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まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

Malaysia工業団地の借地権取得

2017-01-05 23:03:34 | 商事法務
〇 だんだんお宅的な内容になってきましたね。Malaysiaと言うととてもローカルな話になりますが、英米法の流れなので、Malaysiaの概要が分かれば、英米の不動産の考え方が少しは分かるかもしれません。但し、米国では、多くの州が登記制度の導入に失敗して、登記・土地の制度は、よくわからないですね。だからTitle Insuranceが発達したのでしょうね。

〇 まず不動産とは、日本の民法86条では、土地とその定着物ですね(Land and any fixtures are regarded as real estate)日本の民法では、はっきりしませんが不動産登記法では、土地と建物は別の不動産とされています(韓国・台湾も別登記)。しかし、これは世界的に見れば例外であり、土地・建物は一つの不動産として扱われます。昔、もう20-30年前にロンドンに行ったときに、この話を聞いて、石でできて200 – 300年も経っている建物を見た時に、こりゃ償却資産ではないなあと思いました。(借地権
の場合は、残存期間で、不動産(土地・建物)の償却を行う必要がありますね)

〇 不動産の保有には、FreeholdとLeaseholdがありますね。Freeholdが永久所有権であり、Leasehold は期間99年以下の借地権ですね。Malaysiaでの、所有権・借地権取得手続きは大体以下ですが、その前に、土地には用途指定があり、農業用地、工業用地、商業用地、住宅用地等の目的が定められており、この用途以外の使用は禁止です。用途変更は、理屈上は出来る事になっているようですが、相手が州政府なので、まあ認められないか申請放置が多いと思います。
・Freeholdの取得:
 1) SellerがLetter of Offerを発行。BuyerがEarnest Deposit(Money)として物件価格の2%を支払(これはNon-refundable)
 2) Sales and Purchase Agreement (=SPA)作成&締結 買手は8%支払。
 3) 当局への許認可申請、州のLand Officeへの認可申請。認可取得後90%支払。
  Land officeへ登記申請・登記料支払で完了

・Leaseholdの取得:
 借地権の期間は、MalaysiaのNational Land Codeによれば、3年超~99年 (一部のSub-leaseは、3年超~30年)となっています(221条)。しかし、一般的には30年+30年、60年、90年が多いようですが、工業団地の場合は、60年が多いようですね。
 1) Earnest Deposit 2%の支払いは、Lease Agreementの締結前に支払います(Non-refundable)。
 2) Lease Agreement締結時に8%(Balance Deposit)の支払。
 3) これに基づきLessorが、Leaseholdの土地の分筆手続き等を開始します。
  この期間中に、20% + 20% の支払い。Depositと合わせて代金の50%を支払。
 4)Land Officeが分筆を認可して、借地する土地が 確定すれば、残り50%の代金の支払と共に、Form15A等の借地権設定登記の申請必要書類(Lessee の登記簿その他の書類)を提出してLand Officeに登記申請して借地権登記を行います。
 5) 借地権が確保できれば、その後は工場・建屋の建築申請、認可後建設、建設完了後確認ですね。

まあ、そんなところでしょうか。

米国企業の役員報酬

2016-12-16 23:38:40 | 商事法務
〇 米国企業のEmployment Agreement (役員でも一般的に「雇用契約」という表題ですね)の主な規定は、以下ですね。特徴的な規定は、以下のTerminationの規定でしょうか。
1) Employment : A-sanをEVP and CFOとして雇う。 A-sanはこれを受けて、この契約等の規定通り役務を提供する。この後にいろいろ義務を書いたり、CEOへのreporting等が記載されますね。
2) Term: 期間
3) Compensation (a) Base Salary + (b) Performance (Discretionary) Bonus + (c) Severance Payに加えてBenefits (これは従業員とあまり変わらない)、Business Expensesの会社負担(or Reimbursement) + Vacation
4) Termination (以下に解説)
5) Non-recruitment, Non-solicitation, Non-competition and Non-disparagement Covenants.
6) Non-disclosure of Trade Secrets and Confidential Information
7) Ownership of Protected Works (在職中の発明などは会社のもの等)
8) 一般条項

〇 雇用契約の終了の規定は、大体以下の3通りが記載されます。これが米国の雇用契約の特徴と言えるかもしれませんね。ポイントは、役員に有責事由(Cause)があれば、既に発生した(Accrued)役務提供の対価を除いて、Performance (Discretionary) Bonus や Severance Payは支払いませんというものです。また、役員側としては対価を受領できる正当事由(Good Reason)があれば、報酬を得ることができるというものです。
(a) Termination upon Death or Disability.
(b) Compensation upon Termination by Company with Cause or by Employee without Good Reason =Discretionary Bonus や Severance Payを支払わない場合
(c ) Compensation upon Termination by Company without Cause or Employee for Good Reason = Discretionary Bonus や Severance Payを支払う場合

〇 Good Reasonとしては、会社による一方的なBase Salaryの大幅カットや、違法行為を行えという命令等ですね。ある弁護士(mhm)がドラフトした契約には、(i) a material reduction in the Executive's Annual Bonus opportunity, (ii) a material adverse change in the reporting structure applicable to the Executive.等をGood Reasonに挙げていました。Performance bonusですから、そのformulaを会社が大幅に守らなければGood Reasonにはなりますが、material reductionが本人のpoor performanceなら仕方ないですよね。また普通はreporting structureが変更されてもこれがGood Reasonにはならないと思いますしね。

Causeとしては、結構いろいろ記載しますね。一例として以下ですね。(i) the Executive's conviction of or plea of guilty or nolo contendere to a crime that constitutes a felony (or state law equivalent) or a crime that constitutes a misdemeanor involving moral turpitude; (ii) the Executive's embezzlement, misappropriation, or fraud, whether or not related to the Executive's employment with the Company, (iii) commission of embezzlement or fraud on, or in his dealings with, the Company or his misappropriation of any of the Company's funds or assets、その他全部で10個ぐらい書きますかね。

Disabilityとしては、the Executive's inability, due to physical or mental incapacity, to perform the essential functions of his job, for one hundred eighty (180) days等ですね。
Inabilityの判断が分かれるときは、お医者さんの診断書で判断するむね記載しますね。

・定義で時々抜けている条項があります。drug or alcohol abuseは、Disabilityの定義にきちんと入れましょうね。また、Causeには、willful failure to comply with any applicable law that is material to the business or affairs of the Companyのところには、discrimination or sexual harassmentも明記した方が良いでしょうね。

現地法人の役員報酬

2016-12-01 21:21:36 | 商事法務
〇 米国系企業の日本法人役員が親会社であり米国の証券取引所に上場している会社のStock Optionを得るケースがありますね。日本法人は米国企業の出先・先兵で、馬車馬のようにかつ近視眼的に働けば、おいしい人参を上げますよという制度です。国税庁が途中で解釈を変更して、何件も訴訟になりましたね。逆に、東証等に上場している日本企業の現地子会社の現地人役員への報酬はどうでしょうか? 日本では、従業員にStock Optionを与えている新興企業も増えてきましたが、まだまだ少ないですね。また現地法人役員は、親会社からの出向者が多いので、せいぜい普通の本社の持株会加入が多いでしょうね。しかし、これからは、傾向として現地法人トップは現地の人に任せる方向になるでしょう。そのときの重要課題は、いかにやる気の出る報酬体系にするかということだと思います。米国の上場企業の役員は、個別に雇用(経営委託)契約を結んでStock Optionを得ます。Option行使価格は、FMV(fair market value)=行使時の時価-x(10-15)%ぐらいでしょうか?その他、買収されて退職に追い込まれた時は、Parachute Paymentと言って、会社からがっぽり報酬を得て、従業員を見捨てて自分だけ会社を去る、その内容を規定することもあります。

