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リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

うねり

2012-01-06 15:05:45 | オヤジの日記
ネットを検索していたら、どのキーワードがヒットしたのか不明なのだが、昨年末の紅白歌合戦に関するコラムに行き当った。

そこには、「aikoの歌が超下手すぎ。出演歌手の中で上手かったのは、演歌歌手だけ」という演歌礼賛の文が書き連ねられていた。

文章の表現方法を見ると稚拙ではあるが、何となく老人くさい表現も見受けられたので、文の主は年配の方だろうと推測した。

演歌歌手の筆頭に天童よしみさんの名があったから、彼女のファンなのかもしれない。

音楽は好き嫌いで聴くものだから、そのご意見は、尊重したい。

また、私は紅白歌合戦を観る習慣がないので、その歌番組内のaikoの歌は聴いていない。
それに、私はaikoのファンではないので、aikoの歌唱に関して詳しいわけではない。

ただ、10曲くらいは、聴いたことがある。
ライブ映像も観たことがある。

その程度の浅い知識をもとに言わせてもらおうと思う。

aikoは、特別歌唱力に秀でた歌手ではない。
しかし、超下手すぎ、という歌手でもない。
彼女を表現するとき、「個性的」という言葉が、一番似合う歌手だと思っている。

そして、私は彼女のアーティストとしての才能をリスペクトしている。

男にはわかりにくい情景を切り取って曲を紡ぐaikoではあるが、彼女の作曲家としての能力は、素直に認める。
aikoの作るメロディラインは、秀逸である、と言っていい。

スコア(譜面)を見ると、彼女の作り出す旋律が、J-POPの中では一種独特のうねりを持っていることが、よくわかる。


天童よしみさんは、演歌歌手として、偉大な足跡を残した人だとは思うが、果たしてaikoほど独創的なうねりを持っているだろうか。
天童よしみさんの歌を聴いたことがない私には、それは想像できないが、私が知っている演歌をベースに考えると、スコアとしての演歌は、極めて画一的な形態しか持っていないように思われる。

画一的なスコアは、馴れ合った歌唱を作り出すから、安定感はある。
その安定感を上手いと感じる人は、慣れ親しんだものだけを受け入れる人でないか、と私は勝手に分析している。

そして、これも勝手な想像であるが、コラムの主は、音楽のスコアに慣れ親しんでいない人ではないかと思う。

自分の耳に慣れ親しんだ音階だけが、「上手い」の基準の人。

おそらく、その種の人には、aikoの旋律の「うねり」は理解できないだろう。
そして、理解できないから「超下手すぎ」という表現になるのではないだろうか。

彼が上手いと思っている天童よしみさんに、おそらくaikoの作り出す「うねり」は歌えない。
様式美しかない演歌には、その「うねり」がないからだ。

その意味で、天童よしみさんとaikoを比べるという比較方法の稚拙さは、音楽を好悪だけで捉える素人の発想だと言える。

それは、お金をいただいてコラムを書くプロとしては、恥ずかしい行為である。


感想文を書くだけなら、公にしないで、己のパソコンの中に忍び込ませておくか、日記のように机の引き出しにしまい込んでおくほうが、対応としては大人だ。
これは、その程度の駄文だ。



しかし・・・まあ、そんな感想文に、強く反応するのも、大人げない行為ではあるが・・・。