報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「再・日光紀行」 2

2023-08-09 20:19:10 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月6日10時00分 栃木県宇都宮市 日光宇都宮道路→同県日光市野口 日光口パーキングエリア]

 車は東北自動車道から日光宇都宮道路へと入った。
 この道路は厳密に言えば高速道路ではなく、有料道路の類である。
 それでも一般道と比べれば高規格道路であった。

 愛原「ん?」

 その時、私のスマホに着信があった。
 画面を見ると、善場主任からであった。

 愛原「はい、愛原です」
 善場「愛原所長、お疲れさまです。善場です」
 愛原「おはようございます。今、宇都宮市内を走行中です」
 善場「そのようですね。順調のようで、何よりです」
 愛原「それで、何かありましたか?」
 善場「BSAAが那須塩原市の天長会施設に立ち入り調査を行いました。もちろん、ホテル施設も含めてです」
 愛原「ほお、そうですか」
 善場「白井の企みがこれで分かれば良いと思っています。那須塩原市ですから、日光市の所長方と被ることは無いと思いますが、念の為、情報提供です」
 愛原「ありがとうございます」
 善場「今回の契約は愛原所長と栗原重蔵氏の者ですが、何かこちらにも有益な情報があったら教えて頂きたいと思います。もちろん、報酬はお支払いします」
 愛原「分かりました」

 重蔵氏は鬼狩りの家として、鬼の情報を欲している。
 だが、今や鬼狩りであっても、鬼の兄妹を倒すことは難しくなっている。
 もはや、軍隊の出番だ。
 具体的に言えば、BSAAや青いアンブレラだな。

 善場「因みに、青いアンブレラと鉢合わせになったならば、遠慮無くこちらに通報してください」
 愛原「は、はあ……」
 善場「高野芽衣子こと、エイダ・ウォンコピーは容赦無く射殺して構いませんので」
 愛原「いやいやいや!私ら、民間人ですよ!?」

 しかし、電話は切れてしまった。

 高橋「善場のねーちゃんからですか?」
 愛原「あ、ああ、そうだ。これから行く先で、いい情報があったら横流しして欲しいんだと」
 高橋「確か、探偵には守秘義務があると伺いましたが?」
 愛原「『金なら払う』ってよ。全く。お役人さん達は都合がいいんだから……」
 高橋「ハハハ……」

 こうして私達は、最後の休憩地、日光口パーキングエリアに到着した。
 パーキングエリアと名乗るくらいだから、敷地はそんなに広くは無い。
 それでも大観光地の入口にあるパーキングエリアとしての体裁は保っているようで、売店では土産物なども売っているようである。
 空いている駐車スペースに車を止める。

 愛原「まずはトイレ休憩しよう」
 高橋「俺も一服させて頂きゃす」
 リサ「わたしも」

 車を降りると、蓮田の時よりも冷たい風が私達を出迎えた。
 道路脇には除雪された雪が積もっているくらいだ。

 愛原「少し建物が古いな。もしかしたら、和式があるかもよ?」
 リサ「えー……」

 私は紙コップの空き容器をゴミ箱に捨てると、トイレに向かった。
 それから……。

 リサ「おやつー、おやつー」
 愛原「トイレは洋式だった?」
 リサ「うん。きれいだったよ」

 トイレはリニューアルされていた。

 リサ「ここでは、お蕎麦が名物なんだ」
 愛原「そのようだな。……いや、まだ昼飯には早いぞ?」
 リサ「分かってるよ。あくまでも、おやつを買うだけだよ」

 リサが買ったのは、フランクフルトだった。
 あくまでも、肉系にこだわる。

 高橋「先生、作戦会議はどうします?」
 愛原「ああ、車の中で」

 私は再び自販機コーナーで、2杯目のホットコーヒーを買い求めた。
 それを持って、車の中に戻る。

 愛原「まずは車で民泊施設に向かう。駐車場は別の場所にあるから、そこに車を止めて向かうことになるな」

 民泊施設はあくまで、元々は1つの一軒家だった。
 駐車場は無いので、車での宿泊者は近くの駐車場に止めることになる。

 愛原「それから必要な物だけ持って向かう。いいな?」
 高橋「分かりました」

 まあ、作戦会議というほどの作戦会議ではなかったな。

[同日10時30分 同県日光市某所 某民泊施設]

