報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“アンドロイドマスター” 「稼働実験失敗?」

2014-09-12 22:31:49 | アンドロイドマスターシリーズ
[9月12日11:00.宮城県柴田郡川崎町 山形自動車道上り線 敷島孝夫&初音ミク]

 山形自動車道を走行する敷島の車。
 その助手席には初音ミクが座っていた。
「いやあ、ミニライブもテレビの収録も順調に終わったなぁ」
「はい」
「地方ばかりじゃなく、やっぱ東京での仕事が増えないとな。まあ、昔に比べたら随分増えてはいるけど……」
「お仕事があるだけで幸せです」
「はははっ!ミクは昔から変わんないなぁ……。まあ、俺も似たようなもんか。結局、俺がフィールドテストやったの、お前だけだもんな。リンとレンは平賀奈津子先生がやったし、MEIKOもKAITOもルカもウィリーから逃げてきたようなものだしな」
「そうですね。たかおさん、本当はもう研究所にいて、稼働実験の立ち会いをしなきゃいけなかったんじゃないですか?」
「その後、すぐフィールドテストに入られちゃたまらんよ。ミクみたいな大人しい性格設定のボカロならともかく、マルチタイプだろ?生命保険にいくら入ってても割に合わないよ。あっはっはっはっ!」
 そうこうしているうちに、路肩には動物注意の標識が現れる。
 鹿や猿の他に熊の絵もあった。
「ん!?」
 何と、道路の上に熊がいた。
「危ねぇっ!」
 敷島、やや急ハンドル気味で避ける。
「あー、ビックリした……。マジで熊いるんだなぁ……」
「今の……」
「ん?」
「生物反応がありませんでした」
「はあ?スキャンに失敗したのか?」
「違います。動物ではないようです」
「はははっ!ディズニーランドのアトラクションにある熊のロボットかぁ?……うあっ!?」
 今度は大きな犬みたいなのが追い越し車線にいた。これも急いで避ける。
「何だ何だ何だ!?いくら山深い場所だからって、動物多過ぎだろ?!」
「今のも……生物反応が……」
「ミクのスキャン、調子悪いのか?」
「そんなはずは……」
 すると、目の前を走っていたトラックが何も無い所で突然何かにぶつかった。
「ああ!?」
 敷島が変な顔をしていると、
「たかおさん!右車線に入って!」
「は?え!?」
「早く!」
「お、おう!」
 ミクは片目を緑色に光らせていた。
 前方をスキャンしている。
 敷島はミクに言われた通り、再び追い越し車線に入る。
 すると、今度は敷島の後ろ(左の走行車線)を走っていた車が何も無い所でぶつかった。
「な、何が起きてるんだ!?」
「人間の視覚……いえ、特殊なスキャンが無いと見えない何かがいます」
「全部、生物反応無し?機械の反応?つまりロボット?」
「はい!」
「何が起きてるんだか知らんが……」
 敷島はハンズフリー機能にしているケータイで、研究所に連絡した。
 恐らく今、シンディの稼働実験で忙しいだろうが、誰かしら電話に出るだろう。
「……って、出ねーし!しょうがない。ミク、仙台支部につないでくれ」
「はい」
 ミクは仙台支部の代表電話に掛けた。
 これもインパネの近くに仕掛けたフックに引っ掛ける。
 ハンズフリーにすることにより、片手がケータイに取られることなく電話ができる。

