まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

スウェーデン王グスタフ1世妃 マルガレータ

2011-08-05 18:58:34 | スウェーデン王妃
婚約者と別れさせられ…Part.1
グスタフ1世妃 マルガレータ・エリクスドッテル


1516~1551/在位 1536~1551

グスタフ1世の二人目の妃マルガレータは、当時スウェーデン貴族の中でも
特に有力な一族のひとつレヨンフーヴド家の出身です。
母エバはヴァーサ一族の出で、グスタフとは親類です。
           
グスタフがマルガレータと結婚しようと決めた時、彼女はすでに婚約していました。
でもそんなこと君主には関係ないんだもんね!
婚約は破棄されグスタフとマルガレータの結婚が決まりました。

言い伝えによれば、ある日グスタフはマルガレータと元婚約者のスヴェント・スチューレが
二人きりでいるところに出くわしました。
しかもスヴェントはマルガレータの前で跪いているではないですか!
グスタフが激怒すると、マルガレータは「彼は私に妹との結婚を請うているのです」と
言いまして、グスタフは「よし、やる!」と即答したとか…

マルガレータの妹マルタはとても高飛車な女性と有名で、影では “ マルタ王 ” なんていう
あだ名がついていたほどです。 本当に結婚したかったのかしらねぇ?
真偽は謎ですが、スヴェントは本当に妹マルタと結婚しましたとさ。

そんないきさつで1536年に結婚した二人ですが、結婚生活は幸せなものでした。
グスタフがマルガレータとの結婚期間中に浮気をした形跡はありません。
マルガレータは知的で美しく、家庭的で夫に尽くしました。
グスタフもとってもこの結婚は幸せだったようで
たびたび日記に王妃への讃辞を書き残しています。

マルガレータは怒りっぽいグスタフの気を鎮めるのも得意でした。
政治的なことには口を出しませんでしたが、犯罪者の量刑を軽減するように口添えしたり
人びとに寛大さを見せるよう助言したりしていました。

ただ、母エバがでしゃばりさんで、宮廷で大きな顔をして仕切っていました。
妹マルタは母に似たのね…
政治的には影響力がなかったので、グスタフは義母エバにはさからわず
好きにさせていたみたいです。

そんな良き夫婦にひとつ問題があるとすれば、マルガレータはカトリック信者で
(プロテスタントの)グスタフがカトリック教会を弾圧し、没収してきた布地で
カーテンやドレスを作ることにとても心を痛めていました。

仲がいいのは良いことなんですけど、マルガレータは毎年のように妊娠してまして
次第に健康が衰えていきました。

1551年に子供たちとメーラレン湖に遊覧に出かけたマルガレータは
帰ってくると肺炎にかかり亡くなってしまいました。

前々から、結婚生活が幸せな王妃は早く亡くなる傾向があるなぁ…と思ってましたが
妊娠のしすぎも原因のひとつなんですのね。
相手の王様はだいたい深く喪に服すわけなんだが、亡くなる前に考えてあげなきゃ。

グスタフも悲しみに暮れまして、深く喪に服しました…けど翌年再婚します。
つづく…

(参考文献 武田龍夫氏『物語スウェーデン史』 Wikipedia英語版)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ゴプセック・毬打つ猫の店』久々のバルザック、さすがですね

2011-08-03 19:55:04 | フランスの作家
GOBSECK・LA MAISON DU CHAT-QUI-PELOTE 
1830年 オノレ・ド・バルザック

以前バルザック全集(古本)が廉価で売られていたので購入してたて続けに読んだら
かなりグッタリしちゃって、しばらく見るのもいやだったんですけど
久々に読んだらやっぱりよかったです。

バルザックの手法だとか時代背景は解説にびっしり書いてありますのでそちらにお任せして
私は簡単に2篇の内容をご紹介しますね。

『ゴプセック(Gobseck)/1830年』
グランリュウ夫人が娘のカミーユに、若きレストー伯爵とのことでお小言を言い始めます。
どうやらレストー伯爵は、評判のあまり良くない母親のせいで貧しいようです。
それを聞いた代訴人のデルヴィルはカミーユに助け舟を出します。

親にお付き合いを反対された娘と伯爵の恋物語が始まるのかと思ったら大間違い。
デルヴィルは、ある理由からレストー伯爵は近々裕福になると言い出しその理由を語ります。

理由については書きませんけど、その中で語られる金貸しの老人がゴプセックで
事の成り行きもさることながら、そのキャラクターから目が離せません。
公正さと堅実さと計算高さと冷徹さを絶妙なバランスで配合して作り上げたような人、
そんな人がラストであんなことになるなんてっ…
さすがバルザック、もっていき方が上手いったらありゃしない、という感じです。

