報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

小説の途中ですが、本日の動静をお送りします。 0326

2016-03-26 21:11:45 | 日記
 今日も朝から慌ただしい1日だった。
 朝の8時15分から出棺経が行われるということで、早起きさせられることとなった。
 私は実家へ1度帰って寝たからいいようなものの、祖母の遺体と共に葬祭会館に泊まり込んだ伯母さん家族は大変だっただろう。
 確か10年以上前に祖父が亡くなった時も、長女たる伯母さん達が大変だったような気がする。
 母方には次女である私の母と長女である伯母しかいない上、婿入りした者はいない為、これで母方の姓は断絶したことになる。
 伯母方も安泰とは決して言えず、長男である従兄は私より2つ年上だが、結婚はしていない。
 従姉は結婚して子供も2人いるが、嫁に行った為に姓が変わっている。
 従兄が嫁を迎えない限り、そちらの家も断絶の危機が迫っているわけである。
 その点、父方の所は心配無い。
 私の父は3人兄弟の末っ子で、長男の伯父には子供がいないものの(結婚はしているが不妊症のままらしい)、次男の伯父は子供が4人ほどおり(つまり私の従兄並びに従姉である)、こちらは全員が結婚して子供を設けている。
 つまり、私ら兄弟が結婚しなくてもお家断絶の危機が無いのである。
 兄弟の下の方は気楽で良い限りだ。
 まあ、私は長男であるものの、大したことはする必要が無い。
 私の家系で何かあっても、従兄達がやってくれるからw

 話は逸れたが、最近の霊柩車は随分と装飾が地味だなと思ったが、けして金ピカの家型の人気が無くなったわけではない。
 たまたま、シックなデザインを選ぶ人が多いだけのことのようだ。
 喪主である伯母と、その妹である母は霊柩車に同乗し、他の私らはバスで火葬場へ。
 日野のリエッセだ。
 JRバスといい、今回は日野のバスに世話になってるな。
 ところで火葬場は2〜3日待たされるというイメージがあるのだが、意外と簡単に予約が取れたものだ。
 どうも、早目に押さえておいたとのことだが、果たしてどの段階で押さえていたのやら……。
 仙台市が外郭団体である公益法人に委託して運営している火葬場であるが、そこの職員は、制服に制帽という警備員のような姿をしている。
 祖父の時も同じ火葬場で、やはりこういった職員が棺を台車に置いて運んでいたのだが、一体この職員達は公務員なのだろうか。
 あまりの違和感に、祖父の葬儀の後で、“顕正会版人間革命”や“妖狐 威吹”に死神を登場させたことがある。
 死神というと、魔道師が着るローブよりももっと大きくて漆黒のローブをまとい、フードを深く被って、手に大きな鎌を持っているというイメージだが、私の作品に登場している死神は黒い制服に黒い制帽を深く被っているという設定にした。
 ただ少しデザインは変えて、制服はもっと野暮ったい詰襟にし、制帽の紀章はドーマンセーマンにした。
 そして、武器は鎌ではなくサーベルというもの。
 稲生が大学生以降の話である“ユタと愉快な仲間たち”や卒業後の今を描いている“大魔道師の弟子”には登場しないが、名残りとして冥界鉄道公社の車掌の制服などにそのイメージがある。
 そんなことを思い出しながら、祖母とは最後の別れ。
 鉄扉の開閉も件の職員が、タッチパネルで操作する。
 何気にハイテクだ。
 それでも完全に火葬が終わるまで、1時間くらい掛かる。
 1000度の温度で焼くとのこと。
 東日本大震災直後の時は遺体の火葬が間に合わず、土葬された遺体もあったらしいが、今も残されているのだろうか?
 従姉の子供2人(5歳と3歳)は状況が分かっていないのか、はしゃぎ回っている。

 火葬が終わった後で、職員立ち合いのもと、骨を拾う。
 最初に拾う時だけ、隣と一緒に箸で拾うのはどこも同じか。
 骨だけだとどこの部分の骨だか分からないが、ベテランの職員はさすがにどの骨がどこの部分だか分かるようだ。
 私ら家族もそうだが、火葬場に来ていた他の人達も終始落ち着いていた。
 私の祖母は85歳で臨終したが、まあまあ普通に日本人の平均寿命くらいであるし、他にも大往生した人達ばっかりだったからだろう。
 これが若くして死んだとあらば、落ち着いてもいられなくなると思われる。

