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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

“湿地の少女”カイアの物語

2021-06-22 14:19:15 | 好きなもの・音楽や本

昨年9月におともだちのFBで見かけ、その後も
いろんなところで見かけてたこの本。
図書館に予約しておいたら、忘れた頃の6月になって
やはり予約していたエッセイと一緒に順番がまわってきて、
(自分ひとりで)大慌ててになったのでした。
 翻訳小説部門で、
本屋大賞だったんですね‥人気あるのも納得。


図書館の予約はいつどんなふうに予約本がまわってくる
のかわからないところも含めて好きなのですが‥。
今回ばかりは、エッセイの前に時代小説の上巻を読んでいた
ので、早く続きが読みたいところに、エッセイとこの本が
きてしまった、という状況で‥プラス、家のリフォームも
あるしで、最初はなかなか物語に入っていけませんでした。

なぜ、1950年代~70代はじめの、アメリカの湿地地帯の話を
私は読んでるんだろう?

村一番の人気者だったチェイスが、ある日、櫓の下で死んいる
のが発見され、事故ではなく事件なのではないかと、保安官が
犯人探しを始める章と、家族から見捨てられたどうしようもない
父親と湿地に建つ小屋に残されてしまった末娘カイアの、胸に迫る
日常が描かれる章が交互に続き、やがて、物語はひとつになって
いくのですが‥。

著者が動物学者でもあるということ、現在もアイダホ州に住み
湿地の保全活動を行っているということが、この物語をただの
犯人探しのミステリーに終わらせず、豊かな物語世界を描きだす
ことに繋がってるのだと実感したと同時に、この本に出会わなければ
そもそもそんな大きな湿地が広がっていて、そこに暮らしそこで
生きるものたちが居ることさえ、知らずに私は生きていったのだな
と思ったのでした。

何を書いても、この先この物語を読む人の邪魔になってしまい
そうなので、タイトルについてだけ‥。

ザリガニの鳴くところ

それはどこなのだろう?(そもそも)ザリガニは鳴くのかなと
思っていたら、本文にこういう箇所がありました。

「どういう意味なの?゛ザリガニの鳴くところ”って。母さんもよく
言ってたけど」カイアは、母さんがいつもこう口にして湿地を探検
するよう勧めていたことを思い出した。゛できるだけ遠くまで行って
ごらんなさいーずっと向こうの、゛ザリガニの鳴くところまで”
「そんなに難しい意味はないよ。茂みの奥深く、生き物たちが
自然のままの姿で生きてる場所ってことさ」

そう教えてくれたのは、長い年月カイアを、そばで見守っていて
くれたテイトです。「母さん」はいなくなってしまったけど、
テイトが居てくれて本当によかった。
これからホタルを見る機会がもしあったら、カイアのこと思い出して
しまうかも、と思います。



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