はい

髪を切りに行った。

いつもの美容室なんだけど、行ってすぐに髪を洗われるとこに入ったら隣で愚妻が髪を洗われていた。
あちらは先に来ていて、最後の洗髪のようだ。

うわぁ。
夫婦で並んでしまうとは…。
妙に嫌な気持ちだけど、仕方がないのでそのまま洗ってもらう。

と…

隣では、愚妻が店員の若者と楽しそうに話している。

ここでは店長以外に、まだ修行中の若者が２人いるんだけど、その１人とね。
で、ボクのほうはもう１人の若者のほう。

こちらは全く会話がなし。

たまーに「かゆいとこございませんか？」「はい」という会話がある程度。
あとは延々沈黙が続く。

ボクと愚妻は最近この美容室を利用していて、家でここの話題になった事があった。
その時に
「最近入った若者、２人とも無口であんまり愛想ないよなぁ」
なんて話していたんだよね。

そしたら愚妻は
「いーや、あんな話もこんな話もして、盛り上がってたよ」
と言っていた。

確かに盛り上がってやがるな。
帰ってから愚妻に聞くと、ボクに、若者との会話はこうするんだ！と見せつけていたらしい。
ボクは「はい！」と元気すぎる返事をするだけで、面白みも親しみやすさも全くなかったのを指摘されてしまった。
そんなに固かったか？
自分的には若者に合わせるように、「ふぁ～い」って言ってたつもりだったんだけどな。
凄く馬鹿丁寧に返事をしちゃってたようだ。

しかしまあ難しいよなぁ。
ボクだって、切ってもらう店長とは普通に楽しく会話してんだよ。
でも、そういう雑務担当の人とは、あんまし気軽に会話が出来ないのよね。
人見知りというよりも、何も話す事はないし、話す気もないからさ。

接する時間も短いし。

そもそも、オシャレな若者ってのはボクが一番苦手なタイプだ。
好き嫌いじゃなく、接し方が分からないって事ね。
もしファッションについて話しかけられたら、なんて答えたらいいんだろう。
PARCOとか、１０９について話しかけられたらどうしよう。
ネックレスとかメンズノンノとかについて話されたらどうしよう。

なんて考えたら、黙っておくのが無難と思っちゃうのよ。

でも愚妻は今回も色々と話しまくったようだ。
店長の奥さんとかを含め、みんなで盛り上がったらしい。
こっちは、店長以外とは業務的な会話しかしてないってのに…。
話さなくていいとはいえ、なんだか悔しい。
愚妻のコミュニケーション能力が羨ましい。

次に行った時は、とりあえず気軽な返事ができるように心がけよう。