〔「こちらは……」〕

「? もしもし?もしもーし!」
 一瞬、女性の声がしたかと思うと電話が切れた。
「何だぁ?」
 ミクがもう1回掛けてみたが、繋がらなくなった。
「たかおさん……」
「な、何か、マズいことでも起きてるのか……?そうだ。ミク、他のボカロ……確か、MEIKOは午前中オフで研究所にいるはずだ。MEIKOに直接通信してくれ」
「は、はい。……ダメです。トレスできません」
「なっにー!?」
 そこへ電話が鳴る。
 ミクが出た。
「もしもし?KAITO?」
「KAITO?そうか。逆にあいつは、朝からテレビ仙台の収録の仕事があったな……。今頃、終わったところか」
「え?なに?」
{「け、研究所が大変なことになってる。理事達が危ない。ボクは一応、彼らの救助にっ……!」ブツッ!}
「KAITO!?……たかおさん、KAITOも……」
「おいおいおい。一体、何が起きてるっていうんだよ!?」
 敷島は本部にも連絡したが、こちらもなしのつぶてだった。
 だが、
{「ミク!無事なの!?」}
「ルカ!」
「ルカ?そうか、あいつは本部で特別整備中だった」
 ルカが1番、ウィルスに感染しているため。
{「仙台支部と研究所が大変なことになったみたいなの!」}
「何が起きたの?」
{「分からない。だけど、シンディの実験中に事故があったみたいで……」}
「事故だあ!?」
 敷島は咄嗟にシンディの暴走を思い浮かべた。
 それはミクもルカも同じように思ったらしい。
{「本部に保管してるバージョン・シリーズ達が突然暴走して、こっちも大騒ぎになってる。幸い私やLilyさんは護身用のレーザー・アイを搭載してるから、何とかそれで応戦してるけど……」}
「ルカ!何とか持ちこたえてくれ!シンディはバージョン・シリーズを使役することができる。もしヤツが暴走したってんなら、5年前の決戦の時のように全機フル稼働させることは簡単なはずだ!」
 で、そのバージョン・シリーズの配置数はアリスがいる関係で、仙台が1番多い。
 無論アリスやエミリーの目が黒いうちは、勝手なことは許していないが、そこにシンディが加わるとなると……。
「……つまり、今、仙台に戻るということは、自殺行為に等しいということだな。飛んで火にいる夏の虫、だ」
 そうこうしているうちに、車は東北自動車道の村田ジャンクションに差し掛かる。
 予定なら左車線に入り、仙台方面である下り線に入るわけだが、
「このまま本部へ避難した方が良さそうだ」
 敷島はハンドルを右に切った。
「まだルカなど、防衛力を持つロボットがいる本部の方が安全だろう」
 ということで、上り車線に入ったのである。

 村田ジャンクションから上り線に入る。
「取りあえず、仕切り直しの為にも、まずは最初のパーキングエリアに入ろう」
 それは蔵王パーキングエリアである。
 トイレと自動販売機くらいしか無い小規模なパーキングエリアだ。
 もっとも、その分静かなので、大型トラックの運転手の中には、逆にそういった場所を好んで休憩や仮眠を取ることもあるという。
 そんなパーキングエリアに入った時だった。
「ひいっ!」
 突然ミクが恐怖におののく仕草をした。
「どうした!?」
 当然、敷島が驚いた。
「そ、そんな……!」
 敷島も、どうしてミクが怯えたのかの理由が分かった。
 何故か頭上に響くジェットエンジン音。
 ゴー、ズシャッ!という音がして、敷島達の車の前に着地する者がいた。
 エミリーではない。
 金髪を向かって右側にサイドテールにし、不敵な態度に2人は見覚えがあった。
「し、シンディ!?」
「…………」
 シンディは険しい顔をして敷島達を見据え、そして近づいて来た。
「くそっ!エミリーは何をやってるんだ!?」
「ま、まさか……エミリー……やられちゃっ……た?」
「うそだろ!?」
 シンディは敷島達とやや間合いのある所で立ち止まり、右手を変形させたマシンガンを突き出した。
 そして開口、
「覚悟なさい」
「マジかよ……」
 敷島、この時ばかりは死を覚悟したという。
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“アンドロイドマスター” 「シンディ稼働」

2014-09-12 15:17:50 | アンドロイドマスターシリーズ
[9月11日15:00.㈶日本アンドロイド研究開発財団 仙台支部 森須、アリス、十条]

