報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

本日の雑感 0908

2014-09-08 19:37:05 | 日記
 顕正会男子部五万人大会が終了して、早2日。
 ウォッチャーさん達のブログを見ると、この大会における浅井会長の発表は、
「2019年度までに200万人達成」
 という下方修正であるという。
 さしもの浅井会長も、数字がデカけりゃいいってもんじゃないということに気づいたらしい。
 浅井会長は自宅から車で楽に来れたようだが、全国から来た会員達は大変だっただろう。
 特に、入場時は結構強い雨が降っていた。
 私はスパイよろしく、内部に潜入……するのはやめて、さっさと帰ることにした。
 さいたま新都心駅は顕正会員達でごった返していたので最悪だ。
 もっとも、さいたまスーパーアリーナは顕正会だけが宗教大会に使用されるのではない。
 エホバの証人なんかも、実は使用したりする。
 彼らは顕正会員と違い、参加証だか名札かを着けて入場するのですぐに分かる。
 昔、何年前だか失念したが、顕正会が船橋アリーナで男子部数千人だかの大会をやった時だ。
 それと同じ日に、エホバがさいたまスーパーアリーナで大会を開催した。
 その際、さいたま新都心駅で彼らと遭遇したが、その数の多さに圧倒された記憶がある。
 因みに、日本国内における信者数は約22万人とのこと。日蓮正宗法華講の半分くらい?……意外だ。
 で、顕正会よりかなり少ない数字だが、実際の活動会員数と比べれば【お察しください】。

 実際に今大会で顕正会員が何人集まったのかは、まだどこのウォッチャーも明らかにしていない。
 私は帰り際、路線バスで彼らの動向を監視した。
 バスの車内からスマホで写真を撮影しようとしたが、衛護隊が目ざとく見つけて睨みつけてきた!
 ちっ!一見、無関係そうな路線バスにまで目を光らせてるとは……最近の衛護隊はやるなぁ。
 ならば今度はタクシーをチャーターして、そこから撮影してやるとしよう!
 だが、昔お世話になっていた第6隊の上長を発見することはできた。
 “けやきひろば”と、スーパーアリーナ1階のエントランスを結ぶ横断歩道がある。
 あの前におられた。
 相も変わらず、お元気のようだ。しばらく、仏罰は来なさそうだ。
 いや、功徳が無いのは私の方だったか。
 私が直接ウォッチングしたのは、これだけ。
 しかし、北与野駅からのルートもあるようで、その周辺も多くの会員が固まっていたようだ。
 これだけ見れば、取りあえず万単位の会員が集まったように見える。
 それでも5万人に1人でも足りないと、鬼の首を取ったかのように騒ぐのがウォッチャーというものだ。
 恐らく顕正新聞にて大会の模様が発表され、それで山門入り口さんなどが検証するはずだ。
 それを待つしかないだろう。
 浅井会長の話については、恐らく大会の模様がDVD化され、頒布されるだろうから、それを購入した誰かがネットにアップするだろう。それを見るしかない。それやってるのも山門入り口さんか?

 因みに武闘派の皆様方は、顕正会員を捕獲街折したのだろうか?
 私がバスの中から撮影しようとしただけで睨んでくるくらい、警戒心が強かったからな。
 街折は難しかっただろう。

 ところでさ……。
「路線バスの中から撮影しようとしてきた怪しいヤツがいました!」
 って、向こうさんの報告で上がってるのかね?
 いや、まあ、確かにスパイの活動と言われればそんな気もするから否定はしないけどさ。
 逆に、彼らに私の行為が撮影された感じはしなかったけど、バスの車内カメラには写ってると思う。
 また、今は路線バスにもドライブレコーダーが搭載されているから、バスの車外カメラにもバッチリ写っていることだろう。
 さすがに、バス会社にスパイでもいなければ、その映像が流出することはまず無いと思うが……。

 え?私のツテで、スーパーアリーナ内の監視カメラ映像は入手できるだろうって?
 いや、警備員には守秘義務がありますのでねぇ……。
 低収入・社会の底辺とはいえ、倫理観は警察官よりも持ち合わせているつもりですのよ。
コメント (8)
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“アンドロイドマスター” 「南里の秘密のアジト」

2014-09-08 17:42:16 | アンドロイドマスターシリーズ
[9月8日19:00.宮城県柴田郡川崎町郊外 林道沿いの廃倉庫 マリオ&ルイージ]