〇 日本企業も、現地子会社の現地人CEOにどのようなIncentiveを与えるかを考えないといけないですね。まず、全世界の統一ルールと個別ルール・考え方を整理したうえでの話になります。しかし、現状はそういった考え方が整理されていない企業が多いですね。また目標・達成度管理、達成度に応じた報酬の増減formulaも整理されていないですね。米国系企業の場合は、近視眼的・単年度で目標達成したらPerformance Bonusが多いのではないでしょうか? 日系企業の場合は、そのまねをする必要はないですね。単年度の達成具合と中長期的な見方の二面性があった方が良いと思います。米国企業でも、継続性という視点からFace Bookのように、後継者にも同様の契約が締結される旨を(当事者が違うので後継者がこの契約はいやだと言えば承継されないのですが)規定している(This Agreement shall be binding upon any successor)ものもありますが。

〇 米国企業では、役員にはPerformance Bonusの他に、福利厚生(Benefit)もありますが、これは従業員とはあまりかけ離れていませんね。即ちAnnual Vacation(有給)、Sick Leave(無給も多い)、Medical Coverage(保険)、Retirement Plan(401(k) (経営陣の場合は、matching contributionを出さない場合もある)。

〇 では次にPerformanceに応じた報酬ですが、単年度の達成具合と中長期的な見方の二面性ある制度が良いと言いました。中長期的な報酬として、上場企業でない場合はStockが使えないので、結局お金を払うぐらいでしょう。退職給付のSeverance Packageにして払うというのも、一つの考え方ですね。一方単年度のPerformance Bonusの設定は比較的簡単ですね。年度初めに目標を立て、その達成度に応じて報酬額が決まる方式が多いでしょう。その経営陣と話し合って業績目標を設定します。
経営陣としては、低い目標を設定して高く報酬を得ようとしますが、会社側(その背後の株主たる親会社)は、出来るだけ高い(達成可能な)目標を設定しようとします。一旦目標を設定(売上高とかEBITDA額とか)したら、その年度終了後にその結果がでますので、それに応じた報酬額の支払(中間期で一部支払いもあり)をすることになります。

〇 Incentive Bonusの一例(EBITDAで目標を立てた場合)
1) COO shall be entitled to receive an additional amount equivalent to 50% of his Annual Base Salary (“Incentive Amount"), in case the Company's EBITDA calculated in the end of the relevant fiscal year is 100% of the EBITDA projection agreed.
2) In case the Company's EBITDA calculated in the end of the relevant fiscal year reaches 150% or more of the EBITDA Projection, COO shall be entitled to receive the equivalent of 200% of the Incentive Amount.
3) In case the Company's EBITDA calculated in the end of the relevant fiscal year is below 50% of the EBITDA Projection, COO shall not be entitled to receive any incentive hereunder.
目標達成100%の場合はインセンティブ金額(仮に、年間報酬額の半額)の支払、50%未満はインセンティブ無し、150%以上の場合は、設定インセンティブ金額の2倍を上限として支払うというものですね。では、50-100%の間、100-150%の間はどうなるのかですが、50-100%のときは、50%をスタートして達成度が1% upするごとに1%up = 100%達成で100%、100-150%のときは、達成度1%upごとに報酬額が2%して150%達成度で、インセンティブ金額の2倍の金額で頭打ちという規定をいれます。

まあ、こういうのもありますよという例示です。



米国の個人年金・DC等

2016-11-06 02:45:52 | 商事法務
〇 米国でM&AをAsset Dealで行うとき新設会社を設立して従業員を承継する場合、或いは企業集団の1社を買収するときなど、その企業集団の年金から抜けるとき、従業員の年金制度をどの様にするかは重要な課題となります。ある有名なFAや弁護士事務所と一緒に仕事をしたときに、FAのPartnerのおばはんが、「Day Oneからやれば良いですね」とか言っていました。制度設計だけでも、頑張っても半年はかかりますね。弁護士のにーちゃんも、会社のBSへの退職給付債務の計上はどれだけされていますかとFAに聞いていました。勿論FAのおばはんは答えに窮していました。そもそもそんなこと何も考えていないですものね。持ち運びできる制度です。個人のアカウントで、会社はMatching Contributionを損金処理しているのでBSに書いてるはずないでしょ。ほんまにあほかいな、理解してないですね。M&Aでは、Top Managementも重要ですが、従業員の処遇を改悪できないのが一般的ですから、重要問題ですね。Asset Dealでは、DA(Definitive Agreement)に従業員の承継についてかなり詳細に規定する場合もあるのですね。

〇 個人年金は、①会社が枠組み・制度設計しますが、転職先に持ち運びができる(転職先に制度がないと持ち運びできない)ということで有名な確定拠出年金(DC=Defined Contribution Plan=税法の401kに規定)があります(日本の企業型確定拠出年金制度とは違います)。他に、②IRA (Traditional IRA)=Individual Retirement Arrangementと、③ Roth IRAがあります。

〇 IRAは、年金拠出時の拠出額について連邦税(Federal Income Tax)が非課税であり、また運用益も非課税(年金受取時まで繰延)です。年金受取は59.5才を過ぎて引き出すときに課税されます。それ以前の引出には追加課税されます。当然税法ですから非課税限度額があります。2014年は、50歳未満は年間$5,500、50才以上は$6,500ですね。

〇 Roth IRAは、上記と異なり拠出時の拠出額に課税されます。運用益には課税されません。また年金受取時にも非課税です。どちらを行うかは退職者の個人の選択・事情によります。将来年金を受け取りときには、勤労所得は無いので、普通の従業員は、受取時低税率(連邦個人所得税率10%~35%)が適用されるIRAを選ぶのが多いようですね。

〇 401kは会社が制度設計して、その中から従業員が選びます。他の制度として上場企業はESOP(Employee Stock Option Plan)がありますね。でもESOPは会社が替わると承継できないですね。401kは、持ち運びができる制度ですが、制度設計は企業が行うという点は日米同じです。しかし、日本では企業が拠出します(他の確定給付型を実施していない企業の限度額は月5.5万円。併存型は月2.75万円が限度額)が、米国では個人が自分の給与の中から拠出し、企業はこれに対応したMatching Contribution(一定限度まで損金算入可)を拠出します。拠出限度額は、IRAの3倍、賃金からの天引きで年間$18,000 (50歳以上は+$6,000)となっています。

〇 DCのメリット・デメリットとしては以下。
 企業側:メリットとしては、掛金の追加負担無し(積立不足が発生しない)。投資リスクを負わない。デメリットとしては、資産運用良好でも掛金負担の軽減なし。加入者毎の詳細な資産運用の記録・管理が必要。
 加入者側:メリットとしては、転職時のポータビリティが高い。加入者毎の年金資産把握が可能(個人別勘定)、運用方法・資産構成割合の選択が可能です。デメリットとしては、投資リスクを負う。退職後の収入が不安定となる等です。

