友達の家でバーベキューをすることになった。
息子(10歳)の保育園時代の友達の家庭なんだけどね。
定期的に当時の友達を招いてくれる、太っ腹で優しい人なのよ。
おまけにその家が周りに民家がなく、しかも広いので、子供達も遊び放題。
みんなこの集まりを楽しみにしているのだ。
昼前に集まり、早速バーベキューの用意。
お酒が並び、肉をジュージューと焼き始める。
「じゃあそろそろ帰るか」
実はボクだけもう帰んなくちゃいけないんだよね!
撮影は入っていない日だったけど、家でやらなきゃいけないことがいっぱいあってさ。
とてもじゃないがバーベキューをしていられない。
でもまあみんなの顔を見たいし、酒好きな愚妻の送迎も兼ねて、一旦ここにきたのよ。
本当は全員に会ってからすぐに帰るつもりが、なかなかみんな揃わず、気づけば肉はどんどん焼かれていっていた。
この旨そうな匂い。
この楽しそうな雰囲気。
それを置いてボクは帰らねばならないのだ。
何も食べずに帰らねばならないのだ。
これはキツイ。
後ろ髪引かれるランキングでも、トップクラスの出来事であろう。
焼肉を前にして帰るには強靭な精神力が必要だ。
「まあまあ、ちょっと一口食べていって」
と、K氏が悪魔の言葉を投げかけてくる。
いやいや。
一口だけで済めばいいけど、一口食べたら最後。
もう一口、そっちのウインナーも一本だけ、どれどれ、こっちの豚肉も食べてみようか。
となってしまうのは目に見えている。
ここは毅然とした態度で対応しなくちゃいけないのだ。
もう逃げるように車に飛び込んで帰りましたわ。
悔しいから焼肉弁当買って、家で作業しながら食べましたわ。
そうして暗くなった頃にお迎えへ。
庭には冷えきったバーベキューセットと、空き缶が置かれていた。
みんなが盛り上がっていたのが目に見えるようで悔しい。
今度こんなことがあったら、もうパソコン持ち込んででも無理やり参加してやろうかな。
デスクトップパソコンじゃないと無理だから、でかい本体とモニタとケーブルとかを一式持っていくことになるのか。
かなり大がかりな作業になっちゃう。
そこまでしてバーベキュー食べたいのか?と思われてしまいそうだが、そこまでして食べたいんだから仕方ない。
いつでも動かせるように準備しておこう。