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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 30 「地球交響曲 第七番」再見

2010-11-05 23:07:22 | 映画観賞・感想

 クラークシアターにおいて「地球交響曲 第七番」を再度観た。当然と言えば当然なのだが、先に観たときと印象はそれほど変わらなかった…。              
                            
 10月31日(日)、北大クラークシアターにおいて「地球交響曲 第七番」を恵庭市の上映会(10月2日)に続いて観た。
 2度も同じ映画を観ようと思ったのは、初回に観終えたときに「あれっ?」という印象が残ったからだ。
 私には昨年「第五番」を観たときの印象があまりにも強烈だったために「こんなはずではない」という思いが強かったからだ。

 しかし、正直言って2度目を観終えた後も印象が大きく変わることはなかった。
 それはなぜなのか…。
そのことをこの数日考え続けた。
明解な解答を見出すことはできなかったが、私なりにその原因を考えてみたい。   

 この映画は大きく4部構成になっている。
 一つは「霊性の原風景」と称して、神道の儀式を紹介しながらこの世のすべてを生かす大自然の、目に見えない力について触れている。
 次に環境教育活動家の高野孝子氏に自分の活動について語らせ、三つ目にはツール・ド・フランスの覇者グレッグ・レモン氏に日本の山岳地帯の聖地を訪れ、伝統工芸の匠達に会うために自転車を走ってもらい、その印象を語らせている。
 最後に医学博士のアンドルー・ワイル氏が登場し、人間の自発的治癒力に着目し、統合医療の実践やその考えを紹介している。

 この四つの構成要素はもちろん一つの糸で貫かれているのだろうが、その糸が細いように感じたのは私だけだろうか?
 高野氏、レモン氏が登場した意味も今一つ弱いような気がした。
 最後になってアンドルー・ワイル氏が登場してきて、自発的治癒力について語り、統合医療を実践している姿に接して初めて監督の瀧村氏の意図を窺い知れたと思った。
 というのも、瀧村氏はガイア(地球)の現状は悪性の肺炎を患い、苦しんでいると認識し、その治癒のための智恵や考え方を求め国内外の識者や実践者を探し求めているのがこの映画なのだと私は理解しています。

 瀧村氏は「第五番」で「ガイア理論」創始者のジェームズ・E・ラヴロック氏に次のように語らせています。

 かつて人は生きることの意味を宗教や芸術を通じて問い続けてきました。しかし、今や人々はその答えを科学に求めています。ただ、今の科学はそれに充分に答えていない。しかし、科学にもそれができると私は信じます。私たちが、この地球はひとつの生命体であるということに気づけば、何を大切にしなくてはいけないか、何をやめるべきかという道徳的なこともおのずと見えてくるのです。
         
 この言葉について私は次のように記しました。
「私の理解度は別にして、私はこのラヴロック氏の言葉に激しく同意します。(あっ、こんなふうに書くと激しく反発されそうですね…)
 科学が発達し、人々の教育も行き渡った今、人々はガイアに起こるさまざまな現象を科学的な説明で納得しようとします。その納得の上で私たちは生きる意味も見出していくのです。 
 ただ、その科学の説明が今の段階ではまだ不十分と言うべきなのでしょう。私たちが納得しうる科学の説明がかなり近くまでやって来ていると私は思っていますし、そう信じたいと思います。」

 今回、瀧村氏はそうした問題に対して「霊性」とか「自発的治癒力」に答えを求めました。このことはラヴロック氏の言葉との間に齟齬はないのだろうか?
 私にはそこが腑に落ちない点の一つだった。

 生意気なことを述べたが、私は「地球交響曲」全7巻のたった2巻を観たにすぎないことも事実だ。それなのに勝手に私が解釈し、勝手に期待しすぎていたきらいがあったようだ。だから瀧村氏の意図をどれだけ理解しているのかと問われると自信がない。
 ただ、私には第七番が瀧村氏自身の問いに対する最終章ではないような気がする。
 まだまだ続きがあるようにも思えるのだが…。

            

 それにしては瀧村氏の年齢が気になる。
 何せ御年70歳ということだから少々気なる年齢ではある。しかし舞台挨拶に立った 瀧村氏のエネルギッシュな姿を見るとまだまだ続編を作り続けるエネルギーに満ち溢れているように見えた。
 続編を期待したい!

 ※ あらゆることが動画として配信される時代である。(今日の最大のニュース「尖閣諸島の中国船衝突」のビデオもそうである。この「地球交響曲 第七番」ももちろんその予告編をYou Tubeで見ることができる。こちらをクリックください。(