 尚、弟の意見である。
「創価学会の友人葬に出たが、フツーにドン引きした」
 とのこと。
「皆で『南無妙法蓮華経』や御経の大合唱なんて、キモいよ」
 ああ、まあそりゃそうだ。
 私は元顕正会員だが、初めて顕正会の会館に連れて行かれた時、中から御題目の大合唱が聞こえて来て、ちょっと足がすくんだ記憶がある。
 今では自分も一緒に御経を読むことに慣れているが、今となっては曹洞宗のようにお坊さんだけが御経を読んで、檀家は後ろに座っているだけの方が違和感があるようになってしまった。
 だから私は、
「日蓮正宗も信徒が一緒に御経を読むよ」
 と言ったが、
「日蓮正宗はお坊さんがいるからなぁ……。いや、坊さんがいないで御経だけ読むのはどうもなぁ……」
 とのこと。
 比較的まともな意見である。
 私も“普段着の折伏”の時に、創価学会や顕正会との違いを説明する時にこの手を使うが、多くの人は、
「お寺があって、そこにお坊さんがいる所の方が安心だ」
 みたいなことを言う。

 火葬が終わった後で、再び葬祭会館に戻る。
 そこで本葬儀から初七日の法要までを一気に行う。
 その時、母方の菩提寺から御住職、副住職とそのお弟子さんの3人が来た。
 弟子といっても修行僧ではなく、一応既に修行を終えている(大石寺で言う無任所僧と同じか?)。
 始まる時に手持ちの鈴だけでなく、シンバルのような物を叩いていたな。
 曹洞宗は中国から来たものだから、恐らくその頃の名残りなのだろう。
 読んだ経典は私が確認できたもので、般若心経と大悲心陀羅尼(『とらやーやー』と聞こえたので)、それに妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五である。
 但し、曹洞宗では『妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五』とは読まず、『妙法蓮華経観世音菩薩普門品』と読んでいた。
 恐らく法華系宗派ではないため、第何品かは重要視していないからではないかと思った。
 後で御住職に聞くと、
「妙法蓮華経如来寿量品も経典として読んでいますが、葬儀に読むものではありません」
 とのこと。
 よくわからないが、まあ、読まれなくて良かった。
 つられて私も唱和してしまう恐れ大だ。

 で、御経以外に『授戒』の部分も聞いた。
 すると、
「今身より仏身に至るまで、仏・法・僧の三宝を保ち奉るべしと……」
 みたいな文言が聞こえた。
 あれ?御受誡の文言に似てるぞ?
 やっぱりそうだ。
 曹洞宗では故人に誡を授けるのだ。
 日蓮正宗では生きてる人間に誡を授けるけど。
 だから日蓮正宗では、
「保ち奉るや否や?」
 と聞くんだね。
 対して曹洞宗では死んだ人間が相手だから、当然聞かれても答えられない。
 だから、
「今から仏様の元で修行する為の誡を授けるから、それを保ち奉れ」
 とか言い切るのだろう。
 宗派が違うと、誡の授け方も全く違う。

 いや、たまには他宗の葬儀に出てみるもんだと思った。
 おかげで、違いを色々と勉強することができたよ。
 内道と外道の違いはそもそも比較対象にはならないから、それはいいけどね。
 祖母に与えられた戒名はそこそこ高いものらしい。
 らしいのだが、値引きしてくれたみたいw
 こればかりは創価学会や顕正会の主張に一票入れるよ。
「戒名はお寺の金儲けの為だけにあるものだから、本来そんなものは必要無い」
 ってね。
 因みに浄土真宗などは、もっと戒名代が安いらしい。
 歴史上、百姓などの庶民が檀家であった為だろう。

 で、日蓮正宗は?そういえば、聞いたことないな。

 明日は納骨を行う予定である。
 この時も日蓮正宗との違いを勉強させてもらおう。

 できれば、日蓮正宗での葬儀がどんな感じで行われるのか勉強させてもらいたいと思う。
コメント (6)
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“大魔道師の弟子” 「夜の鉄路を往く」