〇 DCの特徴を整理すると以下です。
・DCの4要素:①制度設計、②運用商品(何種類もの選択肢を用意)、③手数料(個人勘定のRecord keeping等の負担)、④従業員への説明・定期報告義務
・ERISA法上の義務:企業は加入者に対し、①Min.3種類以上の性格の異なる投資対象を提供、②3ケ月に1度投資対象変更の機会提供、③投資決定に十分な情報を提供

〇 59.5歳前の引出&転職・退職:59.5歳到達前に支給を受けると、通常所得税+10%の追加課税。401Kプランの実施企業から未実施企業へ転職したり、59.5歳未満で会社を中途退職した場合などは、60日以内にIRA(Individual Retirement Account)の個人退職勘定へ給付額を移管すれば、引続き非課税メリット(=課税を繰延べ)を享受できます。

そんなところでしょうか。

米国・EU独禁法のアジアへの潮流

2016-11-02 22:38:58 | 商事法務
〇 昔から米国の独禁法(Anti-Trust)、EUの競争法(Competition)は厳しいことで有名ですね。しかし、この10年の間にアジア各国でも独禁法・競争法が制定され、また執行事例が、中国(2008年施行)・インド(2009-11年)・シンガポール(2006年)・インドネシア(2000年)・マレーシア(2012年)等で起こっています。タイは1999年に施行された筈ですが、執行事例は無いようですね。一番要注意の国は、勿論中国ですね。外資系企業は監視されていますし、ガイドラインも制定されているようですが、僕は当局の恣意的・政治的な言い掛かり運用がされていると思っています。例えば、中国独禁法13条は、価格・生産量・市場分割協定は禁止、14条は再販売価格の決定等を規定していますが、15条では13条・14条の広汎な不適用が規定されています。また、13/14条にはいずれも、「国務院独占禁止法執行機関が認定するその他の独占的協定。15条にも、(6) 「外国との貿易及び対外経済協力における正当な利益を保障するためである場合」(7)「法律及び国務院が定めるその他の事由」と規定されていますので、国務院の意向(恣意?)に左右されるということでしょうか。

〇独禁法の規制は、①価格カルテル・顧客市場分割等の共同行為、②単独行為の独占排除、③合併・事業譲受等の企業結合(チェックの為の事前届出等)の3つの態様がありますね。

〇米国の独禁法は、(a)価格カルテル・市場分割・入札談合等、法律上当然違法(per se illegal)と、(2)合理の法則(Rule of reason)に照らして正当化の理由が無い場合は違法という考え方ですね(horizontalな共同生産販売等とverticalな再販売価格設定・抱合せ取引・排他条件付取引等=尚、日本では不公正な取引方法ですね)。EU独禁法も、カルテルは原則違法ですね。日本では、カルテルを当然違法とはしていません。2条2項6号では、「公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。」また、日本独自の規制としては優越的地位の濫用禁止でしょうか。

独禁法違反の制裁ですが、米国は民事(3倍賠償)・刑事罰、EUは民事、行政罰(但し、各国の独禁法で刑事罰を規定しているところがあります。)、日本は民事、刑事罰、行政罰の3つともありますね(民事・刑事罰は件数としてはあまりないですね)。米国の刑事罰は、DOJ (Department of Justice)とFTC(Federal Trade Commission)が担当ですね。米国での運用もどうもアジア系(日系・韓国系)企業の摘発が多いみたいでね。米国では、カルテルは刑事事件となり、企業だけでなく担当者個人&その上司も起訴の対象です。日本在住の担当者は、当然米国の刑罰権は及ばないのですが、最近は企業が当局と司法取引(Plea bargaining)して、刑を軽くしてもらって米国で服役する例も出て来ていますね。EUのカルテルへの制裁は、①企業に対する行政上の制裁金(裁量権を保有しており多額になる傾向がある)であり個人が処罰されることはない(但し、各国の競争法で刑罰規定のある国がある)、②カルテル認定に当たり価格に関する情報交換レベルであっても違反と認定される可能性があること、③違反者を企業単独では無くグループ単位で捉える、即ち親会社も連帯責任とされるということでしょうか。

独禁法の特徴は、域外適用(効果主義)ですね。その行為の効果が及ぶ国の当局に規制の権限がある考え方です。ある製品の米国でのマーケットシェアー1位・2位の企業が、タヒチ島に行って、米国での販売先への価格カルテルを決めたときは、米国独禁法が適用され、Per se illegalで違法となります。

〇特に最近一層注意を要するのは国際カルテルですね。国際的な企業間で、一国・複数国を対象とした、①価格カルテル、②顧客分割・市場分割カルテル、③マーケットシェアー調整、④生産数量カルテル、⑤入札談合等が行われた場合は当然違法です。

〇日本の公取は、効果主義に基づく海外事業者に対する法執行が甘い・軟弱なので、経団連等は、厳正な法執行を求めていますね。


M&AのMaterial Adverse Change (MAC)について

2016-10-24 22:18:20 | M&A
〇 M&Aの買収契約では、買収の条件として表明・保証が契約締結日現在及びClosing日現在真実・正確であること等の条件が入りますが、この買収実行の条件の中に、DDの調査基準日からClosing DateまでにMaterial Adverse Change (MAC) = Material Adverse Effectが、売主の売却対象会社に生じたときは、買主は買収をやめることができる旨の規定が一般的に入りますね。かつて私がドラフトした買収契約で、相手からMACを定量化して欲しいと言われましたので、定量化は財務的な数値で10%以上の純資産が減少したとき等の規定を入れることは可能なのですが、定性的なものもあるので(key Person等の退職等)、「定量化は難しい、でも検討するからアイデアを出して」と言ったら、それっきりになり、当方の条項の通り契約書に記載することができました。

〇 この規定は、心配性の買主が契約後に何かあったら、「やーめた」と言える一般条項ですね。日本やアジア等のM&Aで、この条項を使って買収をやめた企業がどれだけあるのか、また、どれだけそれを理由として仲裁・裁判などで争われたか知りません(多分、殆ど無いと思います)。しかしM&Aが日常茶飯事の米国では、主としてDelaware州法で争われて判例がいくつかあるようです。

この条項で、買収契約のCancelを広く認めると売主は不利ですね。従い、裁判所は、実際の適用に当たってはMACの解釈を制限的にとらえています。
IBP v. Tyson Foods, Inc. (789 A.2d 14 (Del.Ch. 2001)), Delaware Chancery Courtの判例では、「In reviewing the broadly drafted MAC contained in the acquisition agreement, the court restricted material adverse effects to “unknown events that substantially threaten the overall earnings potential of the target in a durationally significant manner.”」
即ち、買手にとってunknown event (想定外)であること、長期的に全体の潜在収益力に脅威を及ぼすものであることと制限していますね。少なくとも、具体的に記載しないと認められないということですね。

〇 MAC条項の簡単な例:
No Material Adverse Change. Since the date of the Balance Sheet, there has not been any material adverse change in the business, operations, properties, prospects, assets or condition of any Acquired Company, and no event has occurred or circumstances exist that may result in such material adverse effect.

〇 数量化する場合の例:
For purposes hereof, an event, occurrence, change in facts, conditions or other change or effect which has resulted or could reasonably be expected to result in a suit, action, charge, claim, demand, cost, damage, penalty, fine, liability or other adverse consequence of at least $500,000 shall be deemed to constitute a Material Adverse Effect.