 民泊施設が借りている駐車場から、徒歩数分の場所にある。
 私達は道具の入った荷物を車から降ろすと、徒歩で民泊施設に向かった。

 高橋「先生、宿泊客はいるんスか?」
 愛原「いや、今日はいない。一応、表向きは俺達が泊まることになっている」

 実際は泊まらない。
 ただ、何も知らぬ宿泊希望者が、空室情報を見て予約してくる恐れがあったので、それを埋める為にあえてそうした。

 愛原「2階は小火があったので減築され、今は表向き平屋建てになっているか……」
 高橋「地下室があったことまでは意外でしたね」
 愛原「ああ」

 鬼の男、大江山鬼之助と上野利恵はここで儀式を受けて鬼となり、大江山殺鬼は埼玉の家で儀式を受けている。

 愛原「どうします?家の中に入りますか?」
 高橋「そうだな。一応、家の中を確認しておこう」

 私は郵便受けのダイヤルを回し、その中に入っていた玄関の鍵を入手した。
 それで、玄関の鍵を開ける。

 愛原「リサ、鬼の気配はするか?」
 リサ「……しないね。臭いもしない」
 愛原「よし。入るぞ」

 私が確認したのは、物置部屋。
 かつては2階への階段があったと同時に、地下への階段もあった部屋だ。
 それらの階段を撤去してフラット化工事をしたら、確かに物置部屋として機能するほどの広さは確保できる。
 物置部屋は薄暗く、元は階段の踊り場に位置していた高窓から入って来る日の光だけでは薄暗い。
 しかも照明は、裸電球1つしか無いのだ。
 これでは、床の様子にも気づくことはできなかった。

 愛原「マジかよ……」

 2階への階段は撤去されていた。
 私は地下への階段も、当然撤去されているから存在しないものだと思っていた。
 しかし、試しに除雪道具とかを退かしてみると、跳ね上げ式の扉が床にあった。
 だが、鍵が掛かっている。

 高橋「任せてください」

 高橋は自分の服のポケットから、キーピックを取り出した。
 それらを鍵穴に差し込み、ガチャガチャやると……。

 高橋「開きました」
 愛原「早っ!」
 高橋「じゃあ、開けてみますよ?」
 愛原「ああ」

 跳ね上げ式の扉を開けてみると、下に下りる階段が現れた。

 愛原「こいつはやられたな。地下室までは、塞がれていなかったんだ」

 私は自分の頭をポンと叩いた。

 愛原「空気が無くなってるかもしれん。中庭のマンホールも一応、開けておくぞ」
 高橋「はい」

 私達は一旦外に出て、中庭のマンホールを開けた。
 そして、その中をよーく懐中電灯で照らしてみると……。

 愛原「梯子があるな……」

 下まではよく見えなかったが、とにかくここにも下に下りる為の梯子はあった。

 高橋「どうします、先生?ここから行きますか?それとも、中から行きますか?」
 愛原「そうだな……」

 ➀マンホールから行く。
 ②物置部屋から行く。
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“私立探偵 愛原学” 「再・日光紀行」

2023-08-09 16:47:26 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月6日07時30分 天候:晴 埼玉県蓮田市黒浜 東北自動車道下り・蓮田サービスエリア]

 マンションを出発してから、およそ1時間。
 途中、首都高で多くの車にノロノロ運転させられたが、川口線の下りに入ってからは順調な走行であった。
 上り線は朝のラッシュで混雑していたが、下り線は快調であった。
 そして、東北自動車道に入って最初の休憩地、蓮田サービスエリアに到着した。

 高橋「着きました」
 愛原「ありがとう。リサ、着いた……ぞ?」

 車が駐車場に止まる。
 私は後ろを振り向いて、助手席の後ろに座っているリサを見た。

 リサ「クカー……
 高橋「こいつ、さっきから爆睡してるんスよ。しかも寝相悪い」

 リサは座席をリクライニングして寝ているが、足を大きく広げ、黒いスカートの中からはエンジ色のブルマが丸見えになっていた。
 そのブルマも悪い寝相のせいで裾がズレてしまっており、そこから黒いショーツがハミパンしてしまっている。

 リサ「でへへへ……。先生……そこ触っちゃダメ~……でへへへ……」
 高橋「しかもエロい夢見てるらしいんス。ほっといて降りちゃいましょうか?」
 愛原「いや、それはマズい」

 私は車を降りると、助手席後ろのスライドドアを開けた。

 愛原「おい、リサ!起きろ!」

 そして私は、リサを大きく揺り動かす。

 リサ「ん……はっ!」

 そして、ようやく起きた。

 リサ「……あれ?」
 愛原「おはよう。朝飯の時間だよ?」
 リサ「何だ……夢か……」

 リサは残念そうに呟くと、眠い目を擦り、大きく伸びをしたのだった。

 高橋「毎晩毎晩、エロい夢見てんじゃねーのか?」
 リサ「そんなことないよ。ただ、もうすぐ満月だから、性欲が強くなってるだけ」
 愛原「そうなのか?」
 リサ「リエが『人を食べたくなる』のも、満月の夜だって言うしね。……あ、わたしは違うよ。……と言ったらウソになるけど」
 愛原「ウソなのかw」
 高橋「なに先生にウソついてんだよw」
 リサ「とにかく、人を食べたくなるし、エッチもしたくなるの」
 愛原「分かりやすい人食い鬼だ」
 高橋「ホントですね」

