SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画 「華麗なる恋の舞台で」

2007年07月17日 | 映画(カ行)
 洒落た大人のコメディ。こういう作品をこそ見たいのに、ヒット作ねらいの興行界では都市部のミニシアターでの公開がやっとだろう。

 サマセット・モームの原作をハンガリーのイシュトヴァン・サボーが監督したアメリカ映画。見終わってからクレジットを見て、こんな作品も撮るんだと言う新鮮な驚き。

 原題は「BEING JULIA」でタイトル・ロールの舞台女優ジュリアをアネット・ベニングが演じる。これが素晴らしい。夫役のジェレミー・アイアンズがいつものシリアスな役どころから一変、コメディも悪くない。
 脇役も手堅い名優がそろい、「スパイダー・マン」の優しいおばあちゃんローズマリー・ハリスの顔も見える。

 話は恋多き女優の艶笑譚だが、あらゆるものを「芸の肥やし」にするというのは、こういうことなんだと納得。台詞が実生活でも口を突いて出る、どこまでが芸でどこまでがリアルか分からない日常。

 人物の造形に味があり、あからさまに表現されない分、深いところを微妙に俳優陣が演じている。あまり期待せずに見に行って、久々に映画の醍醐味を堪能できた。


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