Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

オバマ語録    ライザ・ロガック著   中島早苗訳(アスペクト)

2008年05月19日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 米国民主党の大統領候補指名を争う予備選挙で、ヒラリー・クリントンと激しい争いを演じているバラク・オバマ候補。どちらが選ばれても、史上初の「女性」あるいは「黒人」大統領誕生の夢が拡がるわけである。
 話題性とアメリカン・ドリームの「勢い」のみで、共和党との本選挙に勝利できるとは思えないが、「リセット」を期待するのは、「他国事」だからであろうか・・・

○アメリカ軍の段階的撤退を始めるのは正しいことです。イラクの人々に彼らの国については彼らに責任があり、どのように共存するかを決めるのは、彼らだと伝えるときがきたと思います
○政府がくだすことができる決断で、この国の若者を戦争に送るという決断以上に重大なものはありません
○国家安全保障の観点から言うと、実行可能な最高の方策はたとえばイラクの核拡散問題ならば、石油価格を1バレル25ドルに戻すことなのです。それが状況を変え、中東の原理主義者たちの衝動を抑える唯一かつ最高の方法です
○人からこう言われるのが望みです。「彼は完璧ではないが、自分のミスをいさぎよく認めるし、できるだけ早く直そうとする」と
○ふつうの人たちが夢みる方法を忘れたのではありません。指導者たちが忘れたのです
○この国は今なお地球上で最も偉大な国です。軍隊の規模や経済の規模からではありません。すべての子供が夢をかなえることができるからです

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新版 活動期に入った日本列島     尾池和夫(岩波書店)

2008年05月11日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 ここ数日、列島両端で震度4クラスの地震が頻発している。日本列島はその成り立ち、ひいては地球という天体自体のダイナミズムからしても、重い十字架を背負わされている。
 近年発生した巨大地震の教訓は、その後国内で活かされているのか検証すべきであろう。また、東南アジアや中米諸国との連携、すなわち技術や情報収集・分析、研究等において大いにイニシアティブを発揮する責務があるといっては、不遜だろか・・・

○地震:岩盤の中に破壊が発生して、破壊面が急激に成長することによって起こる
○地球表面:十数枚のプレート 
 → 水平方向に移動する(数~数十戦地㌢/年)
○地表に見える活断層は、短くてもマグニチュード7クラスの地震を起こす傷跡
 → 活断層で起こるマグニチュード5~6の地震は、7以上の地震の予兆か余震
○地震による災害:①構造物の被害、②構造物の破壊、③地盤の崩壊、④地盤の液状化、⑤津波
○兵庫県南部地震(1995):日本中の人がテレビで災害のありさまを見ているから、当の被災した人たちは何が起こっているのか、悪いことかわからなかったという現象

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食糧テロリズム      ヴァンダナ・シヴァ(明石書店)

2008年05月10日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 「テロリズム」では、仕掛ける側と仕掛けられる側が対峙し、事後処理的に真因の所在を他者に擦り付け、自らの正当性を主張する構造が見え隠れする。食糧の偏在は、富の集中と相関しており、南北対立の主因と目されているようだが、本書にある状況では果たしてどちら側が仕掛けているのだろうか・・・
 ただ、児を持つ親の心情としては、一日も早く、餓死する子どもが一人もいない世界になって欲しいと、切に願うばかりである・・・

○多品種栽培が5単位のインプットで100単位の食糧を生産できるのに対して、工業的システムでは同じ100単位を生産するのに300単位のインプットを必要とする
○イーシャ-ウパニシャッド:自らの膨れ続ける必要を満足させるために自然の資源を過剰に使う利己的な者は盗人以外の何者でもない
○植物各種の油脂含有率:ココヤシの実75%、落花生55%、ゴマ50%、ヒマの実56%、ニガーシード40%、 → 大豆18% 種子から流通、加工まで権力の集中と結びつく
○牛は無意味に崇拝されているのではない。牛たちは土壌を豊かにする作業の太古からの担い手であり、自然の偉大な土地改良者であって有機物質を供給しそれが堆肥となって最も重要な栄養物質になる
○民族抹殺(ジェノサイト)の経済学において、その多くは白人男性である北側エリートたちは、階級制、人種別、性別の境界を作り上げ、生命と安全にかかわる基本的人権から他の社会集団を排除しているのである
○GATT11条によれば、輸出入に対する如何なる規約もたとえそのような制約が文化的、生態学的、経済的理由によって必要だとしても、違法なのである

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土壌・地下水汚染の実態とその対策       日本地盤環境浄化推進協議会(オーム社)

2008年05月01日 | 本と雑誌

Hitorigaten

 人間が化石燃料を大量に利用し始めてから、およそ100年。地球環境は時代とともに等比級数的に悪化し続けており、元米国副大統領が「不都合な真実」を発表するに到っている。
 「公害」を世界語にした不名誉な実績を持つ「豊葦原瑞穂國」は、実は食糧と環境問題を通じて、国際社会に対して人道的・平和的な貢献ができる可能性を秘めていると強く感じる次第(失敗学の功績か・・・)

○四大公害訴訟:四日市ぜん息、水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病
 → 大気や水の改善(1970 公害国会)
○渡良瀬川流域:1880 足尾鉱毒事件、1958 7,000ha 水田汚染、1972 銅特定有害物質
○神通川流域:1920 1,370ha 銅・亜鉛汚染、1922 イタイイタイ病発生 1968 カドニウム米
○土呂久地区:1920 砒素中毒、1975 農用地土壌汚染防止法で砒素を指定
○地下水:地盤沈下の原因、地下水質は不問
○1970:農用地の土壌の汚染防止等に関する法律 → 66地域 6,260ha
○1993:地下水汚染防止条例(秦野市)罰則付
○1998:土壌汚染防止条例(市川市)罰則付
○概況調査:1,0002 に1地点(5点法)
○土壌環境基準:土壌(g)の10倍量の水で溶出
○企業リスク:①浄化・修復責任、②損害賠償責任、③資産価値の低下、瑕疵担保責任、④社会的信用や事業への影響
○リスクマネジメント:①社内における実行体制の整備、②早期発見・修復の実施、③情報開示
○ISO14001/環境JIS:計画(環境側面)
 ①Emission to air
  ②Releases to water
  ③Waste management
  ④Contamination of land
 ⑤Use of raw materials and natural resources

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