ヒトリシズカのつぶやき特論

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日本経済新聞紙に掲載された見出し「英のEU離脱 その代償は」を拝読しました

2016年06月20日 | 日記
 2016年6月19日に発行された日本経済新聞紙の朝刊の中面に掲載された、見出し「英のEU離脱 その代償は」を拝読しました。

 この解説記事は、コラム「日曜に考える」の中の解説の一つです。英国の代表的な新聞紙「ファイナンシャル タイムス」の記事を翻訳したものです。

 日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版でも見出し「英のEU離脱 その代償は」と報じています。



 英国の新聞紙「ファイナンシャル タイムス」は、英国のEU(欧州連合)脱離に反対している姿勢を表明している新聞紙の一つです。

 英国のEU離脱の是非を問う国民投票が6月23日に実施される予定であり、その事前の世論調査ではEU離脱派とその反対派がほぼ拮抗し、余談を許さないとの情勢でした。6月16日には、英国のEU脱離反対派の女性下院議員が暗殺されるなどの事件が起こりましたが、そもそも、なぜ英国でEU離脱を支持する国民が増えているのかが理解できていません。

 この「ファイナンシャル タイムス」(FT)の解説記事は、英国国民に民主主義とは何かを問う啓蒙的なものになっており、日本人にはやや分かりにくい内容になっています。

 英国内のEU離脱派は「EUへの抗議を表明し、EUにうんざり、あるいは移民問題が心配ならば離脱に投票をと訴えている」と説明します。

 そして、「民主主義の素晴らしいところは、市民に考えを変える機会を与えたこと」と原点を説明します。従来の選挙であれば、「政治家が約束を破ったならば、次の選挙で落とせばいい」と原理原則を伝えます。

 しかし、今回の英国のEU離脱では、もしEU離脱派が勝利すると「それは永遠の結果になり、英国“連合王国”の解体につながる」と主張します。

 逆に、英国がEU残留を選べば「10年後、20年後の再考は十分にあり得る」と、その選択肢の余地の影響の違いを説明します。

 この解説では、日本人など英国を外からみている人には、「英国のEU離脱がなぜ、今なのかは不思議に思うだろう」と説明します。

 今回の英国でのEU離脱を選択する国民投票のタイミングは、EUの本質とはまったく関係ないと説明します。

 キャメロン英国首相が、この国民投票をすれば、保守党をまとめておけると思ったことが始まりであり、混乱の原因と説明します。

 「確かにEUは理想的な状態にはないが」、近年、(ギリシャ危機などの)重圧を乗り切ってきたと、EUのあり方を揺るがすと解説します。

 EUのトゥスク大統領は「英国がもしEUを離脱すると、西洋文明の終わりの始まりになりかねない」と説明し、英国のEU離脱は、残るEU各国にも強力な打撃になると伝えます。

 EUがなし遂げようとしていることは、「国家の繁栄、安全、そして自由、民主主義、法の支配といった価値観」という3つの柱だと、そもそも論を説明します。

 英国保守党内での、反EU勢力が強いだけに、以下のことがあまり明らかにされてこなかったと伝えます。英国は1973年に“欧州の病人”としてEUの加盟して以来、43年間は、実は経済的繁栄を謳歌してきたと説明します。

 この間に、英国は一人当たり国民総生産(GDP)の伸び率は年平均1.8パーセントと、ドイツの1.7パーセント、フランスの1.4パーセント、イタリアの1.3パーセントをいづれも上回っていると指摘します。

 EUに加盟したことで、英国企業は競争に直面し鍛えられ、海外からの長期的な投資を呼び込むなど、英国は大きな利益を受けてきたと指摘します。

 つまりEU離脱派が主張する「EUが英国の発展の足かせになっている」という主張は根拠がないと説明します。

 長くなったので一端、ここで留めますが、英国のEU離脱派が増えている原因の分かりやすい解説記事は、2016年6月19日に発行された朝日新聞紙の朝刊に載っています。次回は、これを拝読した話です。

(追記)
 6月16日に、英国の野党労働党の新人女性議員のジョー・コックス氏さん41)が白昼に銃撃を受けて暗殺された事件は、英国のEU(欧州連合)離脱を問う選挙戦が終盤を迎える中で起こりました。

 この事件の容疑者の50代の白人の男は、「ブリテン・ファースト!」と叫びながら同女性議員を撃ったとされています。

 「ブリテン・ファースト」とは反移民、反イスラムを掲げる英国の極右政党の名前とも同じです。これが当該団体名を指したものなのか、“英国至上主義”を示したものなのかはまだ不明なようです。犯行に至った動機もなども不明です。

 この新人女性議員は、地元でさまざまな民族が一緒に暮らすための支援を続けてきたNPO出身の方です。イスラム系住民などとの地元での融合を支援して来た方のようです。