「ココガ目標地点ノヨウデス、アニキ」
「ヨシ。定時連絡ダ」
 2人のバージョン5.0アレンジ機は、昔、南里志郎がマッド・サイエンティスト時代に使用していたという秘密の研究所に到着した。
 ルイージが林道入口で待っている平賀に無線を送る。
「コチらマリオ。只今、目標ポイントに到着」
 しかし、すぐに応答が無かった。
「コチらマリオ。平賀副理事、応答願イマス」
{「アア、コチラSR-771.ジャックだ」}
 何故か平賀達の護衛に付いているセキュリティ・ロボットが応答する。
{「平賀副理事ト平賀主査ハ、只今、財団支部マタハ警察ト交信中ダ。定時連絡デ良イカ?」}
「ソノ通リ。現時点マデニ、何カ新シイ情報ハ?」
{「無イ。施設ニ関スル新情報無シ、テロリストに対スル手掛カリモ無シ。皆無ダ」}
 するとルイージが、
「サテ!コノ新展開、我々ノ出番ダト思イマスケド!?」
 テンション高く、廃倉庫入口の鉄扉の前に向かう。
{「待テ!マダ副理事カラノ突入許可ハ出テイナイ!」}
 セキュリティ・ロボットが制止する。
 しかしマリオも、
「イイカラ任セテオキナッテ。ルイージはコソコソ人ノ後ろヲ付ケ狙ッタリ、探シ回ッタリスルノガ大ノ得意ナンデネ」
「聞コエテルゾ、アニキ!」
「フッ……」
 マリオも鉄扉の前に立つ。
「ソウイエバ、コノ前モ七海チャンノ尻ヲ追ッテ、支部事務所マデ行ッタンダッテ?モウドコノ控室ヲ使用シテイルノカモ知ッテルワケ?」
 するとルイージは、パッと後ろを振り向いた。
「アト1歩ノ所ダッタンデスガ、寸デノ所デ、データ・スクランブルを掛ケラレテシマイ……ッテ、ストーカー扱イハヤメナサイ!」
「自白シタナ。ヨシヨシ。ジャ、吐イテスッキリシタトコロで、突入シヨウ」
 マリオは平賀太一からもらった鍵を使って、鉄扉を開錠した。

 廃屋内に突入する。
 当然ながら中は真っ暗である。
 しかしそこはバージョン・シリーズ。
 暗闇でも暗視カメラで難無く突き進むことができる。……できるのだが、あえてライトを点けて進む。
 実はこの兄弟機の目は、同時に撮影記録もされているので、少しでも鮮明な画像を残す為である。
「何カ出ソウナ雰囲気ダナ……」
 マリオの呟きに、
「シッ!テロリストに気ヅカレテシマイマス。静カニ歩イテ。ナルベク、物音ヲ立テナイヨウニ……」
「オウ」
 各所をスキャンしながら進む兄弟機。
 主にルイージは壁や天井をスキャンしながら進んでいたのだが、それが思わぬハプニングを呼んだ。
「オワッ!?」

 ドンガラガッシャーン!

「何ヤッテンダ、オ前!」
 通路に転がっていた一斗缶に気づかず、躓いて派手に転んだルイージだった。
 幸いその一斗缶が爆発したり、何か液体が漏れ出したということはなかったが……。
 無論、ルイージ自身も転倒くらいで損傷するわけがない。
 すぐに起き上がった。
「物音立てテルナッテ言ッタノ、オ前ダヨナ?」
「カ……カノ、ホメロスでスラ、時ニ居眠リナサルと言イマス……」
「……トニカク、先へ進ムゾ」
 先に進むと、ドアが2つあった。
 どちらも施錠されている。
 1つは緑と赤のランプが点いており、赤いランプが付いていた。
 どうやら所謂マグネット式と呼ばれるヤツで、どこかから遠隔で開錠しなければならない装置のようだ。
 もう1つのドアも赤と緑のランプがあり、こちらも赤いランプが点灯していて施錠されている。
 しかしその下にはスイッチ盤があり、四隅をネジで固定されていた。
 データによれば、この中に暗証番号を入力して鍵を開けるシステムが入っているらしい。
「コチラヲ先ニ開ケタ方ガ良サソウダ。ルイージ、ドライバークレ」
「ハイヨ。……ッテ、アレ?」
「ドウシタ?早ク寄越セ」
「ア……アレ?オ……オカシイナ……」
「オイ。モシカシテ、忘レテ来タンジャナイダロウナ?」
「イ、イヤ、ソンナハズハ……。確カニコノ建物ニ入ル時ニハ、アッタハズ……」
「……ソウイエバオ前、サッキ派手ニ転ンデタヨナ?ソノ時ニ落トシタンジャナイノカ?」
「ア……!」
「二度手間ダナ。マア、探シニ行コウ」

