報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「BSAAからのアメリカ人留学生」

2023-08-29 20:18:58 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月10日11時30分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]

 今日は始業式だけなので、学校は始業式とオリエンテーションだけで終わりである。

 坂上「それじゃ、明日から通常の授業が始まります。今月中旬には、中間テストがあるので、けして気を抜かないように」

 ということで、下校となる。

 淀橋「冬休みの宿題、真面目にやった人はテスト免除とかにして欲しいよね」
 小島「いや、そりゃ無理っしょ。進級とかには関係無い実力テストには、そうして欲しいけどね」
 リサ「赤点さえ取らなければ、進級できる」
 淀橋「魔王様、余裕っすね。赤点を取らないようにするのが、苦労なんですよ」
 小島「それにリサさん、付属の大学に行きたいんでしょ?3年生からは成績上位何名とかに食い込まないと、推薦枠貰えないってよ」
 リサ「3年生になってから考える。取りあえず、帰って御飯にする」
 小島「リサさん、買い食いですか?」
 リサ「先生は今日は事務所が忙しいから、お昼は途中で食べるか、買って食べることになる。こんな時、学食が開いてたら助かるんだけどね」

 学食が本格的に始動するのは、明日からである。

 淀橋「ところで、魔王陛下!『四天王』リーダーとして、1つ頼みがございます!」
 小島「いつの間に、『四天王』のリーダーになったよ……?」
 リサ「なに?」
 淀橋「冬休みの数Ⅱの宿題、ちょこっと手を貸して下さいませんかねぇ……?」
 リサ「は?」
 小島「ヨドさん、まだ終わってなかったの……」

 東京中央学園では教科ごとに冬休みの宿題が出される為、その提出期限は新学期が始まって、最初のその授業までである。

 淀橋「この通り、愚かな『四天王』めに制裁を……」
 リサ「分かった。じゃあ、家に来い」
 淀橋「あざざざざーっす!!」
 小島「心配だから、あたしも付いて行くわ……。いいでしょ?」
 リサ「いいよいいよ」
 小島「あくまでも私は、ヨドの監視役ってことで」
 リサ「いいだろう。ヨドバシ、わたしへの報酬は昼マックのセットと、オマエの血を少々でヨロシク」
 淀橋「お安い御用です!200mlでも400mlでも、どうぞ!」
 小島「献血かよ……」
 リサ「じゃあ、5リッター頂く」
 淀橋「さすがにそれは死にます!」

 リサ達は教室から出ようとした。
 その際、後ろのドアから出る為、レイチェルの後ろを通ることになる。
 レイチェルは、片耳にインカムを着けていた。

 レイチェル「...Roger that.So let’s start investigating.Over.」
 リサ(一体、何を話してるんだろう?)

 3人は帰る前に、学校のトイレに立ち寄った。
 リサが個室に入っていると……。

 レイチェル「Excuse me.少し、質問いいですか?」
 女子生徒「な、何でしょう?」
 レイチェル「この学校にBOW……Ah……怖い……Monsterみたいなモノはいませんか?」
 女子生徒「も、モンスターですか!?」
 リサ(やべっ!BSAAの女、来たーッ!)
 女子生徒「この学校、色々モンスターが多いので……」
 レイチェル「So...ならば、そのモンスターの中でもボスクラスのモンスターはどこにいますか?」
 リサ(日本語ヘタか!自己紹介の時はスラスラ喋ってた癖に!)

 もしかすると、挨拶の所だけ事前に練習していたのかもしれない。

 女子生徒「それはやっぱり、生活指導の比田先生ですかね。怒らせると、モンスターのように怖いですよ」
 リサ(“学校の七不思議”の1つに登場する先生だ。……でも、フツーに人間の匂いしかしないけどね)
 レイチェル「分かりました。比田先生はどこにいますか?」
 女子生徒「普段は生活指導室にいますけど、たまに職員室にいたりとかもします」
 レイチェル「Thank you.アリガトウ」
 女子生徒「い、いえ……」

 レイチェルはトイレから出て行った。
 その時、リサの耳には、ガチャガチャと銃器に銃弾をリロードするような音が聞こえたような気がした。

 リサ「ふー、危なかったー」

 リサはホッとして個室から出て来た。

 リサ「どうも、ありがとね」
 女子生徒「ど、どうも……」

 他の個室に入っていた淀橋や小島も出て来る。

 小島「な、何か顔を見てないと、声だけなら、とても威圧感があるよね」
 リサ「どうやら、BSAAの養成学校に通ってるという話は本当みたいだな……。ヨンヒもそういう所、あったもんね」
 淀橋「確かに……」
 リサ「命あっての物種。さっさと家に避難しよう」
 淀橋「了解です」

 3人は学校をあとにした。

[同日12時11分 天候:晴 同地区内 JR上野駅→山手線1129G電車・最後尾車内]

