Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

権限の大移動         石原信雄(かんき出版)

2007年05月20日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 

 竹下総理から村山総理まで、7つの内閣において事務方の頂点で采配を振るった元内務省出身官僚が示す国家権力の変遷と将来像。
 学校崩壊から行政改革まで、対応に迫られる組織のあり方を俎上に載せ、鮮やかに捌いている感がある。

 

○学校崩壊:誰も動こうとしない
 ・校長、文部省、委員会、県市:指示待ち
○「権限規定」の削除:「裁量行政」の源 → 拡大解釈 → 明文化
○国債:元金を60年で償還→ 1.5%/年
○地方債:元金を平均15年で償還 → 景気回復 → 歳出を見直し → 負担金値上げ等
○人事管理:ピラミッド型 → 複線型管理へ
○ジェラルド・カーチス教授:「政治や政治家はその国民の反映であり、政治家が国民より優れていたり劣っていたりすることはない」
○アメリカ:議会の中に常任委員会を設置・専門スタッフ・公聴会→省庁を議会がコントロール
○55年体制:話し合いの下で、双方合意の上で役割を演じていた
○日本では「不作為の罪」はない:何もしなければ責任は発生しない
○信じられないことをするのが人間であり、構造的にできないようにするのが対処の仕方
○ニュージーランドの行政改革:1984年ロンギ労働党政権(41歳)
○省庁統廃合と公務員削減:
 ・運輸省4500人→60人へ、政策決定機関へ
 ・通産省、建設省、エネルギー省、郵政省-廃止へ
○政府関係全体:8800人 → 34500人へ
○農業への補助金、優遇策廃止→離農者1%、職員数6000人→1/3へ
○95年:GDP3%の財政黒字
○行政改革大綱:公務員制度の改革、行政評価システムの導入、地方分権、規制改革

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