ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「彼女について知ることのすべて」、愛に溺れる教師の物語です

2013-02-19 13:54:35 | 日本映画
おススメ度 ☆☆

限られた劇場しか公開されてないみたい。

というのも、結構、セックスシーンとか多くて。

物語は、単純だけど、結構どろどろした映画です。

同僚と結婚を前提に付き合っていた教師。

その同僚の友人で看護婦と会うや、惹かれてしまう教師。

結婚まで考えたとき、彼女の元カレが出所し、教師をゆすることに。

はじめは強がっていた教師も、暴力男にたじたじ。

思い詰めて、殺人を計画。とまあ、こんな話だが。

男のぐずぐずが、役者の演技も相まって露呈されていく。

それに比べて、女は、手相の線がないとか、巧みな誘導で男を虜に。

まあ、さして重要な話でもなく、文芸作家佐藤正午の小説の映画化だ。

ちょっと心理描写的なところが多く、見どころがないわけではない。

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「愛について ある土曜日の面会室」、三組の愛の物語です。

2013-02-18 16:35:47 | フランス映画
おススメ度 ☆☆☆
複雑な映画好き ☆☆☆☆

これとっても、心に残るいい映画なんですけど、28歳の女性の初監督作品です。

愛の物語といえど、刑務所の面会室で、隣り合わせになるだけの3組です。

冒頭、刑務所前で、待つ人たち、その中で、「刑務所にいる夫が移送されて会うすべがない」と泣き叫ぶ女。でも誰も耳を貸そうとしない。黙々と面会室に入っていく。

叫び声と、喧騒感、最初は、見ているだけでイライラしてくる。

そして場面が変わると、脈絡のない話が、入れ代わり出てくる。

話が暗い、まず、死体の搬送(フランスからアルジェへ)。病院へ血液を運んでいくが、時刻通りでないと叱られる。サッカー好きの少女、偶然知り合ったロシアの青年と仲良くなる。だが、彼は突然警察に捕まる。未成年は面会にも行けない。

でも、映画に、根気よく付き合っていると、それぞれの関係が実に丁寧に描かれていることが分かってくる。

そしてそれぞれの愛の形が、まったくきれいごとでなく、ぶつかり合いであることがあぶりだされる。

刑務所での犯罪者との入れ代わりという、かなりシビアなテーマも、それを受ける側の悩みを丁寧に描いて、これ一本だけでも映画になりそうな濃密なものだ。

また、愛の形も、ただ知り合っただけのものから、息子、またはその愛人(男)、男に愛想を尽かしていても、最後はよりを戻す男女。

複雑な愛の形が、別の話でありながら濃密に絡み合って展開し、スリリングでさえある。何とも余韻のある映画だ。



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「東ベルリンから来た女」、解放前の東独で働く女医の話です

2013-02-17 16:37:46 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆☆☆

ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作です。

西と東に分断されていたドイツ、そんなドイツだからこそ描ける、人間ドラマ、むしろサスペンス映画とでもいおうか。

技術がありながら、西ドイツへの移住申請を出したばかりに、地方の病院へ転属させられた女医。当然、当局の監視がつく。

この女医に扮するのが、ニーナ・ホス、なかなかのドイツ美人です。

この女医が、恋人を頼って、西へ国境越えを計画する話と、病院にやってきた患者に対する女医としての責務とが、淡々とだが、サスペンスを含みながら物語は進みます。

ある程度説明を端折っているので、少しわかりづらいところはありますが、上司の医師の監視役としての責務と徐々に惹かれていく恋愛感情。こちらの方も物語に絡んできます。

東ドイツの片田舎の風景は何とも美しく、和ませてくれます。

それにしても、東での監視という社会は、なんと陰惨なのでしょう。分断国家を経験しなかった日本では考えられない世界です。
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「マリーゴールドホテルで会いましょう」、なんか歌謡曲の題名みたいだが、

2013-02-16 15:34:55 | イギリス映画
おススメ度 ☆☆☆
    熟年者 ☆☆☆☆

イギリスで、老年を迎え、生涯を楽しく生きようとする男女7人が、それぞれの事情を抱えながら、ゴージャスなホテル生活を送るため、インドへやってくる。

しょっぱな、インドへ着いた途端、乗り換え飛行機がとばなくなり、バスと輪タクのお世話に。ぎゅうぎゅう詰めのバスなど、いきなりインドショックだ。

着いたホテルが、宣伝と大違い、古いホテルがまだ改装されずに、ほこりまみれの部屋に通される。宣伝の絵は、将来像だという。

近年、インド旅行をした当方にとっては、ジャイプールも観光の一つだったし、かなり懐かしい思いで見ることができた。

といって、この映画、観光映画ではないが、イギリスからやってきた男女が、適当に街中に繰り出すし、中には、小さい頃インドで暮らした判事もいて、インドの文化がかなり描かれている。

7人の男女と、ホテルの支配人、といっても若造だが、とその彼女。がとっかえひっかえエピソードを進展する。

それは、恋愛であったり、勿論ナンパとか、ゲイとか、夫婦喧嘩とか、抱えてきた人生がこの地でも花開く。

老練な役者がそれを演じ、国際的な交流、すなわち異文化コミュニケーションと、男女の機微が適度に描かれ、時には、笑いを、時には感動を見るものにもたらしてくれる。

この映画に出てくる人物は、皆前向きで、この映画を見る熟年は感化されるだろう。

けっして、熟年だけに語っているのではない人生、見る人の年代によって感じることも異なるのだろうが、人生の機微を巧みに描いている。

コメント (3)
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NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 小津安二郎監督の「大人の見る絵本 生まれてはみたけれど」

2013-02-15 14:13:43 | 日本映画
1932年作品。

当然無声トーキー時代。

白黒画面で音声はなし。本当は、弁士と楽団の演奏で、説明があるのだが。今回はテレビなので、後付けのセリフ入り。画面でセリフが書かれているのを吹込みされているのがちょっと違和感。

題名は、ちょっと不思議だが、小津安二郎、28歳の作品。

父母兄弟の4人家族が新興住宅地に引っ越してくる。小学生の兄弟は早速、近所の悪がきにいじめられる。

こうして前半は、子供たちのお遊びが主体で話が進むが、小津の才能の片鱗が伺える。無声時代の初期の映画としては、チャップリンなどが有名だが、いわゆるスラップスチックコメディ。この映画の随所で、そのタッチが見られ、笑いを誘う。

いじめに遭い、学校をさぼるが、家庭訪問でばれ、怒られる。それから、徐々に悪がきとも仲良くなる。

画面切り替えのテンポと、撮影アングルの的確さで、ぐいぐいと物語を進めていく。

父親の会社は近くにあり、重役の子どもも同級生だ。

そんなある日、重役の家で、撮影したフィルムの映写会があり、そこで、父親の、重役に対するおもねりが発覚。(この当時すでに趣味として映画撮影があったとは驚きだ)

それまで、偉いと思っていた父親像が崩れた兄弟は、愕然とする。

ここで、生きることのむつかしさ、金もうけだけが人生ではない、でも金がなければ豊かになれない、など大人の話が語られる。

現代にも通じる問題を、コメディで描き上げたこの作品は、小津の無声時代の傑作と言わしめるに足る映画だ。





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「ジェーンエア」、シャーロット・ブロンテの名作の映画化です

2013-02-14 11:05:30 | イギリス映画
おススメ度 ☆☆☆
  文学好きの女性 ☆☆☆☆

有名な英国文学の映画化で、すでに何度も映画化されている。いま、なぜはちょっとわからないが、不朽の名作とはそういうものか?

屋敷から飛び出したジェーンのシーンから始まり、そこからフラッシュバックで。孤児として叔母に育てられ、反抗しまくり、寄宿学校へ、そこでも、反抗的な態度でお仕置きを受ける彼女。古きしきたりに反抗する凛とした女性に育つ。

そして、家庭教師として赴任したのがソーンフィールド館。イギリス、ダービーシャー州、原作の舞台になった地でのロケ。森に囲まれた、いわゆるヨーロッパ風の豪邸、そこで繰り広げられる愛の物語。

アカデミー賞衣裳部門ノミネイトだけあって、その衣装の豪華さも見ものだ。

愛した男に秘密が、それは禁断の愛だった。でも忘れられない。(ネタバレ)






















最初の男との出会いは、乗馬中の彼の前に現れ、馬が興奮して男が落馬。男は、館の主で、傲慢極まりない貴族風の男。

しかしその男が、凛とした家庭教師に惹かれていく。しかし、館には不穏な雰囲気が。

やがて、結婚へと話は進むが、結婚式当日秘密がばれ、ジェーンは悩む。

そして、ファーストシーンへと戻る。

しかし、決して悲しい恋物語ではない。それは、女性の凛とした態度にある。

ラストは、それまでのもやもやを一気に消し飛ばしてくれる。

ジェーンには、ミア・ワシコウスカが扮し、適役のイメージ。


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「R-18 文学賞 vol 1 自縄自縛の私」、竹中直人監督作品

2013-02-13 18:04:38 | 日本映画
おススメ度 ☆☆

「女のための女のR-18 文学賞」で大賞を受賞した蛭田亜沙子さんの「自縄自縛の私」の映画化です。

脚本は女性だが、演出は竹中直人。

女性が、自分で自分を縄で縛るというのは趣味なのか?

女性が主体の映画だけに、いわゆる縄モノとはちょっと違う。官能を期待すると的外れ。

これ、吉本喜劇の作品だ。

自縄自縛の女性は、もともと高校時代にはまったらしいが、広告会社に就職、そこそこの地位の中間管理職。まあ、会社的には、一番きつい立場だ。さらに家庭にも不安を抱えていて、

仕事に躓くと一気に、エスカレート。手錠の鍵をポストに投函、ゆえに明日まで、縛られたままなのだ。

さらには、40代の男性とメル友になり、会いに行くまでに。

まあ、そんなちまちました、心象風景は、現代の閉塞感にマッチするのだろうか。

女性向けの映画とも思えるのだが、この趣味が果たして女性に受け入れられるのか、男性にとっては中途半端な出来では、どっちつかずでは?



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「ゴーストライダー 2」、炎に包まれ、骸骨顔のゴーストライダー、カッコイイ!

2013-02-12 17:13:59 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆
    アメコミ映画好き ☆☆☆

アメリカンコミックの映画化です。

3Dらしいのですが、2D字幕版を鑑賞。

このゴーストライダーめっちゃ強いです。

普通の顔と悪魔の顔と二つの顔を持ち、普段は、悪魔が出ないように必死に我慢しているようです。

本当の悪魔に連れ去られた少年を救うために立ち上がるのですが、

冒頭の疾走シーンから、中盤はややだれますが、後半、トルコで撮影したという、あのカッパドキアの岩岩が背景にあって、最後は砂場シーンと結構楽しめます。

しかし、普通の顔が骸骨顔に変身炎に包まれる、さらに素敵なバイクに乗って疾走。トラックまで、炎の車に変身させ、最後はチェーンまで出てきて、アクションシーンは盛りだくさんです。

物語的には、単純なので、不満のむきも多いようです。でも、いろんなこと考えず、すっきりするには適当な映画です。

ニコラスケイジ、相変わらず達者。

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「キツツキと雨」、きこりと映画監督の不思議な交友!

2013-02-11 15:12:24 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

木曾の山林できこりを営んでいる父親。妻を2年前に亡くしている。息子は就活中で、家でごろごろ。

そんな山に、ゾンビ映画を作ろうと、撮影隊がやってくる。この映画の監督はまだ若造。

ひょんな出会いから、きこりはゾンビ映画に出演。

そのラッシュを見て、映画にのめり込んでいく。

監督は、まだ若く、意思をはっきり伝えきれず悩んでいる。

そんな、きこりと監督の不思議な交情が淡々と描かれる。

沖田修一の間合いの演出が、なんとも微笑ましく。

ただ、ゾンビ映画を作るというマイナーなテーマで、よくまあ、130分足らずの長尺もの。

ラスト近く、雨でロケができなくなったシーンで、きこりの「雨があがる」という予言通り、一瞬晴れて、撮影が成功する。

なんとも微笑ましい映画だ。

頑固おやじと、道楽息子の不思議な友情が、お互いの交流で進歩する姿が描かれ、映画を見終わった後は晴れだ。
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「コロンビアーナ」、女殺し屋の哀しい話です!

2013-02-10 13:01:20 | 映画
おススメ度 ☆☆☆

女殺し屋も最近増えているけど、この映画の主役は、あのアバターのゾーイ・サルダナ。その痩身と抜群な身体能力で走り回ります。

でも、前半は、彼女の過去のストーリー。マフィアの一員だった父母が目の前で殺される。だが、彼女は父の言いつけどおり、コロンビアからしっかりと逃げおおせ、アメリカに住む叔父を訪ねていく。

9歳の女の子が、マフィアを相手に、逃げまくるシーンは手に汗握る圧巻。「レオン」を思わせる子役の活躍です。

そして15年後、酔っ払いで刑務所に入れられ、そこでの暗殺。警官が取り巻いている中での、証拠を残さない見事なすりぬけ。

ここで、彼女が殺し屋としての訓練を積んでいることが分かる。

そして恋人との逢瀬や、家族とのつながりなど、物語は膨らむが、憎さの一点とはいえ、殺し屋稼業にうつつをぬかし、おまけに証拠を残していく姿が、ちょっと中途半端。

ラストで、仕掛けられた大捕物帳というか、復讐劇があるが、所詮殺し屋であり、話に乗ってはいけない。(まあ、派手に撃ち合い、爆破し、一対一の格闘ありと豊富だが)

そつない女殺し屋の話だが、もう少し、哀愁とか、鮮烈とかパンチが欲しかった。

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