まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

会社法―複雑過ぎる剰余金の算出

2007-10-17 21:51:58 | 商事法務

       剰余金の額についてですが、会社法446に規定されていますね。1-4号の額の合計額から5-7号の額の合計額を差し引いた額としています。1号ではまず最終事業年度の末日における剰余金の額を算出し、2-7号では最終事業年度の末日後の変動額について規定していますね。結局、「その他資本剰余金の額+その他利益剰余金の額」から出発し、これに自己株式の保有額を加えたものですね

○ 年度末の金額算出の1号は以下のように規定しています。即ち、イ・ロの額の合計額からハからホまでに掲げる額の合計額を減じて得た額としています。

  (イ 資産の額 + ロ 自己株式の帳簿価額の合計額)-( ハ 負債の額 + ニ 資本金及び準備金の額の合計額 + ホ 法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額)

ホの額は、法務省令に委任しています。会社計算規則177条です。1号から2-4号の金額を減じた金額としています。即ち、

(法4461 イ及びロに掲げる額の合計額)―( 4461 ハ及びニに掲げる額の合計額 + その他資本剰余金の額 +その他利益剰余金の額)

       私は、この規定の仕方は明らかに「ちょんぼ」だと考えています。会社法と省令の循環参照です。省令に委任してしまったので無理矢理規則177条を作ったのではないでしょうか。基本は、省令に委任するのではなく会社法だけでしっかり規定すべきです。

       事業年度末日後の規定は複雑です。あまりに技術的で理解を難しくしています。1号を基礎として、加算項目として2 自己株式処分益、3 資本減少額、4 準備金減少額】を加えて、減算項目として5 消却自己株式の帳簿価額、6号 剰余金配当の場合の、イ 配当財産の帳簿価額の総額、ロ 金銭分配請求権を行使した株主に交付した金銭の額の合計額、ハ 基準未満株主に支払った金銭の額、7 計算規則178条に定める勘定科目に計上した額の合計額、の合計額】を減じた額を剰余金としています。

○ 計算規則178は、1-3号の合計額から4-5号の合計額を減じて得た額としていますが、この額は、上記の通り減算項目ですから、プラス・マイナスが逆になります。1号は、剰余金減少額、2号は配当に当たり準備金の計上不足を補う為の剰余金の使用額、3/4/5号は、吸収型再編受入行為、出資不足額が会社に支払われた場合の資本剰余金増加額等です。

       いやまあ読むだけで疲れますね。良くこれだけ、技術的なことぐじゃぐじゃ書きましたね。もっと規定の仕方を工夫して、簡潔わかりやすく出来ないものでしょうか。基本の算式をきちんと書いて、例外的にしか起こらないことは、別途まとめて書いて分かりやすくする工夫が必要です。法務省の立案担当者というプロの人が書いた割には、ハッキリ言って規定の仕方が「へたくそ」です。

コメント
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