まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

会社合併―最大の問題点

2007-03-21 16:32:35 | M&A
会社が合併する場合には、いろんな問題が発生しますが、やはり人の統一、これが最大の難問ですね。しかも時間がかかります。

○ まず役員人事ですね。会長・社長は、結構すんなり決まる場合もあると思いますが、両社(特に消滅会社)の役員は全員合併(存続)会社の役員というのも如何か?せっかく役員になったのに、止めるか、また降格か?割を食う人が出てきます。

・ 消滅会社の部課長以上の人は人生に影響しますね。特に役員一歩手前の人等、残念ながら社員としてご退職のケースが多いのではないでしょうか。

○ カルチャーとか、インフォーマルネットワーク、伺いの書き方、社内用語、行動パターンが違います。水と油をどのように統合してみんなのベクトルを揃えるか、消滅会社の役職員のモーティベーションをどの様にアップするのか、マネジメントの力量が問われます

・ たすきがけ人事を合併後何年もやっていた会社もありますが、もうそういった時代でもないですね。しかし、相変わらず融合は簡単ではありません。明治安田生命の不祥事で、旧安田側は「不払いはもともと旧明治の問題」、旧明治側は「金融庁との関係がこじれたのは折衝を担当した旧安田の責任」として非難合戦は泥仕合となりました。結局主要役員陣は総退陣・入れ替えとなりました。しかし、いろいろしこりが残っているかもしれません。しこりはなかなか消えませんね。中央三井信託銀行の場合は、いつの間にか旧三井信託銀行の人が主導権を握ったみたいですけどね。

○ 人事制度―就業規則、給与体系等も統一しないといけません。昔は給与など高い方に合わせていた例が多かったですが、最近はどうでしょうか。経過期間を設けて、人事が巧妙に、一部の人は少し高めに、大部分の人は引き下げている例もありそうですね。その他社会保険(健保・厚生年金)・労働保険(雇用保険・労災保険)の変更手続きも必要ですね。健保の統一は少し手間がかかるかもしれません。

実務上の一番の問題は、厚生年金基金等の退職給付債務の統一だと思いますね。
・ 厚生年金の場合は代行給付している会社と代行返上した会社とが合併する場合など問題になると思いますね。

・ 年金基金の場合は大変複雑な問題になると思います。例えば、退職後10年企業年金を支給している会社と、15年支給、又は第1年金で10年・第二年金で20年の支給、あるいは一生支給している会社(厚生年金基金は終身支給ですね)が合併する場合はどのようにするのでしょうか?基金は、厚生年金の延長の+αの給付を行う場合と、全く違った設計思想・体系をもった企業年金等がありますね。

・ 確定給付年金の予定利率が異なっている場合はどのようにするのでしょうか。

・ 確定給付年金と確定拠出年金制度の会社が合併しようとしたときはどのようにすればいいのでしょうか?

・ また、過去勤務債務の償却が終了していない会社、あるいは積み立て不足のある会社などがあります。最近は株価が上昇しているので積み立て不足もかなり解消してきているかもしれませんが、結構大きな金額になる場合もありますね。

・ その他適格退職年金契約を生命保険会社等と契約している会社と厚生年金基金の制度のある会社との合併の場合にはどのようになるのでしょう。

・ この辺はどのように統一するのでしょうか。一般的には消滅会社の社員の退職給付の算定基準は引き継ぎますが、具体的な引継作業は複雑で人事の人の作業は膨大になる場合も多いと思います。

○ 事業譲受(この場合退職金算定基準を承継しない場合もありますが、その場合は組合・従業員の説得が大変なときも)や吸収分割でも同じ事ですね。重要な事項の割にはあまり契約書に記載されていない様ですね。消滅会社の従業員の退職給付債務をどのような形にして引き継ぐかにより、存続会社の退職給付債務の額に大きなインパクトを与えるケースもあるでしょう。

○ 人事の方や年金コンサルタント・アクチュアリーの人がおられれば、具体例はキーポイントなどいろいろ教えて欲しいと思いますね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする