気がつけばいつごろからか、NHK総合テレビで宇宙の渚とかいう科学ドキュメンタりィのシリーズをやっている。地球に降り注ぐ放射線とか、数え切れないほどの流星とか、オーロラとかの話。いや、まだ番組に気がついて見始めたばかりだからちゃんとしたテーマは知らないのだが。
そもそも今日の宇宙開発テーマの話は、アホらしくて耳を傾ける気にもなれなかったのだ。
まあこれは以前より何度もしている話だが、私が子供の頃読んだSFとかの中では、21世紀ともなれば月や火星に人類はとうに到達していて、植民都市なんかを作っているのではなかったか。
にもかかわらず今日の我々の”宇宙開発”の姿は、未だに地球の周囲をグルグル回るのがやっとであり、その一方では核の恐怖なんていう、SFのテーマとしては古過ぎてカビの生えてしまったような現実から立ち上がることもできずにいる。なんてブザマな21世紀だ。
だが、宇宙を大海になぞらえ、地球の大気が宇宙空間と出会うあたりを波打ち際ととらえ、なんて視点は好きで、”地球礁”なんて小説のタイトルも好きだったので、なんとなく付き合ってやってもいいような気もしてきている。
そういえば”宇宙ショー”というのか、例の金環日食とか天文ネタの見世物がこのところ多い。とはいえ、どれもなんだか乗れない気分で、その種のもので感動したのはなんといっても、探査船ボイジャーが送ってきた”木星の大赤斑が動く姿”だったなあ、もうずいぶん前の話だが。木星の赤斑の姿は子供の頃から見慣れてはいたが、それがどんな具合に動くのか、リアルに見た嬉しさというものは。
直接見た物件では、あの”大接近”時の火星の姿だった。あれも何年前になるんだろう。
時刻はそろそろ深夜に至り、いつものようにダラダラとネットをやっていたら、「なにやってんの!あなたが見ておくべきものでしょ?」とのメッセージを突然もらい、慌てて外に出てみると、近所のホテルの駐車場の真上に、肉眼ではっきり見える大きさで、静まり返る街の風景を睥睨するように強い光を放つ、その星があったのだった。
やっぽりその時の心に基調として響いていたのは、挫折のテーマだたんだけどね。人類は宇宙に行けていないが、自分自身も、一体どこに行き着けたのだろう、ただ馬齢を重ねるばかりで、何を成し得たのだ、みたいな無念さ。そんなものを噛み締めながら、生涯、もう二度と浴びることもないであろう、赤い星の光の中に立ちすくんでいたのだった。
宇宙テーマのエレキ・ギター・インストものと言えばシャドウズの”ブルースター”にとどめをさす。なんか、好きな女に打ち明けたいのだがどうして良いのか見当もつかない青少年が途方に暮れて見上げる空に星ひとつ震えている、みたいな青臭い恋慕と、未知の遥かな星々への憧れがないまぜとなった切なさがいいよなあ。
You-tubeを探してみたのだが、いろいろな人によるカバー演奏の貼り付けはあっても、オリジナルのシャドウズの演奏によるものがない。
こりゃまたどういうわけだ。権利上の問題でもあるのか。
そんなわけで探すのも面倒くさくなったんで、もうなんだっていいやあの曲ならと、「シャドウズ・ブルースター」と検索かけて一番最初に出てきた奴を、下に貼ってやったぜ。どうだ、ワイルドだろう~♪