報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「八王子で過ごす」

2024-10-03 13:50:34 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月13日20時00分 天候:晴 東京都八王子市東町 鳥貴族京王八王子店→同市旭町 セブンイレブン八王子旭町店]

 夕食は京王八王子駅近くの鳥貴族で取った。
 ここならレイチェルの大好きな焼き鳥が安く食べれるし、リサもリサで肉を食えることになるので、体内のGウィルスも鎮めることができる、と……。
 他のリサ・トレヴァーなどが有していたGウィルスは、人間の血肉『しか』受け付けなかったのに対し、ここにいるリサのは人間の血肉が『優先』であって、別に他の獣肉で代替できるという所が違う。
 その違いを上層部は解析したいらしいが、いかんせん前者のサンプルが殆ど無い為に難しいらしい。

 愛原「じゃあ、そろそろ戻ろか」
 リサ「先生も食欲が戻ったようで何よりだよ」
 愛原「昼間は色々あって、殆ど食えなかったからな……」

 因みにリサとレイチェルは、制服から私服に着替えている。
 レイチェルがそれでもジャンパーを羽織っているのは、その下に武器を隠しているからだろう。
 リサはというと、肩が出るTシャツを着ている。
 スポプラの肩紐は剥き出し。
 下はデニムのショートパンツに穿き替えている。

 愛原「そろそろ行こうか」
 リサ「ゴチっす~!」

 私はレジの方に行き、そこで支払いをした。

 愛原「カードでお願いします」
 店員「かしこまりました」
 愛原「あと、領収証ください」
 店員「はい、領収証ですね」

 今は手書きじゃなく、レジから自動で印刷される。
 こういう飲食代も、デイライトで持ってくれるとは……。
 店をあとにし、ホテルに戻る。

 リサ「ねーねー!セブン寄っていい?」
 愛原「いいよ」

 おやつか何かを買うのだろう。
 多分、ホテルの最寄りのコンビニと言ったら、ここか駅のNewDaysのどちらかだろう。
 私も飲み物とかを買って行くことにした。
 水とか、風呂上がりのビールとかは必要だろう。
 それをここで買って行くことにした。
 部屋に冷蔵庫はあるから、それに入れて冷やしておいて……と。

[同日20時15分 天候:晴 同市旭町 京王プラザホテル八王子]

 ホテルに戻ると私のスマホに着信があった。
 画面を見ると、善場係長からだった。

 愛原「はい、もしもし。愛原です」
 善場「愛原所長、お疲れ様です。……危険な状況の中、御夕食をお楽しみ頂いたようですね?」
 愛原「え……えっと……何か、問題が……?」
 善場「今、所長は少し危険な状況に置かれています。たまたま今回は何も無かったようですが、明日はホテルから出ないでくださいね。できれば、部屋からも出ない方が好ましいのですが」
 愛原「も、申し訳ありません!護衛もいるから大丈夫かなと思ったのですが……」

 私はチラッと2人の女子高生を見た。

 善場「御無事だったようなので、今回は良しとしましょう。それに、食事などで部屋からは出ないといけないようですしね」
 愛原「ホテルのレストランは高いですよ」
 善場「構いませんよ。立替払いが厳しいようでしたら、カード払いでも結構ですから」
 愛原「す、すいません……」

 実は先ほどセブンイレブンに寄ったのは、セブン銀行のATMでお金を下ろすという理由もあったのだ。

 善場「私も帰京しました。明日、明後日以降の予定について打ち合わせをさせて頂きたいのですが、宜しいでしょうか?」
 愛原「日曜日なのに大変ですね……」
 善場「今は重大な時ですから」

 善場係長の、見た目に反してタフな体力は、Gウィルスによるものだろうか。

 善場「明日の10時にお伺いします。それで宜しいでしょうか?」
 愛原「分かりました。どちらの部屋でお話ししましょうか?」
 善場「リサ達の部屋の方が広いので、そちらにしましょう」
 愛原「分かりました。リサ達にも伝えておきます」
 善場「部屋を訪問させて頂く前に、必ず御連絡差し上げます。くれぐれも、不審者には気をつけてください」
 愛原「了解しました」

 私は電話を切った。

 リサ「今の電話は?」
 愛原「善場係長からだよ。何か、本当はホテルに着いたら、外出しちゃいけなかったらしい。何か、かなり危険な状態らしくて……」
 リサ「その割には、電車で移動させてたけどね」
 レイチェル「そうですね……」

 レイチェルは少し考え込んだ。

 レイチェル「実は、この町の方が危険だということでは?」
 愛原「え?」
 レイチェル「東京駅周辺は安全で、実はこの町の方が危険だということでは?」
 リサ「治安が悪い?」
 愛原「八王子の治安問題は聞いた事が無いな……。いや、待て……」

 高橋のヤツ、甲州街道を爆走していたことがあったと言っていたな……。
 高橋の仲間がいるということか?

 愛原「とにかく、キミ達も注意して欲しい。明日、善場係長がこっちに来るってさ」
 リサ「善場さんが?日曜日なのに?」
 愛原「今、忙しいんだろうな。で、キミ達の部屋で話をすることになったから、あまり部屋を散らかさないように」
 レイチェル「分かりました」
 リサ「えー……わたしはきれいに使うよ?」
 愛原「早速ベッドに飛び込んで、メチャクチャにしてないだろうな?」
 リサ「ギクッ!」
 愛原「俺の部屋より、そっちの部屋の方が広いだろ?」
 レイチェル「ソファとテーブルがありますね」
 愛原「そういうことか。じゃあ、そういうことだよ。お茶のルームサービスとかも頼んだ方がいいか」
 レイチェル「それなんですけど、このホテル、ルームサービスは無いみたいです」
 愛原「えっ、そうなの!?」

 シティホテルでも無い所があるのか……。

 リサ「部屋にインスタントのお茶とかはあったよ?」
 愛原「うーん……それか。さっき、コンビニに寄った時、買っておけば良かったなぁ……」
 リサ「今から買って来る?」
 愛原「いや、善場係長からは外出禁止を言われたし……。しょうがない。自販機で何か買っておくか」
 リサ「自販機があるの?」
 愛原「3階にコインランドリーの他、自販機コーナーがあるって話だ」
 リサ「この辺はビジネスホテルみたいだね」
 愛原「いや、案外それがシティホテルの設備なんじゃないか?沖縄のシェラトンとかにもあっただろ?」
 リサ「そういえば……」
 愛原「ビジネスホテルの方が、シティホテルに近づいたのかもしれない」
 リサ「なるほど……」

 善場係長は、『お構いなく』と言いそうだが、こちらも礼儀を見せないとな。

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