まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

買収防衛策と定款の規定

2007-10-14 23:42:46 | 企業一般

       1010日の日経新聞には、買収防衛策導入企業が400社になった旨報じています。その中で、ブルドックと買収者のスティール・パートナーズの攻防戦を取り上げ、ステールの抗告を最高裁判所が棄却したことに関連して、防衛策の法的効力を巡り、二つのポイントを提示すると解説しています。

       防衛策を発動する際に株主意思を確認するかどうか。400社中341社が総会決議を経ているが、発動時に株主意思の確認を要件としているのは56社と記載。

       発動承認を特別決議とするかどうか。最高裁は総会での防衛策導入の賛成が8割以上(y(約83.4%)であることを重視したと記載。

ポイントは二つだけでしょうか?他にもあるのではないでしょうか?

       ブルドックは、6月の総会の時に、買収防衛策について第6号議案 定款一部変更の件として、急遽定款に規定を設けました。その上で第7号議案として新株予約権無償割当の議案を諮り承認を取得しました。同社の定款19条に、新株予約権無償割当に関する事項の決定についての規定を設けて、この総会の決議は特別決議で行う旨規定を設けました。第6号議案は、即時に効力を生じますから、これに従い第7号議案が承認された訳です。ブルドックは、定款の変更も行い、万全の体制で望みましたね。

○ 会社法2952には以下のような規定があります。「取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。

  買収防衛策を導入した企業で、どれだけの企業が定款に規定を設けたのでしょう。この規定によれば、定款に規定が無ければ決議無効の訴えが出来ますね。

       東京放送(TBS)と楽天のケースはどうだったでしょう。楽天は、株主提案として第5号議案取締役2名(三木谷・増田氏)選任と第6号議案として定款一部変更の件を提案しました。いずれも否決されましたね。定款の一部変更案は、買収防衛策を特別決議で導入しようと言うものでした。買収者が買収防衛策の導入を提案した訳ですね。特別決議で承認されれば仕方が無いと言うことでしょうか?

       定款163項に追加として、下記の規定を設けようとしたものでした。「当会社株式の大規模買付行為に対する対応策(当会社の企業価値・株主共同の利益を損なうおそれのある者による当会社の株式その他の有価証券の取得に対して、事前に導入する新株若しくは新株予約権等の発行、又はその他の手段による対応策をいう)の導入については、株主総会の決議により決定する。本項に定める株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う。」

       日経新聞の論点に戻れば、私は、特別決議の要件に準じて発動時に株主意思の確認をすべきと思います。買収者に持株を売却するのも株主の意思ですから当然ですね。また、400社中341社が総会決議を経ているとの事ですが、これは約60社が取締役会だけで導入していると言うことですね。株主の意思を問うこと無しに導入というのは如何なものでしょうかね。


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