報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「リサの帰路」

2023-08-30 20:15:23 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月10日12時35分 天候:晴 東京都墨田区菊川 都営地下鉄菊川駅→マクドナルド菊川駅前店]

〔2番線の電車は、各駅停車、本八幡行きです。きくかわ~、菊川~〕

 リサ達3人は最後尾の車両から、ホームに降り立った。

 小島「未だに魔王様って、電車は1番前か後ろに乗らないといけないの?」
 リサ「基本的には。グリーン車とか指定席とかに乗る場合は、事前に連絡すればオッケー」
 淀橋「メンドクサイね」

〔2番線、ドアが閉まります〕

 リサ達がホームを階段に向かって歩いている時点で、電車が走り去って行く。
 この時も強い風が巻き起こる。
 電車が出て行く時でさえそうなのだから、入って来る時はもっと風が強い。
 エスカレーター付近には、『強風注意』の貼り紙がしてあるほどだ。

 リサ「ヨドバシ、気をつけて」
 淀橋「えっ?」

〔1番線の電車は、京王線直通、各駅停車、橋本行きです。きくかわ~、菊川~〕

 ブワッと強い風が吹き、JK達のスカートがめくれ上がる。
 この駅をよく利用しているリサは慣れているので、すぐにスカートを押さえ、何となく覚えている上、3人の中では丈の長い小島もまたスカートの中が曝け出されることは防げた。
 しかし、淀橋の場合は一瞬遅れた。
 だが、『魔王軍』の『軍規』に従い、学校に復活させた緑色のブルマを穿いているおかげで、パンチラは防げた。
 但し、ブルチラはあった。

 リサ「この駅、何故か地下鉄の駅にしても、かなり風が強いんだよ」
 淀橋「そ、そうでした」
 小島「そんな短いスカート穿くからだよ。寒いのに……」
 淀橋「お母さんや伯母さんが現役だった時代、ルーズソックスが流行った理由ってこのせいかな?」
 小島「違うと思う」
 リサ「ルーズソックスか……。そういえば愛原先生、『ルーズソックスのギャルJKを無理やりヤッてみた』っていうエロ動画ダウンロードしてたな……」
 淀橋「愛原先生も好きだね」
 小島「ナイスミドルのオジ様だもんねぇ……」
 リサ「よし。今度は、ルーズソックスを流行らせよう」
 淀橋「ええっ!?ブルマでもうお腹いっぱいですよぉ……」
 小島「愛原先生の為に、来夏から採用されるはずの男女兼用ラッシュガード採用案を廃案に追い込んで、『女子は女子で、ちゃんと女子用のスク水を着用せよ』にしたのに?」
 リサ「文句あるのか?」

 リサ、ギラリと瞳を赤く光らせて、『魔王軍四天王』の2人を睨みつけた。

 小島「ひぅ……!」
 淀橋「ご、ゴメンナサイ!冗談です!……それに、わざわざ流行らせなくても、履いてるコ、いるじゃないですか」
 リサ「えっ?」
 小島「い、いや、魔王様知らなかったの?『魔王軍』でも、山田さんとか加藤ちゃんとか、小野でんとか、履いてますよ?」
 リサ「あの、弛んだソックスか?」
 小島「そう、それ!」
 淀橋「弛んだソックス……」
 リサ「なるほど。後でわたしにも買ってもらおう」
 淀橋「でも、さすがに色が違うね」
 リサ「んん?」
 淀橋「お母さん達が履いてたの、基本的に白いルーズだったみたい。だけど、山田にしろ、小野でんにしろ、黒かったり緑だったりするでしょ?」
 リサ「確かに!……先生が観てたエロ動画は、白いヤツだった……」
 小島「ま、まあ、うちのお父さん達と同じ40歳、50歳のオジさんが観るような動画なら、やっぱその時代の高校生を再現するだろうからねぇ……」
 リサ「白いヤツは売ってないの?」
 淀橋「いや、売ってるよ。フツーに売ってる。てか、アタシも1足持ってる」
 リサ「マジで!?どこで買った!?」
 淀橋「アタシんちの駅前のドンキ」
 小島「ヨドって、そういう所で服とか買うんだ……」
 淀橋「いいのが無かったら他で買うけどさ、案外結構揃ってるもんだよ」
 リサ「うーん……。こっちにドンキは……」
 小島「アキバにあるよ。この辺だと……錦糸町とかには無い?」
 リサ「錦糸町……」

 リサは首を傾げた。

 淀橋「何かありそうな気はする雰囲気の町だけどね、あそこ。まあ、いいや。早いとこ、マックに行こう」

 淀橋は地上に向かうエスカレーターや階段を上る時、いつも以上にスカートの裾を気にした。

 リサ「ブルマ穿いてるんだから、そんなに気にしなくてもいいだろう?」
 淀橋「いや……その……魔王様には申し訳ないんだけど、ブルマ復活前のスパッツよりも、何だか気になるっていうかぁ……」
 小島「パンツと同じ形だから、本当に下着のパンツが隠れてる気がしないんだよね、スパッツよりも」
 リサ「しかし、先生の世代はフツーにそれで体育やってた」
 小島「だから、不思議な時代だったんだなぁ……って」
 リサ「リンみたいな陸上部は、もっとハイカットなブルマで競技会とか出てるよ?」
 小島「あれは、実用性を追及した結果だからね。凛ちゃんも納得して、あのユニフォームで大会とか出てるわけだし……」
 淀橋「そうそう。別に、普通の部活からして、あの恰好をしてるわけじゃないからさ」

 たまに女子陸上選手で、日焼け痕の形が異なっていることがあるのはこの為。

 リサ「だけど、『魔王軍』にいるうちは、全員ブルマ着用な?」
 淀橋「ふ、冬場だけはカンベンしてください。さすがにアタシ達、フツーの人間なんで、ガチで寒いんで……」
 小島「ええ。魔王様がこの季節でも、体育はブルマで受けている所は尊敬してますから」
 リサ「だらしのないヤツらだ」

 そして、駅前のマクドナルドに到着する。
 昼時ということもあって、店内は賑わっていた。

 小島「これ、多分、上の席は満席だと思いますが?」
 淀橋「結構、小さい店だからね」
 リサ「分かってる。テイクアウトにして、家に持って帰ろう」
 淀橋「その方がいいねー。で、魔王様は何にする?」
 リサ「ビッグマックのセット」
 淀橋「想定内。行きましょう」
 リサ「何だ、それ……。ヨドバシとコジマは?」
 淀橋「アタシはチキンフィレオ」
 小島「私はてりやきで」
 リサ「皆して、ダイエット中?」
 小島「い、いや……」
 淀橋「全然。リサも?」
 リサ「いや、わたしがダイエットなんかしたら、自我が無くなって暴走する」
 小島「東京がゾンビパラダイスになるわけですね。それはカンベンです」
 リサ「そういうこと」

 3人はレジに並んだ。
 昼時で混雑していたからか、多少待つことになってしまったが、それでも何とかお目当ての物をゲットすることができた。
 そして、今度は愛原家へと向かった。
コメント
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