 マリオとルイージの持ち帰ったセキュリティトークンでもって、森須が解析を進めていたメモリーの内容が明らかになった。
 川崎町の林道や廃倉庫で現れた機械猛獣達は、ウィリーの開発したバージョン・シリーズをベースに改造されたものと判明した。
「それで行動パターンが、どことなくバージョン達に似ていたのね」
 アリスは森須から話を聞いて頷いた。
「機械剥き出しなのを何故嫌がったのかは分からんが、それに熊や狼の人造毛皮を被せただけとはな……」
 森須は首を横に振りながら呆れた。
「そのままベアーとウルフでいいらしい。何とも捻りの無いネーミングだ」
 そう続けて口元を歪めた。
 しかし十条は、
「まあ、シンプル・イズ・ベストとはよく言うがな……」
「で、ボス!ベアーとウルフを投入して、マリオとルイージを攻撃したのはどこのどいつなの?」
 アリスは食い入るように森須に質問した。
「まあ、落ち着きなさい。御多忙の主任理事に御足労頂いた理由が、ここにある」
 森須は右手を前に出してアリスを落ち着かせた後、咳払いした。
「どういうこと!?」
「理由はワシが1番知っとるからじゃ。森須君に頼んで、この席を設けてもらったわけじゃな」
「で、何なの?やっぱり、じー様絡み?」
「いや……。そのベアーとウルフ、ワシの発案じゃからじゃよ」
「What’s?!」
「南里に頼まれて、バージョン・シリーズをもっと別のことに使えんかと考えていてな。自然公園の警備に、機械剥き出しのロボットをそのまま使うのは味気無いので、動物に扮したものを発案した。密猟者達を威嚇して追い出すのに、馬や鹿は役に立たんので、思いついたのが熊と狼じゃったわけじゃな」
 アリスは不信な顔で十条を見た。
「まあ、そんな顔しなさんな。美人が台無しじゃて」
「何で今まで黙ってたの!?」
「いやー、すっかり忘れとってのー!はっはっはっ!」
「危うくテロリストに横取りされるところだったじゃない!」
「う、うむ。キミの優秀なロボット兄弟が殲滅してくれて助かったわい」
「いいのですか、十条先生?あの熊や狼も先生の御作でしょう?」
 森須が意外そうな顔をした。
「いや、元々が実験用の試作機じゃて、本来は処分する予定だったのじゃ」
「……てことは、実験失敗だったわけね。まあ、テロリスト達に牙を剥いていたわけだから、敵味方の区別が付かないっていう欠陥だっただろうけど……」
「それだけではないよ、アリス君」
「What?」
「自分でも、どうやって改造したか忘れてしまったのじゃ」
 ズッコケる森須とアリスだった。
「アンタね、キール作っといて今更……?」
 呆れるアリスだった。
「まあ、この歳になると、最近の記憶よりも昔の記憶の方が鮮明ということかな、うん」
「マリオとルイージが殲滅した数で大丈夫でしょうね?」
「いや、それもあまり……」
 十条は首を傾げた。
「十条先生。マリオ達の話によりますと、姿の消えるインビシブルタイプが存在していたようですが……」
「は?わしゃ知らんぞ、そんなこと」
「またまた……」
「いや、本当の話じゃ。そもそも、姿が消えるタイプを作ってどうしようというのじゃ?」
「そりゃ、敵に姿を悟られないように近づいて……って、それじゃアサシンよね」
「それ、キミのお祖父さんのお家芸ではないのかね?」
 と、森須。
「じー様からは何も聞いてないわ」
「そりゃマズい所は、孫に話さんで墓まで持って行こうとするじゃろう」
「何か、経験者みたいな話し方ね」
「……経験あるのだろうな。お察しください、ということにして差し上げなさい」
「勝手に墓まで持って行った後、何も知らない遺族にケツ拭かせないで欲しいわね」
「今気づいたのじゃが、インビシブルのこと、もしかしたらシンディが知ってるかもしれんぞ?」
「え?」
「シンディはお前さんより年上なのじゃし、じゃから実はお前さんよりウィリーのことは知っているはずじゃ。お前さんには内緒で墓まで持って行くつもりであっても、シンディには話しているかもしれんぞ?」
「ボス!明日、シンディを稼働させるわ!いいでしょ?」
「メモリーは適正化させたのかね?かつてのままだと困る」
「稼働実験にはワシも立ち会おう。悪友の遺品じゃから、当然じゃと思うが……」
「いざとなりましたら、緊急停止をお願いします」
「任せておけ」
 起動実験は終了している。
 その後、殺人兵器ではなく、人類の為のマルチタイプ・ガイノイドとして稼働できるかの実験だ。