 確かに二度手間である。
 戻ると、さっきの一斗缶が転がっていた。
「オ前ガ転ンダノハ、コノ辺リダッタナ」
「サイデス」
 マリオは一斗缶付近をスキャンした。
 すると、アイテムを発見。
「アッタ!」
 ドライバーを発見した。
「ヤッパリ落トシタンジャナイカ」
「ス、スイマセン……」

 それより気づいたのは、あっちこっちに実弾火薬が落ちていることだ。
 発砲済みの薬莢もあれば、未使用の弾薬もある。
 南里が使用していた時からあったものなのか、それともやはりテロ組織がここを使用しているのかは明らかではない。
 マリオはさっきのドアの所に戻って、ネジを外した。
 中には暗証番号を入力するテンキーが入っていた。
 無論、番号は平賀から聞いて知っている。

 ピーン!
 カチッ。

「ヨシ。開イタゾ」
「ドンナ新展開ガ待ッテイルデショウネ!」
 兄弟機はドアを開けて、中に入った。
 中は制御室があった。
「サッキノ電子ロックト言イ、ドウヤラコノ建物ノ電源ハ生キテイルラシイ」
 マリオは制御室内にある端末を操作した。
 するとさすがにメイン電源は廃屋ということもあって死んでいるが、非常予備電源は生きているようだ。
 しかもその発電機の燃料は意外にも半分以上ある。
「ツイ最近ココヲ使用シテイタ者ガ居る……モシクハ居タトイウノハ濃厚ダナ」
「アニキ。ココデ施設内ノ電子ロックヲ全テ解除デキソウデス」
「スルト、コノ隣ノドアモカ?」
「ハイ。即時、ロックヲ解除シマス」
 ルイージは端末のキーボードを叩いた。
「……ハイ、コレデ基本全テノドアロックガ解除サレマシタ」
「ヨーシ。……ン?施設内ノ監視映像ガ録画サレテルゾ?」
「見テミマショウ」
 ルイージは端末を操作する。
 最初のモニタに映し出されたのは、この建物の外……マリオ達が入ってきた所とは別の出入口。
 どうやら、車寄せみたいな場所があるらしい。
 そこから慌てて出発するトラックがあった。
「コレ!サッキのトラックじャナイカ!?」
 どうやら運転手だけでなく、他に何人かの人間がいたようだが……。
「アレハ!」
 運転手も死んでしまったが、その前にトラックに乗り遅れた人間達は、別の者に殺されていた。
「バージョン4.0デスヨ、アニキ!?」
 マリオ達とは一世代型落ちの同型機である。
「ドウイウコトダ?4.0ガ、テロリスト達ヲ始末シテイル?」
「4.0ハ、テロリスト達ノ仲間デハナイトイウコトデスカ?」
 だが、その4.0も映像に映る人間達を殺した後は自爆した。
 マリオ達が首を傾げていると、映像が変わった。
「今度ハ館内ノ映像デスネ」
 どこかの廊下だった。
 しかし、ここで不可思議現象が映し出されていた。
「!!!」
 誰も何もいないのに、廊下に置かれているラックなどの物が破壊された。
「ポルターガイスト!?」
「シッ、黙ッテ!」
「ルイージ!」
「スグ映像ヲ切リ替エマス!」
 また別の映像に変わった。
 今度はどこかの室内。
 どうやらこの建物、エレベーターが1機あるようだ。
 そのエレベーターから、銃を持った人間が1人慌てて降りて来た。
「オッ、生キ残リ。持チ物ヤ恰好カラシテ、テロリストの可能性高シ。……デ、何ガ起コルンダ」
「ダカラ黙ッテッテ!」
 すると何かの気配を感じたのが、映像のテロリストが銃を室内に向ける。
 が、テーブルが見えない何かによってちゃぶ台返しのようになった後、テロリストは片足を掴まれた。
「オワッ!?」
「何ダ何ダ!?」
「映像越シデハ、スキャン不能!見エナイ何カガ、テロリストを襲ッテイマス!」
 テロリストは片足を掴まれて振り回された後、頭を噛み千切られたか何かした。
「ウワッ、エグっ……!」
「テイウカ、アニキ!今、被害者サン、何カ落トシマシタヨ!ネェ!何カ落トシマシタヨネ!?」
 そう話している間に被害者は、カメラのある天井に叩き付けられた。
 それでカメラは故障し、映像はそこで終わっていた。
「コレハ、衝撃映像ダナ……」
「テレビデモ放送禁止デショウネ……。エグ過ギテ。シカシ今、絶対何カ落トシマシタヨ。何カノ、メモリー媒体ノヨウナ気ガシマス。モシカシタラ、テロ組織の全容解明ニ繋がるカモデス」
「ヨシ。ソレヲ回収シヨウ。アノ映像ノ部屋ヲ探スンダ」
「了解、アニキ」
「シッカシ、アノ見エナイ何カッテノハ何ダッタンダ?」
「ステルス機能付キ……デスカネ?」
「ステルス機能ッテノハ、レーダーデ補足デキナイコトヲ言ウンダ。目ニ見エナイトイウコトジャ無いト思ウゼ」
「スキャンニ掛カレバ、イインデスケドネ」
「トニカク、隣ノ部屋ニ行ッテミヨウ」
「ハイ」

