甘酒

車のガソリンを入れに行った。
ついでにオイル交換もしてもらった。その間、スタンドの待ち合い室で待っ
ていると、警備員風のおっちゃんが入ってきた。
「いや～まいったまいった」と話し出すおっちゃん。周りには誰もいない。
スタンドの人もいない。明らかにボクに向けて発せられてる言葉だ。
仕方なく、「どうしたんですか？」と返事をすると、おっちゃんは今あった
出来事を事細かに話し始めた。警備をしていると車が突っ込んで来たらしい
のだ。
しばらくするとオイル交換が終わったとスタンドの人が教えてくれる。
が、おっちゃんの話しは終わらない。誰かに話したくて仕方ないのだろう。
ボクが帰りたいのを知ってか知ららずか、おっちゃんは「何か飲むか？」と
聞いてくる。ボクの返事を待たずに勝手に自販機でジュースを買ってくれた
のだが、それは何故か甘酒！
あまり売れないのだろう、その甘酒は恐ろしく熱い！急いで飲もうにもとて
も飲めたもんじゃない！
チビチビと甘酒を飲みながら、おっちゃんの体験談を聞く事３０分。
話しが終盤に差し掛かった頃、おっちゃんのタイヤ交換が終わったとの知ら
せが入るや否や、おっちゃんはとっとと帰っていってしまった。
おいおい！結局それからどうなったんだよ～！気になるじゃね～か！！
どうせなら最後まで話していってくれよなぁ～。勝手だなぁ…。