Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

好きなことだけやればいい  中村修二(バジリコ)

2009年10月25日 | 本と雑誌

Hitorigaten

 青色発光ダイオード発明者、200億円特許裁判原告、UCサンタバーバラ校教授等、「工学系技術者中高年の星」の約5年前の役どころか…
 いずれも、スーパー研究者のみに与えられる名誉・称号の類であり、市井の(些)技師(≠詐欺師)では決して登壇できない晴れ舞台のはずだが、釈然としなかったのは何故なんだろう…
(怪傑ハリマオの唄が、聞こえなかったのか…)

○研究開発という仕事は、会社全体のことや目的などを理解していないとつまらない
○入社したころ感じた会社が潰れてしまうのではないかという危機感が大きなモチベーション
○自覚と自信、見識を持った社員が、自分で判断したことなら堂々と会社や上司に逆らうべき
○政治でも行政でも同じこと、相手がよく見えないと理解し合えないし、対等でないと共感など生まれない
○問題解決のためには、必死でとことん考えることが大切、関連した資料や論文を読むことも重要だが、それも要点だけしっかり頭のどこかに入れておかなければ活用できない
○どん底まで落ち込み、孤独の中で集中していると思わぬヒントを得ることができる
○自分が何をどれだけやってきたのかがハッキリわかるから、人と比べるまでもなく絶対的な自信が生まれるのだ
○職務上の発明である職務発明と違い、自由発明なら、著作権法によって発明者に完全な権利が保証されている
○日本の特許法によれば、たとえ従業員による職務発明だとしても特許権はまだ発明者にある
○日米の特許についての解釈:日本-先申請主義、米国-先発明主義
○米国:アイディアをノートに書き付け、年月日をわかるようにしておく →特許申請にかかる費用は当面いらない →実験ノートにびっしり書き込む →最後に教授のサイン

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うるさい日本の私、それから  中島義道(洋泉社)

2009年10月17日 | 本と雑誌

Hitorigaten

 大家族から核家族へ、さらに独居世帯が急増する中、旧来の生活習慣や近所付き合い等は、死語となるのだろうか…
 地縁・血縁・義理人情等、多くの「しがらみ」に雁字搦め、息も絶え絶えの日常生活を送ってきたロートルとしては、徹底した「個人主義」に憧れるものの、極端なナイーヴさには若干の疑問を覚えたものである。
 しかし「音」とは別だが、所謂環境への配慮という点で、街の光「イルミネーション」に関しては、違和感を持った次第…
(ベルリン滞在数週間は、静謐な都市の暗闇を満喫できたものだったが…)

○個人的体験から出て、個人的体験から養分を得て、個人的体験といつもつながって、しかも普遍的な問題を示したいと願っている
○今さら「黒人としての誇りをもて」と言われても、自分たちの目には白人の肉体と白人の所有するすべてのものが美しく価値あるものに「見えてしまう」。そして、自分たちに属するすべて無価値に見えてしまう。「そう見えてしまう」ことに抵抗できない(「遠い夜明け」)
○苦しみのうらにある滑稽さ
○集団行為は原理的に醜いから、原理的に不正だから、原理的に悪だからである
○「苦しんでいる」と言いながら行動しない人々
○不特定多数が集合する街では、あかの他人には何もしないのがいちばんの得策
○観念的な季節感 →権力によって認可された観念的自然感によってつくられてゆく
○日本人の感受性が向かう「自然」とは、定型的、観念的自然 →人工的自然 →与えられた「文化空間」から発せられるおびただしいサインも疑問を覚えない

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日本国に大統領が誕生する日       日高義樹(集英社)

2009年10月05日 | 本と雑誌

Hitorigaten

 米国では、政治におけるすべての、あるいは最高の権力を委ねる者を、国挙げての「入れ札」で選びだす、しかも最長8年間の期限付きで…
 巷間囁かれる「天皇制」との関連を棚上げすると、高度情報化社会(!?)、ユビキタスの到来が間近な近未来では、著者の予想どおりその制度導入が現実味を帯びてくるような…
('09政変を遙かに超える天変地異orコペ転か?)

○二つの予想(アメリカ):①21世紀地球的な大恐慌-日本・中国の壊滅、②ハイテク+テレコミュニケーションの新しい時代
○ムーディーズの不安:①企業内年金85兆円-投資の失敗、②不動産評価2,400兆円
○日本経済の復興:①50年代-朝鮮戦争特需,②60年代-ベトナム戦争特需,③70年代-石油ショック特需,④80年代-レーガン特需,⑤90年代-ハイテク特需
○ゴールドスミス市長(インディアナポリス市):民間と競争入札(警察と消防を除いて全ての仕事が民営化の対象)-職員2,500 →1,400人へ
○レーガン大統領:「決めたことはどこまでも変えないで行う。いつも指導者は明るい顔をしているべき。部下の首を自分で切らない」
○マーガレットサッチャーの挑戦:労働組合つぶし-既得権益と社会福祉、フォークランド戦争と北海油田発見
○天皇クラブ-菊の御紋章クラブ →プライベート
○世界の他の国々:変革の必要に迫られた時、誰も昔を振り返らない
○アメリカの意図:①尺度の変更、②アメリカの尺度の強要、③キリスト教的な思い込み
○憲法第九条:ジャスティンウィリアムズ中佐、GHQ法務課長チャールズブラウン中佐
○GHQとCIAの軋轢:朝鮮戦争前後から激化
○ヘルムートシュミット元独首相:「多くの人々を説得して自分の意見を受け入れさせる」、「カリスマ性ではなく勇気である」
○ローマの教訓:「平和を維持するための最良の道は、戦争に備えることである」

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