 この兄弟機を待ち受けるものとは、一体何なのだろうか。
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“アンドロイドマスター” 「リベレーションズ」

2014-09-08 13:09:39 | アンドロイドマスターシリーズ
[9月8日18:00.宮城県柴田郡川崎町郊外 林道入口 平賀太一、マリオ、ルイージ]

「こんな時に雨なんて、ツイてないなぁ……」
 国道286号線を走行する1台のワンボックスカー。
 車内にはバージョン5.0アリス・オリジナル・ヴァージョンと銘打った2機のロボットがいた。
 普段はアリスの研究所で雑用係を務めているが、元がテロリズム用ということもあり、実は戦闘力は高い。
「大丈夫デス、副理事。雨クライ、ドウッテコトアリマセン」
 マリオが右手を振った。
「水ノ中デモ、足ノ裏のスクリューでスイスイッテナモンデス」
 ルイージも言う。
「そいつは頼もしい。さー、着いたぞ」
 車が国道から林道への接点に到着する。
 アプローチ部分は舗装されているが、そこから先は未舗装だ。
 ここには既に平賀奈津子も到着していて、林道の入口を財団のセキュリティ・ロボットが2機、見張りをしていた。
「ナツ!」
「やっと来た。遅かったじゃない」
「いや、悪い。山形道が事故で通行止めになっちゃってさ。国道でひたすらだよ。南里先生の隠しアジトに、未調査区域が?」
「そうらしいのよ。元々が廃倉庫を改造した建物だったから、詳細は不明だけどね」
 南里志郎に師事していたこの夫婦。
 南里もまたかつては世界を轟かすマッド・サイエンティストであり、隠しアジトを持っていたことは公然の秘密であった。
 無論、この2人の弟子も存在自体知ってはいた。
 ただ、既に場所は放棄されていることも知っている。
 だから、今まで関心が無かったのである。
 それが急に関心を持ったのは、敷島達が例の廃ホテル地下の秘密研究所で見た、あの映像。
 チェス盤がテーブルの下に引っ込むという仕掛けを、この2人の弟子は知っていた。
 それが、南里の隠しアジトにあったことも……。
 危険なので、今回はマリオとルイージに出動してもらった次第。
「ああ、2人とも」
 平賀太一は2機の兄弟ロボットを呼んだ。
「ここから先は2人だけで行ってもらう。これが入口の鍵だ。中には対侵入者用の色々な仕掛けが施されているが、それの対応法はお前達のメモリーにインストールしておいた。それでも危険と判断された場合は、すぐに戻ってきてくれ」
「了解シマシタ!」

 

 マリオは平賀太一から、隠しアジト入口の鍵を受け取った。
「それと、組織名は不明だが、謎のテロ組織もウィリーや南里先生の遺産・遺品を狙ってるらしい。多分ここは大丈夫だと思うが、万が一のこともあるから、それも注意してくれ」
「了解デス!」

[同日18:30.同町内の林道 マリオ&ルイージ]

