いや~、今年の夏は本当に暑い暑い夏でした。その暑い夏の現象を専門家はどう見ていたのか? 気象に関わる4人の専門家の話を聞いた。
11月16日(火)に札幌管区気象台などが主催して「今年の猛暑から学んだこと~要因とその影響~」と題する気象講演会があり参加してきた。(札幌エルプラザホール)
講演は4人の専門家がそれぞれ30分強の持ち時間を使ってそれぞれの専門分野から今年の暑い気候を分析した。その方々を演題と共に紹介すると、
◆松下 譲 氏(札幌管区気象台 技術部予報課 主任予報官)
「平成22年の夏の大雨と高温」
◆大久保智子 氏((財)日本気象協会北海道支社 気象キャスター)
「例年にない暑さ ~生活に役立つ気象情報とは~」
◆廣田 知良 氏((独)農研機構 北海道農業研究センター寒地温暖化研究チーム長)
「天候が及ぼす北海道農業への影響」
◆吉田 隆 氏(札幌管区気象台 技術部長)
「地球温暖化と平成22年夏の気候」
それぞれが貴重なお話をされたのだが、全てを報告することはできない。ここでは私の中で理解できたことを中心に整理してレポートできたらと思っている。
その内容は…、
◇今年の夏の気象を一言で表すと「猛暑多雨」といえる。
◇今年の大雨の傾向は、過去に北海道が大雨になった時の気圧配置と違っていたのが大きな特徴である。
◇北海道の空梅雨は徐々に消滅する傾向にある。
◇今年の夏の高温は例年発生するオホーツク高気圧の発生が少なくその影響をほとんど受けずに、勢力の強い太平洋高気圧の影響を受け高温の空気が流入したことによる。
◇札幌の過去100年間の気温を比較すると、100年前の30年間と最近の30年間の月平均気温では平均値が約2℃違っている。
◇北海道の高温化は夏よりむしろ冬の方がより顕著である。
◇今年の夏の天候の特徴は、地球温暖化の進行に伴って生ずると予測される将来の気候の特徴とよく一致している。
◇100年後の気候の予測では北海道の夏の平均気温は今より2~3度高くなると予測され、降雨量も増加すると考えられている。
◇猛暑多雨による農業に及ぼした影響は、畑作物の減収が大きい。また稲作も作況指数98とけっして良い結果とはなっていない。牛乳の生産量も低下した。
◇近年は気象の変動の幅が大きく、その変化に適応する技術体系の確立を図る必要がある。
といったことだった。
今年ほど顕著ではないにしても、北海道の天候が徐々に変化してきたことを肌で感じている一人である。気候とか、気象などいうのは人智の及ばない神の領域と思ってきたのだが、その変化に人間の活動が関与しているとしたら私たちはその活動について冷静にふり返ってみることも必要なのかもしれない。
なお、ここで用語について簡単に私なりの理解を記しておく。
「気候」は、ある土地の長期間にわたる気象の状態を指すもの。
「気象」は、気温・気圧の変化などの、大気の状態のこと。そしてその結果現れる雨などの現象のこと。
「天候」は、ほぼ天気と同じ概念で用いられるものだが、やや広さのある地方について語るときに用いられる言葉。と理解して使用した。
11月16日(火)に札幌管区気象台などが主催して「今年の猛暑から学んだこと~要因とその影響~」と題する気象講演会があり参加してきた。(札幌エルプラザホール)
講演は4人の専門家がそれぞれ30分強の持ち時間を使ってそれぞれの専門分野から今年の暑い気候を分析した。その方々を演題と共に紹介すると、
◆松下 譲 氏(札幌管区気象台 技術部予報課 主任予報官)
「平成22年の夏の大雨と高温」
◆大久保智子 氏((財)日本気象協会北海道支社 気象キャスター)
「例年にない暑さ ~生活に役立つ気象情報とは~」
◆廣田 知良 氏((独)農研機構 北海道農業研究センター寒地温暖化研究チーム長)
「天候が及ぼす北海道農業への影響」
◆吉田 隆 氏(札幌管区気象台 技術部長)
「地球温暖化と平成22年夏の気候」
それぞれが貴重なお話をされたのだが、全てを報告することはできない。ここでは私の中で理解できたことを中心に整理してレポートできたらと思っている。
その内容は…、
◇今年の夏の気象を一言で表すと「猛暑多雨」といえる。
◇今年の大雨の傾向は、過去に北海道が大雨になった時の気圧配置と違っていたのが大きな特徴である。
◇北海道の空梅雨は徐々に消滅する傾向にある。
◇今年の夏の高温は例年発生するオホーツク高気圧の発生が少なくその影響をほとんど受けずに、勢力の強い太平洋高気圧の影響を受け高温の空気が流入したことによる。
◇札幌の過去100年間の気温を比較すると、100年前の30年間と最近の30年間の月平均気温では平均値が約2℃違っている。
◇北海道の高温化は夏よりむしろ冬の方がより顕著である。
◇今年の夏の天候の特徴は、地球温暖化の進行に伴って生ずると予測される将来の気候の特徴とよく一致している。
◇100年後の気候の予測では北海道の夏の平均気温は今より2~3度高くなると予測され、降雨量も増加すると考えられている。
◇猛暑多雨による農業に及ぼした影響は、畑作物の減収が大きい。また稲作も作況指数98とけっして良い結果とはなっていない。牛乳の生産量も低下した。
◇近年は気象の変動の幅が大きく、その変化に適応する技術体系の確立を図る必要がある。
といったことだった。
今年ほど顕著ではないにしても、北海道の天候が徐々に変化してきたことを肌で感じている一人である。気候とか、気象などいうのは人智の及ばない神の領域と思ってきたのだが、その変化に人間の活動が関与しているとしたら私たちはその活動について冷静にふり返ってみることも必要なのかもしれない。
なお、ここで用語について簡単に私なりの理解を記しておく。
「気候」は、ある土地の長期間にわたる気象の状態を指すもの。
「気象」は、気温・気圧の変化などの、大気の状態のこと。そしてその結果現れる雨などの現象のこと。
「天候」は、ほぼ天気と同じ概念で用いられるものだが、やや広さのある地方について語るときに用いられる言葉。と理解して使用した。