〇 MACの一般規定の後に該当しない例を書く例(売主側が用意するDraftの場合)
None of the following shall be taken into account in determining whether there has been or will be, a Material Adverse Effect: (a) changes or effects that generally affect the industries in which the Business operates; (b) changes in securities or currency markets or general economic, regulatory or political conditions; (c) effects due to changes in any accounting policies or principles (including GAAP) or any laws affecting the Business; (d) the failure of the Business to meet any internal projections or forecasts; (e) changes or effects arising out of, or attributable to, the announcement or the consummation of the transactions contemplated hereby, the execution of this Agreement, or the identity of Buyer; (f) any effect arising out of any action taken or omitted to be taken at the request or with the consent of Buyer; or (g) any effect, development or circumstance arising out of any action taken by Buyer in connection with fulfillment of its obligations under this Agreement.

〇 MACの条項に拘る弁護士さんもいますね。何のためにM&A契約を作成しているのでしょうかね?M&Aを実現するためですよね。つぶすためじゃないですよね。誰の目にも明らかで客観的なMACが起こらない限りMAC条項は、殆ど発動されない、重要では無い条項ですね。

Change of (in) Control条項について

2016-10-15 23:10:55 | 商事法務
〇 合弁契約に、当事者である株主にChange of Controlが発生したら、他方当事者はChange of Controlが生じた株主保有の合弁会社株式の買取権あるいは買取オプションを持つという条項を入れる場合がありますね。そういった事が起こる可能性が殆ど無い大規模企業間のときにも、弁護士さんによっては、余計な条項を書くのが得意な人の場合は入れるときもあります。この場合の簡単な例は以下ですね。

しかし、より頻繁にChange of Controlが言われる場合があります。こちらの場合はChange in Control Severance Agreement とか、Severance and Change in Control Agreementとして契約書として締結され契約当事者として個人が入ります。Severanceですから、Severance Package (Pay)として、がっぽり個人がお金を貰う契約ですね。経営者が流動的な米国ではPopularな契約ですが、日本やアジアの場合にはあまり見かけない契約ですね。今回はこのChange in Controlについてです。

Severance and Change in Control Agreementの場合は、必ずしも買収を仕掛けられて退職せざるを得ない場合だけではなく、Change in Controlによらない場合の退職金支払い、自己都合退職、業務遂行不能の場合の支払等も規定されます。しかし、買収を仕掛けられた時に、Executivesをやめさせるには多額の退職金の支払いを約束しておくことにより、買収予防効果をもつGolden parachuteもありますね。何十億円のお土産をもって、企業を見捨て自分だけパラシュートで脱出する米国らしいやり方です。見捨てられた従業員は、相変わらず企業に縛りついて働かなければなりませんね。


〇 合弁契約書中の簡単なChange in Control条項:
A Change of Control shall be deemed to have occurred if (i) a third party acquire a controlling interest (>50%) in Shareholder A or Shareholder B. ; (ii) there occurs a merger or recapitalization which results in any third party holding the single largest equity interest position in the entity surviving or resulting from such transaction; (iii) all or substantially all of the assets of the Shareholder A or B is sold, transferred, assigned, or otherwise disposed of to a third party; or (iv) a third party controls the composition of the majority of the members of the board of directors of a Shareholder.

○ Change in Controlの際の報酬支払条項の例:
Executive will receive the following severance benefits from the Company:
・Accrued Compensation.-これは既に発生しているけれどもまだ受け取っていない報酬なので当然受け取れますね。

・Severance Payment. Executive will receive a lump sum severance payment equal to twelve (12) months of Executive's base salary as in effect immediately prior to the date of Executive's termination of employment

・Target Bonus Payment. Executive will receive a lump sum severance payment equal to one hundred percent (100%) of Executive's full target bonus for the fiscal year in effect at the date of such termination of employment (or, if greater, as in effect for the fiscal year in which the Change in Control occurs).

・Continued Employee Benefits. If Executive elects continuation coverage pursuant to the Consolidated Omnibus Budget Reconciliation Act of 1985, as amended ("COBRA") for Executive and Executive's eligible dependents, within the time period prescribed pursuant to COBRA, the Company will reimburse Executive for the COBRA premiums for such coverage until the earlier of (A) a period of twelve (12) months from the last date of employment of Executive with the Company, or (B) the date upon which Executive and/or Executive's eligible dependents becomes covered under similar plans. Executiveに支払い保険料を返すということですね。この主保護は、従業員でもありますね。 解雇する従業員とその家族に対して、解雇された後一定期間(連邦COBRAは最長18ヶ月間、いくつかの州では+追加で18か月)、一定の条件下で、会社で入っていたグループ保険に入り続ける権利を与えなければならないというものです。解雇されると、健康保険の掛金は全部自分で払わなければなりませんが、個人で健康保険に入るより会社のグループ保険に入り続ける方が、掛金が安くてすむという大きなメリットがあります。

・Equity. Executive will be entitled to accelerated vesting as to one hundred percent (100%) of the then unvested portion of all of Executive's outstanding equity awards. In addition, Executive will have eighteen (18) months following any such termination of employment in which to exercise any stock options, stock appreciation rights, or similar rights to acquire Company common stock, but in no event will such equity award be permitted to be exercised beyond the earlier of the original maximum term of such equity award or ten (10) years from the original grant date of such equity award. 場合によっては、これが一番多額になるかも知れませんね。

・Outplacement Benefits. If requested by Executive, the Company will pay the expense for outplacement benefits provided by a service to be determined by the Company in its discretion for a period of six (6) months, up to a maximum dollar value of five thousand dollars ($5,000) following Executive's termination.こんなお世話もしてくれますね。

米国ではExecutiveの報酬はいたれりつくせり、富める者は益々富み、貧しいものは益々貧しくなりますね。日本でも退職高級官僚が、いろいろ関連法人を渡り歩いて、ろくに仕事もせずに、多額の退職慰労金をもらっていますね。




合弁事業設立の流れ

2016-09-28 23:07:36 | 商事法務
〇 今までも断片的に触れてきましたが、今回は、合弁会社設立の流れを時系列的に書いてみましょう。合弁事業としては、既にある企業の株式の一部を取得して合弁とする場合や、既にある会社の事業の一部をspin-offして新会社を設立して合弁とする場合等がありますね。後者の場合は、一方当事者の事業の一部を新会社に事業譲渡する場合や、両当事者の事業一部を新設会社に譲渡する場合等があります。有名な例としては、LOCKHEED MARTINとBOEINGが米国政府調達の宇宙事業の一部を、Delaware州にLLCを設立して譲渡した例等があります。

〇 日本企業の場合は、東南アジア等の地元有力企業と組んで、日本企業の製品生産の合弁を現地に設立する合弁が多いと思いますので、その場合の手順等を書いてみましょう。
1) NDAの締結:合弁パートナー候補が見つかったときは、まずNDAを締結して合弁事業の内容検討をします。目的・事業規模(規模感)・所要資金規模・出資比率・役員構成・両当事者の貢献等のイメージが出来たら、具体的な作業を開始します。
作業の内容をNDAに少し詳しく書く場合と、Non-bindingのMOU(Memorandum of Understanding)にする場合等がありますね。

2) MOU締結(別に必須ではないですね):重要なのは目的とF/Sの作成ですね。
①まず、事業として成り立つかの調査をきちんと相互に摺合せましょう。
(a) Screening of category
(b) Identifying target market, its present size and volume
(c) Competitive analysis
(d) Confirm basis for alliance and each party’s contribution
(e) Target & potential customers, their future potentiality, prospect and sustainability
(f) Concept quantitative validation with product placement & rough volume estimate
(g) Market entry strategy and plan

② 事業として成り立つ見通しが立てば、事業計画を作成しましょう。その場合には、以下等を詰めましょう。原材料を海外から調達して製品を作り当該国で販売する場合等、関税・現地の流通税等もきちんと調べておかないと、後で思わぬ落とし穴に会う事になりますね。
(a) Overall goal
(b) Business cooperation scheme
(c) Financial target for the first five years
(d) Funding Plan (including debt-equity ratio)
(e) Competitive strategy
(f) Outline of Production Facilities (Location, Products to be manufactured, Production Capacity, Location, Construction Schedules etc.)
(g) Operating configuration
(h) Organizational model
(i) Detailed plan of the priority area to be studied with the following analysis.
i) Estimate of revenue potential
ii) Estimated aggregate amount of investment in production facilities (CAPEX) 新興国では外資系 には土地取得を認めない場合も多いので注意)
iii) Estimate of production cost
iv) Market entry plan
v) Personnel and human resources requirements
vi) Production technology know-how requirements
(j) Brand and product development
(k) Others.

上記の事業計画で目的・事業規模・所要資金規模(CAPEX + Working Capital)等の共通認識を持ち、併せて出資比率・役員構成・両当事者の貢献等を、きちんと詰めていきます。事業計画などは、保守的ケース、標準的ケース、積極的ケース等2-3通りを作成します。

3) 合弁契約Draft作成と付随関連契約の概要
上記2)について目途が立てば合弁契約のドラフトを作成します。これを弁護士等に丸投げしてろくに読まない人がいます。困ったものです。誰の事業ですかということですね。
合弁契約の内容が固まれば締結に進む場合と、合弁契約の内容を反映した定款まで作成して締結する場合がありますね。

合弁契約には、普通どんな関連契約があるかを書きます。株主の協力条項の中に、新会社は株主と技術支援契約を締結すると記載することも多いです。他に、原材料供給契約、ライセンス契約、製品引取(off take)契約、総務(工場の許認可取得を含む)・経理作業委託契約、オフィス(IT環境付)賃借契約、工場建設エンジニアリング契約等ですね。これら契約を、新会社設立後新会社と株主間で締結し、始動するわけですね。

合弁契約作成だけでは、合弁事業はスタートしませんね。原材料供給契約、ライセンス契約、製品引取(off take)契約等は事業計画を実現する契約ですが、工場が完成しないと意味ない契約ですね。ですから遅れて作成・締結しても良いですし、工場を作っているときに事情に変化が生じることもありますが、後日の見解相異等が出ないように骨子は合弁契約に書く場合もありますね。


会社買収のLOIの内容

2016-09-02 22:44:32 | M&A
〇 売却対象会社の書面情報など一次資料を受領し、買収に値するとして買収交渉に進むときに、買収意思の表明としてLetter of Intent (LOI)を売却側に提示します。そのときのLOIについてです。
FAが取り仕切って入札方式で行う場合と相対で交渉して行う場合の2通りがありますが、一部を除き、買収側の記載内容は大体同じです。尚入札方式の場合はFAより、注意事項と記載して欲しい条項等を言ってくる場合があります。注意事項としては、案件の取り進め方式(コンタクト窓口の統一等・一次Bid=Price Indication提出期限等)、Rangeのprice indicationの場合は、一番安値を入札価格として審査するとか、(Fundの入札等を想定した)買収資金の確保・所用期間等の記載を求める事項等が記載されています。

〇 LOIの記載内容
まず冒頭に、買収の機会を得てありがとうなど挨拶文言などをいれて、このLOIはlegally Non-bindingである旨記載します。続いて以下などを記載します。

1) 買収主体の概要: Stock dealにしろAsset Dealにしろ、誰が買収するのかの概要を書きます。海外の場合は、現地子会社が買収するなど買収の主体(Acquiring Entity)を記載します。

2) 買収予定価格:Price Indicationですね。昔は、RangeでIndicationを出して、価格交渉に持ち込もうという買収者が多かったですが、最近はFAが入っている案件では、Rangeのofferはするな。したときは一番下値をIndication価格とすると明記したFAの入札指示書が一般的になりましたね。売主にとり一番重要な要素ですからね。

3) 資金調達: 買収資金はきちんと調達できますよという内容を記載します。Acquisition Financingですね。価格を提示しても、その資金を調達できないと意味ないですからね。
資金調達の確実性(銀行とのCredit Lineを確保しているとか)、Fundの場合は、受注確定後資金手当てまでの期間等を書きます。

4)買収態様:株式取得なら100%取得か、あるいは創業者保有株の一部は創業者に継続保有して、また継続経営をしてもらい、そのPerformanceに従い、残りの株式を分割取得する等の概要を記載します。Asset Dealの場合は、特に承継不要の資産等があれば記載します。欧米のAsset Dealは、日本の場合と異なりExcluded Asset and Liabilitiesを明確に記載します。会社を新設して事業承継する場合は、年金等(会社制度であるDefined Benefit Plan:
DB=確定給付制度や、会社が枠組みを作り個人が加入し会社がMatching Contributionを行うDefined Contribution Plan:DC=確定給付)の制度を作るに1年はかかりますので、その間は出向扱いでやるしかないですね。(こういった点はFAも日本の自称MA専門弁護士も知りませんので注意が必要ですね)。

5) 買収資金支払方法:Cash払いですね。

6) DD実施:一次資料で概略を掴み、どういった点を重点的に行うか、工場のSite-visitの事などを記載します

7)買収スケジュール:今後の予定等を記載します。

8) 買収の条件:どういった条件が整ったら買収を実行できるか記載します。普通はDefinitive Agreement (DA)の内容は、取締役会承認条件と書きます。

9) その他の条件:交渉ベースで進めることができる場合は、一定期間他社との交渉禁止などの条件を記載します。

大体、これぐらいでしょうか。これでうまく相手と交渉が進めば、買収のfirm offerですね。
入札の場合は、大体finalistとして3社ぐらいが残ります。Firm offerと言っても条件を付けます。Satisfactory Definitive Agreement 締結が条件ですね。

M&Aの事後PPA(価格調整)の不合理性

2016-08-17 22:25:40 | M&A
〇 最近は、株式取得による買収について、売買価格がDCFやEBITDA Multipleによるfree cash flowに基づく価格算定・交渉・決定をベースにしているところより、Closing Date等を基準にCash Flowを再度計算して、PPA (Purchase Price Adjustment)を行うべきだと言い張るFA (Financial Advisor)がいます。結論を言いますと、実務上混乱・見解の相違等でスムーズに行かないケースが多いです。自分でClosingを実行した事の無いFA等の言う事を真に受けると後で苦労します。出来るだけPPAは避けましょう。もし、株価を「株価キャッシュフロー倍率(PCFR)」等で行っている場合でも、closing date前月末日のBSを使用して、当事者間で事前確定しましょう。

〇 株式売買価格は、理論的には株式譲渡を実行するClosing Dateの時価です。ですからFAがClosing Date又はその直後の月末BS等を基準にPPAをしてclosing後価格調整をすべしと言ってきます。なるほどと思うクライアントもおられると思いますが、全く馬鹿げています。そもそも株価というものは、エイヤーで決まっているのです。EBITDA multipleでも、10倍とか11倍とかで買収価格を決めますが、最近の他社事例を参考に、「勝てる価格」を算出します。つまり買収価格はどんぶり勘定で決まるのです。それにも拘らず、いったん決めた価格を、決めた時点とClosing Date時点の運転資本の増加・減少の差異を計算してPPAを行います。まさに、砂上に楼閣を築く考え方です。PPAの部分だけ厳密に行って何の意味があるのですか。

〇 確かに契約時点とClosingの時点で、当然BS、PL、Cash Flowは異なってきます。乖離が、一定額以上の場合には、PPAが必要な場合も出てきます。その場合は、下記のルールで行う事を推奨します。

1) 事前調整でClosing Dateを変更しない:契約書でPPAの詳細を決めても、会計処理はいくつかの考え方・処理方法があるので、その通り行きません。お金を支払った後で、買主が支払済代金の一部を取り戻す場合、売主は「はい。そうですか」と直ぐに認めますか?認める筈ないでしょう。これがビジネスの常識です。逆もそうですね。当事者で決められない、調整が付かない場合はAppraiserに決めてもらうという条項を買収契約入れることもありますが、時間とお金がかかります。Appraiserが決めても不満が残ります。契約書に記載していても、お金をいったん払ってからの調整は必ずしも契約書通りにいかないこともあります。
もし、乖離・前提が大きくことなりPPAを行わざるを得ない場合は、事前にしましょう。買収側は、お金を支払ったら買収会社の経営に専念できる体制にすべきですね。

⇒ 事前調整ならClosing Dateの前月末日のBSならわかりやすいですね。それに基づいてClosing直前にPurchase Priceを再確定し支払うとすると事後調整不要です。(金を払う前なら相手も協力せざるを得ない。月次ベースでPL/BSの推移を見れば、(少しは操作できるけど、まあ大体の傾向はわかっているので、確定しやすいのではないでしょうか)

2) 調整は運転資本では無くNet Asset Value(NAV)で行う:運転資本なら操作される可能性があります。通常、売主と対象会社間にはビジネス・取引があります。従い運転資本(主としてAccount Payable & Account Payable)をある程度操作できる可能性があります。また、Closing Dateが月中の場合、その日のBSを作成してPPAをしましょうというFAもいます。通常月中のBSは作成しませんね。余計な手間暇です。月中のBSということは、その前後の売掛・買掛の計上日を操作できますね。(月末でも少し操作できますが)。それを見つけて指摘しても水掛け論になりかねません。

⇒従い、前月までの月次BSと対比できるように、月次決算(試算表)のBSを利用しましょう。しかも比較的わかりやすいBSのNAVを根拠にしましょう。

3) PPAをCash Flowの増減分で行うのは間違い:PPAを運転資本(WC)の増減分で行うというアイデアを出してきたFAがいますね。困ったものです。例えば、以下です。

PPAの金額 =Closing Date WC – Base BS WC
(Base BSとはDDを行った基準日=月末のBSです)

このPPAは、対象会社が製品販売の受注増が見込まれ、在庫を増やしたり、頑張って売上=A/C receivableを増やしたら株式売買価格が下がる考え方ですね。

売上が増えるという事は通常利益が増える事です。利益が増える場合にどうして株価を下げないといけないのでしょうか。売主が怒るでー。(米国のCorporate Financeの考え方にかぶれたFA同士では、CFで考えますので、こういった理屈が、顧客が気づかない間に決められてしまう可能性がありますので、要注意ですね)。

〇 どうしてもPPAが必要なときは、まず、一定額以上のNAV等が変動した場合に限りclosing前事前調整する(NAVの価格変動幅をそのまま反映させるか、当初の株価と同じPBR=株価純資産倍率等で行うなど、わかりやすい指標を使用)、前月末日のBSなりで、当事者が契約締結時からclosing直前まで推移を理解できる数字を使うことで行う事だと思います。


フィリピンの会社:定款変更による解散

2016-08-12 21:37:14 | 商事法務
○ フィリピンの会社設立については、2015年5月26日のブログで記載しましたが、今回は会社の解散についてです。解散については会社法XIV章 DISSOLUTION117条以下に規定していますが、会社法だけでは解散できませんね。労働雇用省(Department of Labor and Employment = DOLE)、地方自治体(Local Government Unit = LGU)、国税当局(Bureau of Internal Revenue = BIR)、社会保障関連機関(Social Security System = SSS, Philippine Health Insurance Corp. = PHIC, Home Development Mutual Fund = HDMF)などへの手続きも必要です。詳しい申請先と提出書類等はJetroが資料を作成しています。このJetro記載の手続きがほぼ終了した後の具体的手続き、例えば、新聞公告の事などがJetroの資料には載っていませんので、それらについて記載してみましょう。
https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/country/ph/invest_09/pdfs/ph12B010_kaishaseisan.pdf

○ 会社の解散については、会社法Sec. 118. Voluntary dissolution where no creditors are affected. Sec. 119. Voluntary dissolution where creditors are affected.及びSec. 120. Dissolution by shortening corporate term.という3通りの方法があります。Jetroの解説にはこの3通りがあることが記載されていません。しかし、中身を見ると「企業存続年数短縮を決議した取締役会決議書(SEC、BIR提出用と同じもの)(Certificate of Board Resolution attesting to the shortening of corporate )」等と記載しているのを見ると、120条に基づいて解散する前提で書いているようです。前提はきちんと書いてほしいですね。

○ 日本の大企業の現地子会社の場合は、一般的に債権者に影響のある解散はしないでしょうから118条か120条の解散ですね。この中で便利なのは、120条の定款変更で会社の存続期間の短縮による解散ですね。
「A voluntary dissolution may be effected by amending the articles of incorporation to shorten the corporate term pursuant to the provisions of this Code. A copy of the amended articles of incorporation shall be submitted to the Securities and Exchange Commission (= SEC) in accordance with this Code. Upon approval of the amended articles of incorporation of the expiration of the shortened term, as the case may be, the corporation shall be deemed dissolved without any further proceedings, subject to the provisions of this Code on liquidation.」と規定されています。

○ ここでは、従業員関係の対応、即ち、上記のDOLE、 SSS、PHIC、HDMF等への対応は一応目途が立った時点以降の、主として会社法関連の手続きの話をします。

1) 株主総会の特別決議(2/3以上)で解散を決議して、その詳細は取締役会に委任します。企業存続年数短縮を決議した取締役会決議書が、監督官庁への提出が必要だからですね。
2) 取締役会で定款変更決議(会社の存続期間を2017.x.xxまでと変更)
 →定款変更の取締役証明が必要
3) 解散通知の新聞公告の掲載(3回)→この証明書
4) 事業を停止し、現在行っていない旨の取締役の宣誓供述書
5) 債権者には全て弁済し債務が存在していない旨の取締役の宣誓供述書
6) 会社Secretaryの係争中の訴訟案件は無い旨の証明書
7) 税務債務不存在の税務署の証明書

