき事項(日本住宅性能表示基準素案)
 1. 構造の安定(地震に対する構造躯体の安全性・修復性の程度など)
 2. 火災時の安全(火災時の避難の容易性、延焼の受けにくさなど)
 3. 構造躯体の劣化の軽減(住宅の構造躯体の劣化対策の程度)
 4. 維持管理への配慮(配管の維持管理への配慮の程度)
 5. 温熱環境(躯体の断熱・気密による年間冷暖房負荷の少なさ)
 6. 空気環境(内装材のホルムアルデヒド放散量の少なさ、換気の方法など)
 7. 光・視環境(開口部面積の大きさ、天空光の取得のしやすさ)
 8. 音環境(界床の遮音対策の程度、界壁の遮音対策の程度など)
 9. 高齢者等への配慮(身体機能の低下を考慮した移動行為の安全性、介助行為の容易性)※上記は、新法の施行に先立って、建設省が発表した施行令案と性能表示基準(素案)です。

   
これらのことをよく踏まえて、品質に関して最善の注意を払うことが、後悔しない住宅選びの基本となります。


身の丈に合わせた住宅ローンを

2006-02-13 13:52:59 | 家づくり
家づくりには多額の資金が必要です。
その資金の中で重要な役割を果たすのが、住宅ローン。
マイホームの獲得をめざす人は、何らかの形で住宅ローンを活用することになりますが、その活かし方・利用の仕方によっては、成功と失敗がはっきりと分かれます。

たとえば、借入金を設定する場合、「いくらまで借りられるか」という考えもありますが、「いくらまでなら返せるか」と考えてみると、より具体性が見えてくるとは思いませんか。

つまり、生活実態に合わせて自分が返済できる額を考えてみれば、このローンの組み方の是非が判断しやすいのではないかということ。

人それぞれ生活実態(生活費のバランスなど)が異なリますが、その中でも生活実態の1つである安定的な収入状態は大きな決め手になります。

この安定収入は、年間を通して安定していることが前提となります。

というのは、住宅ローンを返済する場合、毎月返済が基本だからです。
毎月の返済可能額をチェックすることによって、借入金の設定がある程度推測できます。

また、もしお子さんがいる場合などは、子どもの成長に応じて教育費などが膨らむケースを想定することが不可欠です。
たとえば、子どものいる30歳の人が住宅ローンを返済する場合、返済期間を最長の35年とすることで、当初は比較的ゆとりをもって返済することができます。

ところが、5年後あたりから子どもの教育費負担が徐々に重くなってきます。
さらに高校進学期に入る子どもが複数いるような家庭では、その負担は長期にわたり、45歳前後から50歳前後のほぼ10年間に及ぶことが考えられます。
返済額が同じでも、住宅ローンの負担が重くのしかかる時期です。

よほどの幸運がない限り、確実な出費の増大が見込まれる家計費。
必ず通過しなければならない現実を見据えた上で、上手な返済計画を立てることが必要となります。
熟慮に熟慮を重ねた上で、返済によりゆとりを持たせるように借入金を設定すべきであることは疑いがありません。

色々なケースを想定して、最悪のシナリオを書いてみることが第一。そして、それを確実にクリアできる「ゆとり返済」こそが、安全確実な住宅ローンであると断言できます。

重すぎるローンは、いかに素敵な御殿が建ったとしても、経済崩壊の危険性をはらんでいます。
身の丈にあった住まいが、一番あなたの生活を充実させることを肝に銘じてください。


住まいのリサイクル

2006-02-10 13:01:14 | 家づくり
[2月5日/日本経済新聞 朝刊]
住宅業界、高齢者住み替え支援へ新法人・国が賃料保証

高齢者が郊外の一戸建て住宅を売ることなく生活に便利な都市部のマンションなどに住み替えるのを支援する取り組みが動き出す。
高齢者世帯の自宅をいったん借り上げて、広い住宅を望む子育て世帯に貸し出す法人を不動産や建設など住宅関連業界が設立する。
2006年度中にも戸建て需要が見込める東京から順次始める。

65歳以上の高齢者だけで住む世帯は年々増え、2004年時点で780万世帯。
郊外の広い戸建てなどは高齢になると維持管理の負担が大きい。
大規模な専門病院から遠いことも多い。
一方、子育て世代は広い戸建て住宅での子育てを望んでも、ローン負担はじめ経済力を考えると都心からかなり遠くなることが少なくない。


これは言ってみれば、住まいのリサイクル。

これから長いサイクルで進行する「高齢化社会」を考えれば、生活の基盤である住まいを世代間で有効に使うことは、是とすべきでしょう。

住まいというのは、住みやすいことが大前提です。
ユニバーサルデザインを考えるとき、肉体的・環境的に制約を受ける高齢者を基準にすることは、世界の趨勢です。

今ある戸建て住宅をリフォーム(あるいは改築)して、需要の見込まれる若い世代に貸すのは、需要と供給のバランスという点でも、効果的な施策であると考えます。

ただ、くれぐれも悪徳業者などが参入することがないように、行政には厳しい識別眼を持って臨んでほしいものです。



住宅性能表示制度

2006-02-09 13:09:05 | 家づくり
マンションデベロッパーによる耐震偽装の問題が世間を賑わす昨今、住まいの安全に対する信頼が揺らいでいます。

では、一戸建ての場合はどうなのか?
安全の指標となる「住宅性能表示」とはどんなものなのか。

●「住宅性能評価」とは?
 住宅の品確法に基づき、国の評価基準に従って住宅の性能の評価を行い、国が一定の保証をする制度です。つまり、“住宅の健康診断”と言えばいいでしょうか。今現在ではこれが一番信頼できる「住まいの安心・安全」を計るモノサシです。

●では、誰が住宅の調査・評価をするのか?
 国土交通大臣が選任した「指定住宅性能評価機関」のみが、評価書を発行することが出来ます。調査にあたる評価員は、一級建築士などの中から、試験に合格した国家資格者たちです。

●「性能表示住宅」購入のメリット
1.公平・公正な専門家によって、建物の調査などがチェックされるので、信頼度が高い。
2.性能表示住宅はブランド物件となり、資産価値が上がります。
3.住宅ローンの優遇金利があります。(銀行によって異なりますが)
4.性能表示住宅にトラブルが発生した場合、国土交通省の指定した住宅紛争処理センターが、消費者保護の立場から、迅速かつ公正に対処してくれます。

このように「住宅性能表示制度」は、ユーザにとってかなり魅力的な制度であることがおわかりいただけると思います。
ただ、鳴り物入りで誕生したこの制度も、一般の認知度は必ずしも高いわけではありません。

住まいづくりに重要なのは、「住宅性能」だけではないという考え方を持っている専門家が少なからずいます。
表示を受けるための費用がかかりすぎる、と指摘する人もいます。
そんな余分な費用があるのなら、インテリアに回したほうがいい、と言う現実論を展開する人もいます。

ただ、これらは新しい制度に関して、馴染みがないと言うだけで批判しているようにも見うけられます。
専門家は利害関係と自己弁護で、自分の説にバリアを張ります。
要は、ハウスメーカーが、ユーザの視点にどれだけ立っているかということが重要ではないでしょうか。

偽装問題で喧しい今だからこそ、この制度の重みをもう一度見直すと言うことも必要ではないかと、私は考えています。