 私達は建物の中に入った。

 愛原「待てよ。すると、あの鬼の兄妹もそういうことか」
 リサ「そうだと思うよ。だから、新月の夜とかの方がいいかもね」
 愛原「新月か。しばらく先だな」

 それまで待っていたら被害がまた出るだろうし、それに、彼らもバカではない。
 1番力が落ちる時期は、絶対に見つからないような場所に隠れるだろう。
 リサも新月の日は辛うじて第1形態の鬼の姿にはなれても、強い電撃は出せない感じである。

 愛原「まあ、とにかく食べよう」
 高橋「あざっス」

 私達はフードコードに入った。
 フードコート内は、まだ空いていた。

 愛原「食券制度だから、先に食券を買おう。何がいい?」
 リサ「ロースカツ定食」
 愛原「朝から凄ェな」
 リサ「エネルギー補給の為だよ」
 高橋「先生は何にするんスか?」
 愛原「豚汁定食。納豆付きで」
 高橋「ヘルシーですね」
 愛原「俺にとっては、朝はこれくらいでいいんだ。高橋は?」
 高橋「カレーいいっスか?」
 愛原「朝カレーか。いいぞ」

 そういうわけで、私達は朝食を注文した。

 愛原「休憩しながら行けば、ちょうどいい時間に着けるだろう。あと1回か2回、休憩を取れば良いんじゃないか?」
 高橋「具体的にはどうしますか?」
 愛原「あの民泊施設に最も近い高速の出口はどこだ?」
 高橋「そのまんま、日光っスね」
 愛原「その手前にあるパーキングは?」
 高橋「日光口パーキングです。俺とパールは、そこで時間調整したんスよ」
 愛原「よし。最終的な休憩地はそこにしよう。最終的な作戦会議もしたいしな」
 高橋「分かりました」
 愛原「因みに、ここから日光口まで、時間はどのくらいだろう?」
 高橋「そうっスね……。まあ、バイクだったら飛ばして1時間ちょいですよ」
 愛原「車なら?」
 高橋「……安全運転で、1時間20分ってとこっス」
 愛原「まあ、そこまで行っても大丈夫か」

 途中でトイレに行きたくなったら、臨時に立ち寄るということにして、ここで朝食を取ったら、日光口パーキングエリアまで直行することにした。

 高橋「行きは何とか持つと思いますが……」
 愛原「何が?」
 高橋「帰りは燃料入れる必要があります」
 愛原「そんなことか。別にいいよ。そういうのも、経費で落とせるから。あれか?エネオスの会員証が使える所か?」
 高橋「そうです」

 因みにこの蓮田サービスエリアにもガソリンスタンドはあるが、こちらは昭和シェル石油である。

 愛原「どこかしらにはあるだろう。別に、高速のスタンドでなくてもいいわけだからな」
 高橋「はい、そうですね」

[同日08時15分 天候:晴 同サービスエリア]

 朝食が終わった後、高橋は喫煙所で一服。
 私とリサはトイレに行った。

 愛原「今のトイレは随分ときれいになったもんだ」
 リサ「昔は違ったの?」
 愛原「ああ。薄暗いし、汚いし、個室も和式が当たり前だったぞ」
 リサ「うう……。和式かぁ……」
 愛原「今は逆に、和式を探す方が大変だ」
 リサ「うん、そうだね。それじゃ」

 トイレで別れる。
 出てくるタイミングは、私の方が早い。
 その間、私は自販機コーナーに行って、食後のコーヒーを買い求めた。
 缶コーヒーではなく、紙コップのドリップコーヒー。
 サービスエリア内にはコーヒーショップもあって、当然それはテイクアウトもできるのだが、何故か私は高速道路に乗ったら、自販機のコーヒーを買うのが定期となっていた。

 リサ「この、コーヒーを入れてる時のメロディってなに?」

 いつの間にかリサが背後に回っており、突然聞かれた。

 愛原「あ、ああ。“コーヒールンバ”って言って、往年のヒット曲だよ」
 リサ「そうなんだ」
 愛原「それより、トイレはもういいのか?」
 リサ「変な夢見たせいで、ライナーを換える必要があった。着けといて良かったよ」
 愛原「そうか……」

 エロい夢を見たせいで愛液がダラダラ出てしまったが、おりものシートを着けていたことで、そんなにショーツは濡れずに済んだという。
 ただ、シートは交換する必要が出て来たというわけだ。

 リサ「うーん……。このままじゃ、また変な夢見ちゃうかもねぇ……」
 愛原「起きてりゃいいだろう。お前もコーヒー飲むか?」
 リサ「うーん……苦いのはちょっとねぇ……」

 辛い物は大好きなリサだが、苦い物は苦手のようだ。
 するとリサは、後ろからピタッとくっついた。

 リサ「わたしの性欲を先生が発散させてくれればいいんだよぉ~」
 愛原「こら!」
 高橋「あの鬼野郎のチ○ポはどうだ?」
 リサ「ヤダ!絶対ヤダ!」
 愛原「おっ、高橋。タバコはいいのか?」
 高橋「一応、吸い溜めしてきました。日光まで持たせます」」
 愛原「そうか」

 高橋もトイレに行ってくるそうで、その後で再出発することとなった。
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