それから、ふいに登場するゴリオ爺さんの名が懐かしかった。
レストー伯爵の母親がゴリオ爺さんの娘なんです。
ゴリオ爺さんのことを思い出しながら読むと面白さ倍増です。

『毬打つ猫の店(La Maison du Chat-Qui-Pelote)/1829年』
“毬打つ猫の店”はサン=ドニ街にある古風で趣きのあるラシャ商店で
昔気質で倹約家のギョーム一家が堅実に経営しています。
画家のテオドール・ド・ソメルヴィユはその店のたたずまいのみならず
テーブルを囲む一家の若い娘オーギュスチーヌに心を奪われます。

厳しく清らかに育てられたオーギュスチーヌも、自分の肖像画を描いた若い画家に
恋心が芽生え、二人は結婚したいと望むのでした。

両親の反対、店員の片思いなどなど、障害が多そうな恋で
どんな展開になるのかしら? と思っていたら、案外あっさり片付きます。

問題は結婚した後なのよね…
バルザックは鋭い! と言えるほど意外な展開ではありませんが
その原因と深みにはまっていく様が的確に述べられているのでためになります。

弱々しいオーギュスチーヌが切羽詰まってとった行動に驚きますよ。
そして、その行動に対する関係者のリアクションにもちょっとビックリ。

バルザックは、お金への執着が招く悲劇と愛が裏切られる時の酷さを書く時
容赦がないですよね?
それで前回何冊か読んだ時にグッタリしたわけなんですけど
この一冊はわりとマイルドに仕上がっていると思います。

バルザック全集は間隔をあけて読むことにいたします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スウェーデン王グスタフ1世妃 カタリーナ

2011-08-02 23:45:51 | スウェーデン王妃
夫を告発、その結末は?
グスタフ1世妃 カタリーナ・アヴ・サッシェン=ラウエンブリ


1513~1535/在位 1531~1535

王様のような摂政ステン・スチューレの家系とも繋がりを持つグスタフ・バーサは
反カルマル同盟派の父親と叔父を“ストックホルムの血浴”でクリスチャン2世に殺されました。

ひとくち情報… “ストックホルムの血浴” とは、すごく簡単にいうと
デンマーク王クリスチャン2世が、カルマル同盟反対派のスウェーデン貴族たちを晩餐会だといって招き
大広間に集めて虐殺しちゃったという事件です …おわり


一時は避難していましたがスウェーデンに戻り、デンマークとカルマル支持派を相手に戦い
勝利して1523年に国王に即位しました。

独立の英雄と言えるかもしれませんね。
でも若くて美しい女性には恐ろしい存在かも…

グスタフ1世は3回結婚しています。
最初の妃は、ザクセン=ローエンブルク公マグヌス1世の公女カタリーナです。 
  
          
二人は最初からあまりうまくいかなかったみたい…

カタリーナはスウェーデン語を覚える気がなかったんですね。
ドイツ語は公用語とまではいかなくても大陸の各王宮で使用されていたので
「ドイツ語を使いなさいよ!」ってことだっんでしょうか?

しかしグスタフはドイツ語が苦手でした。
てなわけで、王と王妃はあまり一緒にいませんでした。
いくら愛は言葉じゃないといってもコミュニケーションがとれないとね…
せめて覚えようとする姿勢があればよかったかもしれませんね。

カタリーナはふさぎがちですぐに気が変わる女性で、宮廷でも不人気でした。
いつもグスタフの妹マルグレーテの夫ホヤ伯ヨハンに夫の悪口を言ってたらしいです。
ホヤというのはドイツのザクセンの都市です。
同郷人ならわかってもらえると思ったんですかね?

カタリーナの姉ドロテアの夫デンマーク王クリスチャン3世の訪問を受けた時には
「グスタフがデンマーク王を殺そうとしている!」と告発したとか… これは噂です。

舞踏会でクリスチャン3世と踊っている時に転んで二人目の子供を流産してしまいます。
そして2週間後、クリスチャン3世が帰国してすぐに亡くなりました。

カタリーナはすぐにウプサラ大聖堂には葬られなくて
グスタフが亡くなった後になってしまいました。

「王妃は王の命令でハンマーで殴り殺された」という噂がたてられて
かなり本気で信じられたみたいですが、20世紀に入って遺骨の調査をしたところ
骨にはなんの損傷も見あたらなかったということです。

(参考文献 武田龍夫氏『物語北欧の歴史』 Wikipedia英語版)

余談です
おかげさまで再就職が決まり、時間が無くなるんで…と思って草刈りをしたら
(鎌を握っていた)手の震えがとまりません。 明日は筋肉痛になると思います。
まめにやらないからこんなことに…
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする