MANIAGARA DIARY

シャインクラブ代表・WANKOの日記

隠れる

2018-11-06 | Weblog
窓の外を見ると、息子(10歳)がトボトボと帰ってきているのが見えた。

よし!
隠れて脅かしてやろう!

数日前、風呂から出たら息子が隠れていたんだよね。
机の下の信じられない隙間に隠れていて、いくら探しても見つけられなかった。
あれの仕返しだ。

寝室に行き、布団の中に隠れる。

軽く積み重なった布団にそろりと入り、完璧に姿を消すことが出来た。
まさかここに父親が入っているとは思うまい。
これは完璧だろう。

完璧過ぎるか?

怖がりな息子だからね。

家に帰るといつもいるはずの父親の姿が見えなくて、ビビッてしまう可能性は高い。
泣き出してしまうかもしれないぞ。

ちょっと不安に思いつつも静かに待っていると、「ただいま」という声。

もちろん返事をせずに息を殺して隠れ続ける。

ドスンッ

という、ランドセルを自分の机に置いた音が聞こえる。

ふふ。
父親の姿がなくて慌ててるんだろ?
さあ、探しなさい。

カチャカチャ

ん?
プラモ触ってる音がするぞ?

机の上に置いていたやつが倒れたのかな?
そんなことよりも先に、父親探しなさいよ。

バタン…ジョボジョボ…

今度は冷蔵庫を開けて麦茶を注いでいる音が聞こえてきた。

父親いないのに麦茶飲んでんのか?
随分と余裕あるな。

それからもトイレに行ったり、顔を洗ったり、筆箱を触る音が聞こえてくる。

こいつ。
泣き出すどころか、いつものように普通に暮らしてやがるぞ!
寝室の方に来る気配すらない!

探してくれよ!

父親がいないってのに何を呑気にしてるんだよ!

もうここから出てやろうか。
しかし、探してくれないから出て行くほど恥ずかしい行為はない。
向こうが探しにくるのを待つしかない。

10分くらいそこで耐えていると、ようやく息子が寝室にやってきた。

そしてバサッと布団をめくり

「仕方ないから探してあげた」

と言うではないか。

くぅ〜!

大人め!
つまんないやつめ!

日頃から常々、嘘でもいいからリアクションはオーバーに!と言っているのが全然わかってないじゃないか。
ずっと隠れていたボクがバカみたいだぞ!

これからはもう真面目におとなしく帰って来るのを出迎えることにしよう。