上記を取り揃えて、SECに提出すれば、SECからの定款変更の証明書がでます。これにより定款に記載した期日をもって清算完了で、「the corporation shall be deemed dissolved without any further proceedings, subject to the provisions of this Code on liquidation.」。3年間の訴訟に備えた存続の定めの部分を除いて清算結了、残余財産分配が可能になりますね。





Dead Lock条項

2016-07-03 11:54:45 | 商事法務
○ 合弁相手との間で意見の対立があり、両者の話し合いではなかなか解決しない場合がありますね。50%-50%合弁では取締役の任数も同数が多いでしょうから、取締役会でもDead Lockに遭遇します。また、持株比率が拒否権保有以上の比率であり、仮に取締役の人数もその比率を勘案した取締役会であっても、全会一致事項(Reserved Matter)として合弁契約に記載し定款にも記載してある場合にも、取締役会レベルでDead Lockに遭遇します。

取締役会レベルでなく株主総会レベルでは、拒否権を持つ株主が、会社の重要事項、即ち合併とか解散の決議で拒否権を発動すればDead Lockですね。
その場合は、事前・事後に株主の責任者同士が事前によく話し合うことが重要ですが、欧米の金融投資家などは、事業への拘りよりもROIとかIRRの数字で、リターンがどれだ けかを計算して、さっさと売却して逃げる会社もありますね。
Fundなどは、裏にがめつい機関投資家等の出資者がいますし、米国などCalPERS(カリフォルニア州職員退職年金基金)等は個人の年金基金ですから究極的には個人ですね。

○ では、Dead Lockになったときに、当然まず指名された取締役が指名元である株主に連絡します。その際に株主間でどうするか議論・妥協点を見つける方法を探るのが普通でしょうけで、それでも解決しない場合は、どうすればよいかを決めるのが、合弁契約等で定めるDead Lock条項ですね。

○ ということで、今回は、どのようなDead Lock条項があるか見てみましょう。私がdraftingする合弁契約には、DrasticなDead Lock条項は基本的には入れません。しかし、新米弁護士に頼むと、嬉しがって入れる人がいます。自分は、こんな条項知っているんだよと言いたげですね。当事者が長年苦労して築き上げた合弁で、こんな別れ方がありますよと得意になって、頼みもしない条項を入れてきます(Dead Lock条項以外にも、ちょっと指摘したら、余計なことまで記載してくる弁護士が多いです。特に契約書作成などは経験ある弁護士は行いません。新米弁護士の勉強ですから。それでも勿論、しっかりお金を取りますから、注意が必要です。)

○ Dead Lock条項(一応2社合弁が前提)

1) Russian roulette:合弁相手に、お前の持株売るか、わしの持株買うかどっちかだと通知(売買価格のoffer込)を出して迫るやり方ですね。通知を受けた相手方が、それじゃ通知書記載に持株全部をキャッシュで売却するとか買収するとか決めて通知して、合弁を解消する方法です。
金融投資家の好みそうなやり方ですね。合弁会社ではそれぞれの強みを持った人を派遣しています。製造・品質管理責任者とかマーケティング責任者とか、合弁解消したら出向者は株主に戻りますね。経過的な処置も必要ですね。

2) Texas shoot-out:Russian rouletteは、一方当事者が相手方に迫るやり方ですが、こちらの方法は、各当事者が第三者に、相手方保有株式の全ての現金買取offer を第三者にSealed Bidで提出します。そのsealed bids は同時にオープンされて、高い価格を提示した方が、その価格で他方当事者の持株全部を買い取るわけですね。勿論相手方は売却義務があります。

3) Mexican shoot-out (あるいは'Dutch auctionともいう):.上記Texas shoot-outの変形ですね。Texas shoot-outは買取価格のofferですが、こちらは売却価格のofferで相手方が買うわけですね。売却価格の高い方が勝ちで、高い方の売却価格を提示した方が、安い方の売却価格を提示した(負けた)相手方保有の株式を買取り負けた方は売却義務が生じます。

4) その他のアプローチ:

① Arbitrationなどに付して第三者に決めてもらう。
② Mediationを記載する場合もあります。

まあ、基本は当事者の話し合いでしょうね。別に相手方の持株全部を売買して合弁解消するだけが解決方法ではないですね。持株比率を下げて20%未満にして、ビジネスは継続するというのもありですね。

不当に高い社外役員報酬

2016-06-20 21:47:07 | 商事法務
〇 会社法施行規則124条により、事業報告書には、社外役員について、取締役会への出席の状況、発言の状況、報酬等の総額及び員数を記載しないといけません。別に総額と員数ではなく、社外役員ごとに金額を記載すれば良いのですが、そういった開示をしている事はまれですね。但し、有価証券報告書では1億円を超える人は個別記載が義務化されましたね。
社長・会長が、海外視察等と称して海外に行ったり、社有車で保養所に行ったり、お客さんと称して接待費で飲み食いしていますからね。受領する報酬以外に、多くの役得があります。「厳しい第三者の目で精査」等と誤魔化した都知事も居ましたが、「何が厳しい第三者」なんですかね。調査した弁護士の費用は誰が出したんですかね。やらせの調査、都知事に「寄り添った」調査ですね。それでも、問題噴出でした。役員報酬も似たものですね。社外役員でも、高級料亭で社長に接待を受けているかもしれません。大同小異ですね。

〇 新日鉄住金の社外取締役は2名。1名は国鉄・JR出身者で、もう1名は外務省出身者ですね。報酬は、2名合わせて2880万円と記載されていましたので、1人1440万円でしょうね。取締役会は、14回開催されて、13回又は14回出席しています。
JR出身者(S18年生まれ)の活動状況として、企業経営者としての知見・経験も踏まえた発言を行っております。元外務省の人(S22年生まれ)は、国際情勢・経済等に関する知見・経験も踏まえた発言を行っております。
一回の取締役会で100万円。一回2時間として、せいぜい10分ぐらいの発言でしょうか?(1分10万円ですね。くしゃみをしても1万円?!)2人とも偉かった人ですし、年寄りでもあり、新日鉄住金のビジネスの事を熟知している訳でもありませんが、他役員は「有りがたく拝聴」でしょうか。新日鉄住金の経営にどれだけの貢献をした・しているのでしょうか?

〇 トヨタ自動車は、3名-経済産業省・大蔵省出身者と生保出身者で、報酬は3名で79百万円(2633万円/人)ですね。取締役会17回開催。従い1回155万円ですね。「発言状況につきましては、各人がその経験と見識に基づき、適宜発言を行っています。」
取締役会開催の際には、トヨタの高級車でお出迎えでしょうね。

〇 社外役員は責任限定契約を結んでいますし、東芝事件でもお分かりのとおり責任も負いません。なのにどうしてこんなに多額で不釣り合いの不労報酬を貰うのでしょうか?