〔まもなく3番線に、東京、品川方面行きが参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください〕

 リサ達は上野駅・国電ホームに移動する。
 秋葉原駅乗り換えの都営新宿線だが、ちょうどやってきた山手線に乗ることにする。

〔うえの~、上野~。ご乗車、ありがとうございます。次は、御徒町に、停車します〕

 3人は最後尾に乗り込む。
 ちょうど3人並んで座れる席が空いていなかった為、3人は乗務員室の窓の前に立った。
 山手線は上野駅などのターミナル駅では、1分くらいの停車時分を取っていることがある。

〔「お待たせ致しました。山手線外回り、東京、品川、目黒方面行き、まもなく発車致します」〕

 女性車掌が妖艶な声で、車内放送を行う。
 このままグリーンアテンダントも務まりそうなきれい所である為、リサはこの場に愛原がいなくてホッとした。
 そして、車掌が発車ベルを鳴らす。
 上野駅の発車合図は、メロディではなく、ベルである。
 在来線特急ホームだけは、“あゝ上野駅”が流れる。

〔3番線の山手線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車を、ご利用ください〕

 ホームドアと電車のドアが閉まる。
 駆け込み乗車があったが、何回か再開閉してようやくドアが閉まった。

 リサ「!」

 その時、リサはホームを歩く1人の人物に気づいた。

 淀橋「どうした?」

 電車が動き出す。

 リサ「レイチェルだ」

 乗務員室の窓ガラス越しにホームを見ると、そこを歩くレイチェルを確かにリサは見た。
 そして、リサはレイチェルと目が合った。
 一瞬だけ見ると黒く見える瞳だが、リサと目が合った時、青く見えた。
 吸い込まれるような程に澄んでいるが、しかし冷たい色のようにも見えた。

〔この電車は、山手線外回り、東京、品川方面行きです。次は御徒町、御徒町。お出口は、左側です。都営地下鉄大江戸線は、お乗り換えです〕

 リサ「あの人の目……鬼斬りセンパイの目に似てる……」
 淀橋「えっ?」
 小島「鬼斬りセンパイって、栗原先輩のことでしょ?全治3ヶ月は見ないといけないって聞いたけど……」
 淀橋「でもその後は、リハビリとかあって、1年以上は入院しないといけないみたいだよ?」
 小島「大学進学、大丈夫なのかな?」
 淀橋「さあねぇ……」
 リサ(わたしがBOWだってバレたら、射殺されるかな?)

 リサの存在は、少なくとも極東支部では公認である。
 日本政府機関の庇護下にある為、リサが暴走しない限りは、BSAAも手出しはしないという取り決めになっている。
 だが、他の支部はどうなのだろうとは思う。

 リサ(後で先生に報告しよう)
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“愛原リサの日常” 「新学期の始まり」

2023-08-29 15:20:00 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月10日07時45分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校2年5組]

 リサ「これが成田のお土産、これが那須塩原のお土産、これが日光のお土産、これが熱海のお土産……」
 淀橋「すご……!さすがは魔王様、近場だけど、色々行ったんですね」
 リサ「えっへん!」
 小島「成田空港でわざわざお土産買うって……」
 リサ「滅多に行かない所だから」
 小島「あー、まあ、飛行機に乗らないと、基本行かない場所だからねぇ……」
 リサ「荷物多いから、電車は早めの時間のヤツに乗って来た」
 淀橋「でも、帰りは荷物無いから楽でしょ?」
 リサ「もち」

 と、そこへ、1人の男子生徒が入って来る。

 男子生徒A「おい、皆!今日からうちのクラスに、転校生が来るらしいぞ!」
 男子生徒B「なにっ!?」
 男子生徒C「ぬねの!」
 男子生徒D「クレしんか!……で、男子か女子か?それとも男の娘か!?場合によっちゃ、『流血の惨を見る事、必至であります』!」
 男子生徒A「ちょっと待て。今、ググるから」
 男子生徒B「何でググるんだよw」
 男子生徒C「フェイクか?」
 男子生徒A「いや、転校生はガチ」
 小島「魔王様、転校生だって」
 リサ「そうか……。(鬼の兄妹みたいなヤツじゃないといいけど……。あとは、聖クラリスにいた鬼もどきとか……)」

 リサは少し緊張した。
 それからしばらくして、始業式の前のホームルームが始まる。

 坂上「皆さん、明けましておめでとうございます。無事にこうして、クラス一同再会できて何よりです。2年生最後の学期です。3年生になったら、それぞれ進路を確定しなくてはなりません。この学期は今後の進路を決める重大な期間だということを、よく心得ておいてください。それでは、体育館に移動してください」
 リサ「あれ?」

 リサは首を傾げた。

 リサ「坂上先生、転校生は?庄子が、『今日から転校生が来る』って言ってた」
 庄子(男子生徒A)「あ、愛原さん!シーッ!」
 坂上「こら、庄子!紹介まで黙ってろと言っただろ!」
 庄子「さ、サーセン……」
 リサ「それで転校生は?」
 坂上「始業式が終わったら、紹介するから」
 リサ「やっぱりガチバナだった」
 淀橋「さすがは魔王様」

[同日09時45分 天候:晴 同学園2年5組]

 始業式が終わって、再び教室に戻るリサ達。

 坂上「それでは改めて、転校生を紹介します。それでは、入ってきてー」

 ガラガラと扉を開けて入って来たのは、見覚えのあるセーラー服を着た女子生徒だった。

 リサ(あれは聖クラリスの……!)