2016-03-26 16:34:18 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[3月11日22:50.天候:晴 JR大宮駅・埼京線ホーム 稲生勇太、マリアンナ・ベルフェ・スカーレット、イリーナ・レヴィア・ブリジッド]

〔本日も、JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。22番線に停車中の電車は、22時53分発、各駅停車、大崎行きです。発車まで、しばらくお待ち願います〕

 新幹線から在来線へと乗り換えた魔道師達は、停車中の上り電車の中にいた。
 大宮始発の上り電車は空いていて、3人とも先頭車の緑色の座席に座った。

〔この電車は埼京線、各駅停車、大崎行きです〕

「これで新宿まで行って、そこから“ムーンライト信州”に乗り換えます。その電車は、今日しか運転していないんですよ」
「なるほど。それで泊まらずに帰ろうって話ね。なるほど」
 イリーナは目を細めてうんうんと頷いたが、
「もう既に何回か乗っていると思うが……」
 と、マリアは言い難そうに言った。
「す、すいません。僕の100%趣味で……!」
「いいよいいよ。経費は安いし。そうそう滅多に乗れるものじゃない」
 と、イリーナは大きく頷いた。
「まあ、そうですね」
 マリアも同調する。
「師匠なら熟睡できますよ」
「じゃ、ここでも熟睡するから着いたら起こしてね」
「わーっ、先生!待ってください!」
 イリーナが“熟睡”したら、1日は起きないのを直弟子達は知っている。
「“車内異常発生の為”、明日は1日運休になるかもねw」
「それは困ります!作者が

 そうこうしているうちに発車時間が迫り、発車メロディがホームに鳴り響いた。

〔22番線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車を、ご利用ください〕

 電車がドアを閉めて走り出す。
 この時点では、まだ車内は空いていた。
 確かに、東京駅からの中央線より良いかもしれない。

〔JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は埼京線、各駅停車、大崎行きです。次は北与野、北与野。お出口は、右側に変わります〕

 下り副線ホームに止まっていた電車はポイントを2回渡り、上り本線に出た。
 そして、地下ホームから一気に地上へと駆け上がっていった。

[同日22:55.天候:晴 JR大宮駅南側上空 エレーナ・マーロン]

「すっかり遅くなっちゃったなぁ……」
 エレーナはホウキに跨り、大宮駅の上空を飛んでいた。
 別に大宮駅に用事があったわけではない。
 ここよりもっと北の町に届け物の依頼があって、そこに向かっていたのだった。
 魔女にしては使い魔の黒猫にGPSを背負わせている辺り、どことなく現実的に見える。
「明日はホテルで仕事だし、少し飛ばすか」
 江東区の元はドヤ街だった町にある安いビジネスホテル。
 エレーナはそこで住み込みの従業員として働いている。
 最近は外国人客が増えたため、マルチリンガルのエレーナは重宝されていた。
「ん?」
 その時、自分の前を別の魔女が飛んでいるのが見えた。
 飛んでいるというか、ホバリングしている感じ。
 実はホウキでホバリングするのは案外難しい。
 それができるのだから、そこそこ熟練した魔女なのだろう。
「こんばんはー」
 エレーナは特段何も警戒することなく、暗闇の中を飛ぶ魔女に近づいた。
 するとその魔女は、「ハッ!」として、エレーナに見つかったのがマズいとばかりに慌てて飛び去った。
「?」
 エレーナは首を傾げた。
 眼下を1台の通勤電車が走り抜けて行く。
 GPSに反応にあり。
「おっ、奇遇だね。あの埼京線に、イリーナ先生御一行様が乗っているわけか。確か埼玉は……稲生の実家があるって言ったな。帰省旅行にでも付き合ってたのかな」
 本当は違うのだが、エレーナの想像自体は不自然ではない。
 不自然なのは……。
(で、さっきのヤツ、そのイリーナ先生達に何か用でもあったんだろうか?)
 エレーナみたいに、偶然通り掛かっただけなら、何もそんなに慌てて逃げ出す必要もあるまい。
 エレーナは無二の師匠、ポーリン・ルシフェ・エルミラの敵には自分も敵視し、かつてはマリアや稲生が敵だった。
 ポーリンがイリーナと仲違いをしているように見えたからだ。
 だが、実際は『ケンカするほど仲が良かった』だけの話で、それからはマリアや稲生とも打ち解けている。
(何かしようとしていたところ、逃げたか……。ヤバいことでもしようと思った?)