Commonwealthの担保法 ①

2016-06-05 20:15:34 | 商事法務
○ ここで言うCommonwealthとは,英国の旧植民地という意味で使っています。a country within British Commonwealthという意味ですと、英国女王を元首として国(54か国中16か国)を意味する場合もありますので、少し違うかもしれません。即ち、Australia等もありますが、どちらかというとIndia, Malaysia,あるいはアフリカではGhana等の新興国のイメージですね。これらの国の担保法・担保制度は、いずれも英国の担保法・担保制度をまねています。従い、英国の担保制度の概要が分かれば、英法系の国々の担保制度がわかります。しかし、どのように運用されているのかは、実際にやってみなければわかりません。一般的に言うと、インドは結構きちんとしています。インドですからね、屁理屈と制度にうるさいですね。またインド独特のECBローン規制がありますから、日本的感覚からは親子ローンは銀行ローンより劣後すると考えがちですが、特に銀行ローンを優先させる合意をしない限り Chargeは、Pari Passu=同順位ですね。Ghanaなどは、運用はでたらめですね。登記所Registrarもいい加減だし、担保を設定する銀行も、登記等せずいい加減ですからね。

○ もとに戻って英国の担保法・担保制度について整理してみましょう。英国担保の制定法は、Law of Property Act 1925, Land Charges Act 1925 & 1972, Land Registration Act 1925 & 2002等で規制しています。御覧の通り1925年に制定法ができて整備されたのですね。それまでは、厳格なCommon Lawとそれを緩和するEquityの判例法ですから非常にわかりにくかったでしょうね。整備されたと言っても別に判例法がなくなったわけではないので、法源としては、Common Law, Equity Law & 制定法の3つどもえというところでしょうか。尚、英国と言いましたが、EnglandとWalesでは、判例法の発達が違うので、多分実務では少し違いがあると思うのですが、私は勿論知りません。おたくの人が研究して下さい。

○ 担保権の形式としてはざっくり言えば3つあります。基本的形式で、その応用という点ではいろいろ派生しているのではないかと思います。
① Mortgage:債務者・担保権設定者が債権者に対して担保物の所有権を移転するものですね。日本では譲渡担保と言っていますね。
② Pledge:質権ですね。即ち、所有権は移転しないけれども占有を移転するものですね。留置権(Possessory Lien)とは、また別物ですね。
③ Charge:所有権・占有権を移転しないで担保に入れる形式で、結構ポピュラーですね。
上記の内、Pledgeは占有移転が条件ですから、不動産では認められませんね。①は所有権を移転する、③では、所有権・占有権の両方とも移転しないので法形式として随分違いますね。

○ しかし、実際の機能上から見れば、①と③にはあまり大差はなさそうです。Common Lawでは、担保物の所有権を移してしまうと、債務の期限が到来したときに、これを返さないと所有権が完全に債権者・担保権者移ってしまうという構成ですが、Equity Lawでこれを修正して、「債務を返済して担保物を受け戻す権利は、単に期日に債務を弁済しないという理由だけで消滅しない」という構成をとって、担保権設定者の救済を計ったのですね。これを、Equity of Redemption(衡平法上の受戻権)と言います。即ち、債務返済の期限が過ぎても、完全な所有権は債権者に移転するのではなく、その後債務を弁済すれば受戻しできるという構成をとったのですね。しかも、この受戻権は、債権的なものではなく物権的なものとして考えられる。即ち、受戻権は譲渡できるようになったのですね。

○ 上記ですので、Mortgageは、所有権移転という形式を利用して、日本の抵当権に近い性質を持ってきたということですね。債務者は期限が来ても受戻権をもっていますので、債権者は、この受戻権を消滅させない限り完全な所有権を持ちません。即ち、裁判上の手続きでこの受戻権を消滅させないといけないわけですね。

○ Charge by way of Legal Mortgage : 1925年法では、Charge & Mortgageの混合形態の担保が生み出されました。「As a result of the Law of Property Act 1925, a legal mortgage over land is now normally created by a document creating a "charge by deed expressed to be by way of legal mortgage" rather than by the mortgagor transferring the legal title to the land to the mortgagee.」法的な効果はMortgageであるが、法律的構成ではChargeである。即ち所有権・占有権は移転しないが、法律的効果はMortgageであるとしたのですね。

○ Mortgage・Chargeは登記されますので、第三者にもわかりますね。しかし、この部分はイマイチよくわからないのです。というのも、登記が、国によっていい加減だからですね(インドは結構きちんとしています)。英国のLand Registration Act 2002では、譲渡担保は、土地の登記された権益に関してはもはや利用することはできないとしました。しかし、登記されていない権益については譲渡担保は継続的に利用可能としています。英連邦の国では、まだこの法律を真似た法制を制定しているか、よくわかりません。

担保権の種類については上記ぐらいでしょうか。しかし、ここまで書いて疲れてきましたので、続きは気が向いたら書きましょう。


社外取締役は無責任取締役

2016-05-09 00:16:40 | 企業一般
○ H26年の改正会社法では、社外取締役選任の義務化は見送りになりましたが、選任しない場合は、施行規則124条で「社外取締役を置くことが相当でない理由」の開示を求められています。しかし、東証コーポレートガバナンスコードで、独立社外取締役を少なくとも2名以上としており、「独立役員届出書」「コーポレート・ガバナンス報告書」も出さないといけません。ということで、多くの上場企業が社外役員の設置をしておりますが、その前提として、経営層の流動化が乏しい日本では、適格者がいないという現状があります。従い、無難というか企業経営の苦労を知らない、学者先生や弁護士・公認会計士等が社外取締役になっています。

○ 社外取締役については、施行規則124条で報酬額の開示に加え、取締役会における発言の状況、当該社外役員の意見により当該株式会社の事業の方針又は事業その他の事項に係る決定が変更されたときは、その内容を事業報告に記載することになっていますが、実態はどうでしょうか。取締役会で反対意見を述べたときは議事録に明記しないといけないですが、まああまり記載されていないようですね発言の状況も、「専門的見地から有益なアドバイス」などと、中身が全くない言葉で誤魔化されていますね。

○ でも、中には議事録や事業報告書には明確に記載されていませんが、結構発言する社外取締役がいます。この投資はそもそも反対だった、計画通りに行っていないのは理由を説明しろとか(議事録に反対意見の記載がないので賛成していますね)。まだ新規事業を始めて1-2年しかたっていないのに、お金も・あせも流してきたのに、やめてはどうかなどという無責任発言をする社外役員もいますね。経営学で成功事例・失敗事例の分析等した学者先生は、専門の経営学ですから、声高に取締役会で発言する例があります。専門の先生の発言ということで、他の取締役も、(例えば技術開発担当役員等は経営のしろうとという負い目があるのか)個人の性格の差もあり委縮して発言しないことも多いようです。逆に、殆ど何も発言しない学者先生もいるのかもしれません。委員会設置会社の東芝には、一流の経営学者が社外取締役としていましたね。何もしていないですね。報酬もらっているだけでしょうか?

○ 学者先生で、「計画通りに行っていないので事業を見直し撤退をすべき」などという人がいますね。汗をかいて事業を行っている人の労苦を考えない発言ですね。ブリジストンがファイアーストーンを高値で買収して、まともに経営できるのに10年もかかりましたね。事業に困難はつきものです。計画通り事業が進まないのが事業の常識です。その困難を乗り越えてどのように進めるか考えるのが取締役の職務です。

○ 取締役会では、頭でっかちで体を張って事業をしたことの無い学者先生の発言には、自信をもって反論しましょう。学者・弁護士等の社外取締役が事業に責任持ちますか?持つわけないでしょ!私は、東芝の例でもわかるように、独立社外取締役は、無責任取締役と考えています。