Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

道理に生きる                中坊公平(PHP研究社)

2008年01月28日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 地に落ちた名声を取り戻すべく立ち上がったが、断念した住宅金融債権管理機構の元社長。
 この人の原点はこの一冊に託されており、私心を捨てて「正義」のために汗水垂らしてきたと推察できるのだが、時代と社会が彼を切って捨てたのか・・・
("I shall return."確かに聞こえていたが‥)

○「いったいいままで何をしてきたのか」:慚愧と悔恨の念を込めて「遅すぎた青春」44歳
○「保身に走らず、私心を捨てよ」
○森永ヒ素ミルク中毒事件:被害者12,000人、乳質安定剤「第2リン酸ソーダ」
○「おかあ、まんま、あほう」:悲しいことば
○四大公害訴訟:①新潟水俣病公害(S42.6)、②四日市公害喘息(S42.9)、③イタイイタイ病(S43.3)、④熊本水俣病(S44.6)、
○公害対策基本法:昭和42年制定
○財団法人「ひかり協会」:永久的は救済制度
○物事は、能書きや筋書きだけでは動かない。現場に何度も足を運び、そこで五感を総動員して初めて本質はつかめるものだ
○「14年目の訪問」:大阪府立堺養護学校の1教師-「神様が舞い降りた」
○困難な仕事をやりぬくには、コツがある:①徹底してやる、②先に一撃、③手段を尽くす、④強気を崩さない、⑤ねばり強くやる
○「恒産無きものは恒心無し」:自分の足元を固めておけ
○理念に基づかずに着手した仕事は、最終的に歴史の批判に堪えられない
○闘いに勝つコツは、押したら退いて、相手が自然に前に倒れるようにすることである
○決断に迷うことは数知れないが、立ち止まるのは最悪の選択である
○ディスクローズこそ弱者の最強の武器なのである:事を公にして、世に信を問う
○泣きごとを並べても、世の中は何も変わらない。人任せでなく、まず自ら死に物狂いで行動を起こして初めてとてつもなく高い壁は乗り越えられる
○「けじめ」をつければ闘いは終わる:未来への希望へと転換することができる
○上が10cmずれたら下は1mもずれる:リーダーは自己抑制できる人間
○立場を越えて、誰もがパブリック(公)を意識しなければ社会というものは成り立たない
○裁判の本質は「納得」。人を納得へ導くためには、司法は国民の心と離れてはならない
○正義は必ずしも法知識の埒内にあるのではない。法を越えた道理こそが正義なのだ。人としての道理に従って物事を考え、行動することに素人も玄人もない

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リクルートのDNA          江副浩正(角川書店)

2008年01月14日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 捕らえどころのない「情報」を「商品」として無から有を生み出し、新たなビジネスモデルを創出したリクルート。その伝説の創業者が淡々と語る内容からは、不思議なことに、がさつ(粗野)だが「エクセレントカンパニー」の香りが漂ってくる・・

○経営の三原則:①社会への貢献、②個人の尊重、③商業的合理性の追求
○自ら機会を作り出し、機会によって自らを変えよ
○教えることを通じて人は学ぶ
○部下の失敗から学ぶことが多いことを知っておくべきである
○大学の成績や学歴は関係がない。ただし、その人の知識とスキルは成否の重要な鍵
○創業時の私には旺盛な起業家精神はなかった。お金と自由が欲しいと思っただけ
○社員と社外の人と一緒に仕事をすることがリクルートのDNA
○機械にできることは極力機械に。社員は人間にしかできないことをすべき
○掲載企業が採用したい学科別一覧をマトリックスにして載せた!!
○ドラッカー:PC制(プロフィットセンター)
 →会社のなかに小さな会社 →権限委譲
○叱るケース:①数字をごまかした時、②業績が上がらない時 → 翌日までにレポート提出、達成動機が高いことを要求
○急ぐ仕事は忙しくしている人の頼む方がいい
○起業はボトムアップ、撤退はトップダウン
○安比の成功は、安比で働くスキー好きの若い人たちが「ここは俺たちが作った」と思っているからだ
○天野勝文:「広告もニュースだ」
○起業家が経営者である企業は伝統的な企業よりしたたかである

 

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統率術           谷沢永一(潮出版社)

2008年01月06日 | 本と雑誌
Hitrigaten

 「人が二人以上集まればコミュニケーション力が求められ、多数集まれば統率力が求められる」と何処かで聞いたような・・・。
 統率力も最後はスキルではなく、実は「人間力」が試されるのでしょう、きっと・・・

○徒然草:しやせまし、せずやあらましと思うことは、おうやうは、せぬはよきなり
○エマソン:愚痴は如何に高尚な内容でも、また如何なる理由があっても決して役に立たない
○ワシントン:中傷誹謗に対する最善の返答、それは黙々と自己の義務を守ることである
○公私を混交して自分がいなければ仕事が困るような秘密主義で仕事を私することも、矢張り封建時代の遺風である
○自尊心を絶対に傷つけることのないよう、心配り怠らぬ細やかな心遣いである
○西堀栄三郎(南極越冬隊):①創造的計画者、~④暖かい愛情を持って説得、~⑥結果を高く売り込む人
○ゲーテ:涙とともにパンを食べた経験のある者でなければ人生の味は分からない
○苦労するより苦労しない方がよいのだが、運悪くはまった場合は死ぬ気で戦う
○花伝書:観客席から演者自信の演技を見るように心を遣え(これを「性根」)
○クラウゼヴィッツ(独軍人):知力を持って真相を見通すとともに、勇気と自信をもって不確実性を征服
○君子の道は淡にして厭われず、簡にして文、温にして理。遠きの近きを知り、風の自るを知り、微の顕かなるを知れば、子に徳に入る可し
○君子の発言は簡明であって、その表現言語に人の心を捉える味わいがある。
○それに教養があるからがさつな物言いを避け、聞いていて気分が暖かみ落ち着く効果がある

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裁判官だってしゃべりたい   日本裁判官ネットワーク(日本評論社)

2008年01月01日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 今後実施される裁判員制度では、人の生死に係る判断を直接求められものであり、片手間で引き受けてもよいか難しいところである。
 本業として裁判に携わっている「裁判官」の本音が記された本書は、劇画「家栽の人」とは違った意味で裁判に興味が涌いた次第・・・

○日本人は「ごめんなさい」と謝罪し、あるいは反省すれば、責任からのがれることができる、少なくとも刑罰が軽くなると考えがちである
○三ヶ月章(東大名誉教授):法の支配とは行政官の支配ではなく、法曹による支配なのだ。だから、司法界に人材が集まらないと日本は遅かれ早かれ行き詰まる
○経済人:競争にたじろがない。スピードが早い
○IT裁判所の可能性:北米支部、ドイツ支部-24時間サービス
○法と現実との乖離を前にして、身を引き裂くような葛藤をおこさない人 →「良心」は作られるもの
○規制緩和 → 弱肉強食の無法社会にならないためには、迅速適正な司法判断が不可欠であり、そのためには司法制度の強化拡充とともに、社会性豊かでしかも毅然たる裁判官の存在が不可欠である
○「こんな裁判官もいるんですよ」:たとえ間違えるとしても、刑が重い方に間違えるよりは軽い方に間違える方がよいだろう
○法律だけで裁判するなら、機械に任せた方がもっと正確かも知れないよ
○人間が人間を裁くには、人間らしくないとね。遊びすぎた、飲み過ぎたと後悔したり、人と会っていろいろなことをしゃべったりそんな事も大切だと思わないかい?
○もし自分が裁判を受けるとするなら、コチコチの真面目裁判官の裁判を受けたいかい?

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