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1バレル80ドルを上回ったロシアの原油ユラルス

2010-04-10 | ラジオ
週明けから世界の商品取引所では原油価格が高騰している。
ニューヨークではアメリカ産標準油種WTIの価格が、1バレル85ドルを上回りロンドンでも北海ブロント(?)の価格が、これに近いレベルに達している。
こうした値動きを背景にロシア産原油の主要銘柄ユラルスは、その他の銘柄ほどではないとは言え1バレル80ドルを超える値が付いている。

ロシア産原油価格が、その他の銘柄に比べ、かなり低くなっているのは、広大なロシア全土に伸びるパイプラインシステムによるものだ。
判りやすく説明すれば、あるパイプには上質で純度の高い西シベリアの石油、また別のパイプにはボルダ河沿岸で採掘される、硫黄などの不純物の含有量が高い石油が流れていて、これらを混合した原油がユラルスとなっている訳だ。

一方こうしたロシア産原油価格をめぐる状況に付いて、ロシア石油ガス産業家同盟会長は、公正なものではないと指摘している。
「価格に差が出るのは仕方の無いことだ。しかしその差は1ドル位の範囲に留まるべきだ。
しかし今のパイプラインのシステムを使用している限り状況を変える事は出来ないだろう。
原油の純度を上げるような特別な装置を設置するか、西シベリア産だけの原油を輸送する、個別のパイプラインを確保することが必要だ。
ちなみに(?)の子会社が西シベリアの原油を採掘し、北海ルートでロッテルダムに輸送している。
そしてロッテルダムでは外国産銘柄より高値で取引されている。
何故なら西シベリア産の原油は、とても質が高いからだ。
近い将来に新しいパイプラインを敷設することは不可能だ。
問題はそこなのだ」
会長はこのように述べている。

現在の状況から抜け出す方法の一つと考えられるのが、ロシアの原油取引市場を創設することだ。
ロシア産原油価格の決定を、より公正に行うだけでなく、世界のエネルギー市場で高まりつつあるロシア産原油のポテンシャルを、より効果的に利用することが可能となる。
世界市場へのロシア産原油の参入に付いて、会長は次のように述べている。
「ロシアの原油はヨーロッパのかなりの範囲で利用されている。
この傾向は今後も続いていくと思われる。しかも我々は東シベリアと太平洋を繋ぐ新たなパイプラインを敷設した。
石油の需要がかなり高い太平洋沿岸の国々に、ロシア産石油を輸送するもので、こうした国々への原油の輸出量も増やしていくことになる」
会長は、この様に語っている。

ロシア政府は現在、経済の刷新と経済の多角化を進めているものの、ロシアの国家歳入は依然として天然資源の輸出によって支えられている。
原油価格の、その1ドル1ドルがロシア国民生活の質を向上できるかどうかを左右する。
なのでロシア産原油ユラルスのイメージアップを図る必要があるだろう。
最も今年の連邦予算は、原油価格1バレル58ドルという予測に基づいて編成されていることを考慮すれば、1バレル80ドルと言う現在の価格は、そう悪いものではない。

<ビジネスの未来1>エネルギーの未来

エリック シュピーゲル,ニール マッカーサー

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(?)は聴き取れない

4月5日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル


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