SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画 「眠れる美女」 ~ こんなのあり?

2008年03月26日 | 映画(ナ行)
 川端康成の原作をドイツで映画化している。

 信用のおける高齢者を対象にした秘密クラブ的な娼館のお話。

 そこではベッドの上に若い娘が一糸まとわぬ姿で眠らされている。その横に添い寝させてくれるという訳だ。何をやっても娘は起きない。ただし、性行為をやってはいけない。その他いくつかの禁止事項がある。
 そこのマダムと、新たな客として紹介された男、そしてひたすら眠りつづける娘たちの物語だ。

 ドラッグが絡んでいるらしく娘たちの一人が絶命したり、客の高齢者が体調を崩して絶命したり、死の香りと老人の孤独が全編を支配している。
 マダムがどこの誰かは分からない、娼館の設定もミステリアス。ドラマとしておもしろくなりそうな部分は結局最後までミステリアスなままである。

 衣装代のかからない若い娘たちの肢体はひたすら美しく撮られている。

 監督のヴァディム・グロウナは制作、脚本、主演すべてこなしている。公開時点で彼自身66歳だ。孤独な老人にとってパラダイスのような話をすべての決定権をもって好きなように撮れたわけだ。
 こんなことがあって良いのか?

 映画の世界より、この制作条件の方がすごい。羨ましすぎる状況下で出来た作品だ。        


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