[同日23:30.天候:晴 JR新宿駅 稲生、マリア、イリーナ]

 稲生達を乗せた埼京線電車は、池袋駅を出て貨物線を走行している。
 湘南新宿ラインとか埼京線とか呼ばれているが、池袋駅から大崎駅までは本来、貨物線である。
 実際、未だに貨物列車も走っている。
 そこを軽やかに走行する電車だが、車内はだいぶ混んで来た。
 新宿止まりならもう少し空いているのだろうが、電車は更にその先、埼京線の終点駅まで行くからであろう。

〔「ご乗車ありがとうございました。まもなく新宿、新宿に到着致します。お出口は、右側です。この電車は、埼京線各駅停車の大崎行きです。新宿を出ますと、渋谷、恵比寿、終点大崎の順に止まります」〕

 イリーナと稲生の間に挟まれ、安心ていたマリアも少しうとうとしていた。
 車内放送でハッと目を覚ます。
「もうすぐ着きますよ」
「そのようだな。師匠、起きてますか?」
「あいよ。起きてるよー」
「おっ、珍しい」
「何それ……」
 弟子の言葉に、変な顔になる師匠だった。
「それより、あなたの水晶球に『着信』があったみたいよ。後で確認しな」
「えっ、本当ですか?誰からだろう?」
「大師匠様とか?」
「再登用されたばかりの私に、大師匠様が直接用事があるとは思えないな」
 マリアは首を傾げた。

 電車は速度を落とし、ゆっくりと多くの乗客が待つホームに入線した。

〔しんじゅく〜、新宿〜。ご乗車、ありがとうございます。次は、渋谷に止まります〕

 ここで多くの乗客が降りる。
 稲生達もその流れに乗って電車を降りた。
「マリア。ここは人が多いから、取りあえず、コンコースに出てからにしな。稲生君、乗り換え先は別のホームなんでしょ?」
「ええ。中央本線ホームになるので、一旦階段を上がります」
「たってさ」
「はい」
 3人が階段に向かって上がっている間、埼京線電車は発車メロディの後で発車していった。
 コンコースに上がって、マリアはローブの中から水晶球を取り出す。
 イリーナのそれはバレーボールほどの大きさがあるが、マリアのはサイズが野球ボールくらいである。
「……エレーナからだ。……んん?」
「何ですって?」
「たまたま私達がさっきの電車で大宮駅を出た時、エレーナも“宅急便”の仕事で、その上にいたそうだ。そしたら、まるで私達を狙うかのように、別の魔女が私達の電車を見下ろしていたんだって」
「誰ですか?」
「暗かった上に、フードを被っていたから分からなかったそうだ。エレーナが声を掛けたら、何も言わずに逃げるように飛び去ったらしい」
「エレーナ以外に空を飛べる魔女さんって誰ですか?」
「いや、それが結構いるよ」
 と、イリーナ。
「普段は飛ばない者も入れると、割と大勢いるね」
「そうなんですか」
 イリーナは目を少し開けて、
「たまたま通り掛かった時、稲生君がいたから警戒したのかもね」
「僕ですか!?」
 稲生が何でって顔をしたが、マリアはその意味が分かったようで、
「いや、だからといって、ちょっとそれは……」
「まあまあ。他に考えられなかったからさ」
 人間時代に性的暴行を受け、女の尊厳を奪われて魔女になった場合は、男の魔道師ですら嫌悪することがある。
 もちろんダンテの方で全員に通達するのだが、それでも嫌がる者は嫌がる。
「僕がいると迷惑ですかね?」
 稲生は困った顔をして、頭をかいた。
「いや、そんなことはないよ」
「いつまでも“呪い”に縛られることはないと思う。もう私達は人間を辞めたんだ。それなら、私達はもう少し前を見るべきだと思う」
「マリア……!」
 イリーナは目を見開いた。
「偉い!いつの間にこんな前向きになったの!?先生、嬉しいわ!」
 イリーナはマリアをハグした。
「し、師匠!」
 困惑するマリア。
 体全体で表現することを旨とする欧米人だからそんなに違和感は無いのだが、それでも往来する乗客達には目立ったようである。
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