報恩坊の怪しい偽作家!

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“愛原リサの日常” 「新学期の始まり」

2023-08-29 15:20:00 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月10日07時45分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校2年5組]

 リサ「これが成田のお土産、これが那須塩原のお土産、これが日光のお土産、これが熱海のお土産……」
 淀橋「すご……!さすがは魔王様、近場だけど、色々行ったんですね」
 リサ「えっへん!」
 小島「成田空港でわざわざお土産買うって……」
 リサ「滅多に行かない所だから」
 小島「あー、まあ、飛行機に乗らないと、基本行かない場所だからねぇ……」
 リサ「荷物多いから、電車は早めの時間のヤツに乗って来た」
 淀橋「でも、帰りは荷物無いから楽でしょ?」
 リサ「もち」

 と、そこへ、1人の男子生徒が入って来る。

 男子生徒A「おい、皆!今日からうちのクラスに、転校生が来るらしいぞ!」
 男子生徒B「なにっ!?」
 男子生徒C「ぬねの!」
 男子生徒D「クレしんか!……で、男子か女子か?それとも男の娘か!?場合によっちゃ、『流血の惨を見る事、必至であります』!」
 男子生徒A「ちょっと待て。今、ググるから」
 男子生徒B「何でググるんだよw」
 男子生徒C「フェイクか?」
 男子生徒A「いや、転校生はガチ」
 小島「魔王様、転校生だって」
 リサ「そうか……。(鬼の兄妹みたいなヤツじゃないといいけど……。あとは、聖クラリスにいた鬼もどきとか……)」

 リサは少し緊張した。
 それからしばらくして、始業式の前のホームルームが始まる。

 坂上「皆さん、明けましておめでとうございます。無事にこうして、クラス一同再会できて何よりです。2年生最後の学期です。3年生になったら、それぞれ進路を確定しなくてはなりません。この学期は今後の進路を決める重大な期間だということを、よく心得ておいてください。それでは、体育館に移動してください」
 リサ「あれ?」

 リサは首を傾げた。

 リサ「坂上先生、転校生は?庄子が、『今日から転校生が来る』って言ってた」
 庄子(男子生徒A)「あ、愛原さん!シーッ!」
 坂上「こら、庄子!紹介まで黙ってろと言っただろ!」
 庄子「さ、サーセン……」
 リサ「それで転校生は?」
 坂上「始業式が終わったら、紹介するから」
 リサ「やっぱりガチバナだった」
 淀橋「さすがは魔王様」

[同日09時45分 天候:晴 同学園2年5組]

 始業式が終わって、再び教室に戻るリサ達。

 坂上「それでは改めて、転校生を紹介します。それでは、入ってきてー」

 ガラガラと扉を開けて入って来たのは、見覚えのあるセーラー服を着た女子生徒だった。

 リサ(あれは聖クラリスの……!)

 リサはすぐにそれが、聖クラリス女学院の制服だと分かった。
 本来、敬虔なクリスチャンの女子生徒が通う御嬢様学校のはずだが、日本版リサ・トレヴァー『1番』の侵食と、それによってガナード化した梅田ミキによって学院全体が汚染されたと聞いている。
 BSAAの介入で、様々なワクチンが関係者全員に投与されたり、滅菌・消毒作戦が実行されたと聞いたが……。
 だが、問題は彼女の服ではなく、姿である。
 明らかに、日本人ではなかった。
 やや暗い色の金髪に、目鼻立ちが特徴である。
 金髪をポニーテールにしていた。

 坂上「聖クラリス女学院から来たレイチェル・グラハムさんです。元々はアメリカからの留学生でしたが、聖クラリスで色々な事件に巻き込まれてしまい、その後の処理が済んだ後、うちに来ることになりました。アメリカのBSAA北米支部養成学校からの留学生です」
 リサ「BSAAの養成学校……!」
 淀橋「あれだよね?前、うちに来てたパク・ヨンヒと同じだよね?」

 BSAA極東支部にも養成学校はあり、それは韓国地区本部が運営している。
 わざわざ極東支部と冠していたということは、他の支部にも養成学校はあると思っていたが、本当にあって、しかも、また別の所から来るとは……。

 リサ「嫌な予感しかしない……。しかも何か、誰かを探してる素振りだし……」
 小島「ヨンヒみたいに、リサ様でしょ?」
 リサ「うう……」
 坂上「それでは、自己紹介して」
 男子生徒B「翻訳機翻訳機!」
 男子生徒C「ボクはアメリカ留学経験があるので」
 男子生徒D「グーグル翻訳!」
 レイチェル「皆さん、初めまして。アメリカから来たレイチェル・グラハムです。宜しくお願いします」
 男子生徒B「おかしいな。『自動通訳魔法』がいつの間にか配備されている!」
 男子生徒D「それ、別の作品じゃね?」
 レイチェル「日本語は頑張って勉強してきました。表現がおかしかったりしたら、ゴメンナサイ」
 リサ(で、何の目的で来た?)
 レイチェル「私は大統領経験者でもあるベン・グラハムの孫で、叔母がバイオテロに巻き込まれたこともあり、BSAA北米支部の養成学校に入学しました」

 BSAA養成学校は、日本で言えば高等専門学校のような扱いである。
 卒業後はそのままBSAAに入隊したり、大学に編入することもある。

 リサ(グラハム大統領……バイオテロ……)
 レイチェル「聖クラリス女学院には、交換留学で来ていたのですが、そこでバイオテロに巻き込まれてしまい、尚一層、バイオテロやBOWを憎むようになりました」
 リサ(あ……これ、わたしの正体がバレたらヤバいヤツ……)
 レイチェル「この学校には、日本のBSAAが公認する『完璧に制御された』BOWがいるということで、その観察も兼ねて、留学期間の延長を申請し、ここに入ることにしました」
 リサ(やっぱり!ヨンヒとほぼ同じじゃん!……てか、ということは、わたしの正体、既にバレてる?)
 レイチェル「まだ入ったばかりで、どこにBOWがいるのか分かりませんし、この学校のこともまだ分かりません。どうか皆さんの協力、よろしくお願いします」

 レイチェルは日本式のお辞儀をした。
 そこで拍手が起こる。
 リサも慌てて拍手をした。

 坂上「えー、それでは空いている席に……。1番後ろの席で、大丈夫かな?」
 レイチェル「はい。視力は2.0あるので、大丈夫です」
 男子生徒B「すげぇ!」

 リサも後ろの方の席ではあるが、だいたい真ん中の列である。
 それに対し、レイチェルは本当に1番後ろの、ドアに最も近い席が宛がわれた。

 リサ「まだ、わたしの正体に気づいていない?」
 淀橋「そこはヨンヒと違いますね……」
 小島「どうする?自己紹介しちゃう?」
 リサ「い、いや……。BSAAは面倒臭い。取りあえず、しばらく黙ってておこう。他の『魔王軍』の皆にも、その件よろしく」
 淀橋「了解」
 小島「分かった」

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