 リサはすぐにそれが、聖クラリス女学院の制服だと分かった。
 本来、敬虔なクリスチャンの女子生徒が通う御嬢様学校のはずだが、日本版リサ・トレヴァー『1番』の侵食と、それによってガナード化した梅田ミキによって学院全体が汚染されたと聞いている。
 BSAAの介入で、様々なワクチンが関係者全員に投与されたり、滅菌・消毒作戦が実行されたと聞いたが……。
 だが、問題は彼女の服ではなく、姿である。
 明らかに、日本人ではなかった。
 やや暗い色の金髪に、目鼻立ちが特徴である。
 金髪をポニーテールにしていた。

 坂上「聖クラリス女学院から来たレイチェル・グラハムさんです。元々はアメリカからの留学生でしたが、聖クラリスで色々な事件に巻き込まれてしまい、その後の処理が済んだ後、うちに来ることになりました。アメリカのBSAA北米支部養成学校からの留学生です」
 リサ「BSAAの養成学校……!」
 淀橋「あれだよね?前、うちに来てたパク・ヨンヒと同じだよね?」

 BSAA極東支部にも養成学校はあり、それは韓国地区本部が運営している。
 わざわざ極東支部と冠していたということは、他の支部にも養成学校はあると思っていたが、本当にあって、しかも、また別の所から来るとは……。

 リサ「嫌な予感しかしない……。しかも何か、誰かを探してる素振りだし……」
 小島「ヨンヒみたいに、リサ様でしょ?」
 リサ「うう……」
 坂上「それでは、自己紹介して」
 男子生徒B「翻訳機翻訳機!」
 男子生徒C「ボクはアメリカ留学経験があるので」
 男子生徒D「グーグル翻訳!」
 レイチェル「皆さん、初めまして。アメリカから来たレイチェル・グラハムです。宜しくお願いします」
 男子生徒B「おかしいな。『自動通訳魔法』がいつの間にか配備されている!」
 男子生徒D「それ、別の作品じゃね?」
 レイチェル「日本語は頑張って勉強してきました。表現がおかしかったりしたら、ゴメンナサイ」
 リサ(で、何の目的で来た?)
 レイチェル「私は大統領経験者でもあるベン・グラハムの孫で、叔母がバイオテロに巻き込まれたこともあり、BSAA北米支部の養成学校に入学しました」

 BSAA養成学校は、日本で言えば高等専門学校のような扱いである。
 卒業後はそのままBSAAに入隊したり、大学に編入することもある。

 リサ(グラハム大統領……バイオテロ……)
 レイチェル「聖クラリス女学院には、交換留学で来ていたのですが、そこでバイオテロに巻き込まれてしまい、尚一層、バイオテロやBOWを憎むようになりました」
 リサ(あ……これ、わたしの正体がバレたらヤバいヤツ……)
 レイチェル「この学校には、日本のBSAAが公認する『完璧に制御された』BOWがいるということで、その観察も兼ねて、留学期間の延長を申請し、ここに入ることにしました」
 リサ(やっぱり!ヨンヒとほぼ同じじゃん!……てか、ということは、わたしの正体、既にバレてる?)
 レイチェル「まだ入ったばかりで、どこにBOWがいるのか分かりませんし、この学校のこともまだ分かりません。どうか皆さんの協力、よろしくお願いします」

 レイチェルは日本式のお辞儀をした。
 そこで拍手が起こる。
 リサも慌てて拍手をした。

 坂上「えー、それでは空いている席に……。1番後ろの席で、大丈夫かな?」
 レイチェル「はい。視力は2.0あるので、大丈夫です」
 男子生徒B「すげぇ!」

 リサも後ろの方の席ではあるが、だいたい真ん中の列である。
 それに対し、レイチェルは本当に1番後ろの、ドアに最も近い席が宛がわれた。

 リサ「まだ、わたしの正体に気づいていない?」
 淀橋「そこはヨンヒと違いますね……」
 小島「どうする?自己紹介しちゃう?」
 リサ「い、いや……。BSAAは面倒臭い。取りあえず、しばらく黙ってておこう。他の『魔王軍』の皆にも、その件よろしく」
 淀橋「了解」
 小島「分かった」
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