 1車線の幅しか無く、しかも未舗装の砂利道を進むバージョン5.0アレンジ版の兄弟。
 傘が無いと厳しいくらい降りしきる雨の中、目標に向かって突き進む。
「ダイブ暗クナッタナ……」
「このホラーチックな展開、我々ノ出番デスヨ、アニキ!」
 赤い塗装のマリオ、緑の塗装がルイージである。
「ホラーって、オ前ナァ……」
 しかしこの2人、エミリーとはまた違う機械チックな喋り方ではあるが、他のバージョン・シリーズよりもセリフが多い。
 なるべく喋る機能を付加したくなったウィリーに対し、この部分もアリスのアレンジした所なのだ。
 林道入口から30分ほど小走りに進んだ時だった。
「目標マデ、アト300メートルですヨ!アニキ……」
「待テ!何カ来ル!」
 林道の向こうから、向かって来るものがあった。
 それは1台のトラック。
 コンビニ配送もしくは引っ越し屋のトラックのサイズだったが、今にも路肩からはみ出そうなくらいだ。
 車線目いっぱい使って突き進むそのトラックは、林道を行き来する、材木を積んだトラックなどではなかった。
 それこそ、コンビニや引っ越しに使うようなタイプのトラックで、しかも……。
「アッ!?」
 ハンドル操作を誤ったわけではなさそうだ。
 トラックは急なカーブを、そこがまるで直線道路と誤認したかのようにそのまま路肩を飛び出し、谷底に転落していった。
「マジっスカ!?」
「落チタ……ヨ?」
{「どうした、2人とも?」}
 平賀から無線が飛んできた。
「副理事、大変デス!林道ノ向コウカラ来たトラックが、タッタ今、路肩ヲ飛ビ出シテ、谷ニ転落シマシタ!」
{「なに!?この時間、林業関係者の作業は無いはずだ。地元の営林局にも確認したぞ」}
「デスガ、本当デス!」
{「仕方が無い。一旦、アジトへの調査は中断。生存者の救助に当たれ」}
「了解シマシタ!」
 兄弟はトラックが転落した谷へ向かった。
 谷といっても、道から何十メートルも離れているわけではない。
 せいぜい10メートルってところか。
 しかし、トラックはあまり原型を留めていなかった。
「アニキ、コレ生存者イマスカネ?」
「トニカク、遺体ダケデモ回収シテダナ……」
 2人の兄弟機はキャブの運転席のドアをこじ開けた。
「オット!」
 開けると、血まみれの運転手が飛び降りて来た。
 自らの意思で飛び出てきたのではなく、トラックの傾き具合のせいで勝手に落ちて来たといった方が正解だ。
「脈無シ、意識無シ、呼吸無シ……。死ンデイマス。南無……」
 ドンッ!ドンドンッ!
「!!!」
 トラックのコンテナの中から、明らかに何か意識のある者が、内側から観音扉を叩く音がした。
「スキャンを……」
 ルイージがコンテナの中をスキャンしようとした時だった。

 バンッ!(内側からコンテナのドアがこじ開けられた)

「ウウウ……!」
「何ダ、コイツは!?」
 ヒグマと狼を足して2で割ったような姿の猛獣が、そのトラックには3匹積まれていた。
「ガアアアッ!」
「ウオオオッ!」
「アオォォォォン!!」
「撃テ、ルイージ!何かヤバそうダ!」
「了解!」
 兄弟機は間合いを取り、右手に装備された火器を取り出した。
 マリオはマシンガン、ルイージはショットガンだ。
 折しも雨は強さを増し、雷が周囲に轟いていた。

 テロ・ロボットとして設計された兄弟機にとっては、例え相手が熊数匹でも敵ではなかった。
 が、ただの猛獣ではなかった。
 倒された猛獣は爆発したからだ。
 爆発といっても、爆弾が爆発したようなものではなく、例えば車が事故に遭った時、漏れた燃料に引火して……みたいな爆発だ。
 猛獣が爆発?
「アニキ、コイツラ、生物反応がアリマセン!」
「ロボットか?」
 そこへ、また平賀から無線が飛んできた。
{「2人とも、聞いてくれ。事故の件は警察に一報した。だけども、この大雨と場所柄、すぐには出動できないそうだ。お前達はそのまま調査を続行してくれ」}
「了解!」
{「林業関係者しか本来出入りしない道路だ。恐らくはそのトラック、南里先生のアジトから来たものだろう。もしかすると、本当に今、テロ組織がそこを押さえてるのかもしれない。十分気をつけろよ」}
 兄弟機は豪雨の中をもろともせず、林道を突き進んだ。
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