[同日16:00.山形県山形市内 ミニライブ会場 敷島孝夫&初音ミク]

「もしもし?……あー、アリスか。どうした?」
 敷島は舞台裏で、アリスからの電話を受けていた。
{「明日、シンディを稼働させるからよろしく」}
「いや、よろしくって……事務職の俺に言うなよ。実験立会いの理事の皆さんには話をしてあるんだろ?」
{「違うわよ。タカオ、昔、初音ミクの稼働実験に協力したんですってね?」}
「ああ。フィールド・テストか。やったよ」
 まだミクがボーカロイドとして稼働する前のことだ。
 ボーカロイドとしての使命を与えられてから敷島のことを知った他のボカロと違い、ミクとはそれ以前からの付き合いというわけである。
 ミクだけが敷島をプロデューサーと呼ばず、名前で呼ぶのはこれが理由である。
「最後にはエミリーに追い回されて大変だったよ」
 敷島が昔のことを思い出して笑みを浮かべると、アリスは、
{「OK.じゃ、やっぱりタカオにお願いするわ」}
「何を?」
{「シンディのフィールドテスト」}
「殺す気か、コラ!」
{「だーいじょーぶだって!今ならエミリーの護衛付き」}
「アホかーい!」
 敷島は怒鳴り声を上げて電話を切った。
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今さら思ったが……。

2014-09-12 02:41:54 | 日記
 現役顕正会員のブログ、“厳虎独白”の更新がまた停止してしまっている。
 その状況に対し、『諸般の事情通』と名乗る匿名者がチクリとした内容のコメントを残しておられる。
 ただ、1つ思ったのだが、確か厳虎さんって、大会の度にいつもそんなスタンスだったのではないか。
 やはり厳虎さんは大幹部の1人で、当然立場上参加したが、立場が立場なだけに、詳細は書けない。
 しかし、参加出来なかったとウソを書くわけにもいかない。
 それで、件の匿名者の書き込みのような感じになっているのではないかと思う。
 ただ一瞬、諸般の事情通氏の書き込みが、厳虎さん本人の『つぶやき』に見えてしまったのだが。
 私のように組長止まりの人間なら、立場など気にせず、自分の主眼で思ったことを書けるのだが、出世してしまうと自分の思った事を言えないのだと思うと、逆に不憫に見えて仕方が無い。
 大会が終了した1週間後くらいには、また何事も無かったかのように更新を再開されるだろうか。

 顕正会員ばかり取り上げても仕方が無い。
 法華講員も取り上げてみよう。
 顕正会員のバーズ氏やパラパラ茜氏から「怪獣クミゴン」と怨嫉を受けておられる坂井久美子さん。
 顕正会員なら、「怨嫉しやがってこの野郎!」とか、「警察に名誉棄損で通報しました」となるところ、華麗にスルーされておられるようだ。
 無論、私もそれが1番だと思っている。
 ヘタにケンカして、こっちまで罪障を積む必要は無い。(←経験者)
 ただ、1つ思ったのが、8月24日に登山に行かれた時の話。
 最初は私のブログと違い、登山の感激が伝わって素晴らしいとか思ったのだが、改めて読み直してみると、さすがは武闘派だなと思われる箇所(つまり穏健派が突っ込める所)がいくつか存在している。
 無論、詳しく突っ込んでしまうと怨嫉になってしまう恐れがあるので詳細は明かさないが、顕正会員が同じ内容の記事を書くと、大変なやり玉に挙げられるだろうという内容だというのに気づいたまでだ。
 「登山」を「大会」や「集会」に、「御開扉」を「浅井先生の御指導」に置き換えれば、何となく見えて来る。
 顕正会員なら許されないことを法華講員だから許される、というのがちょっとコワいなと思った次第だ。
 まあ、何を今さらという感じだけどね。
 利権や特権というのは、そのようにして得る物だということだ。
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