Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

地動説を疑う 野口悠紀雄(ダイヤモンド社)

2013年06月06日 | 本と雑誌
Hitorigaten
 コペルニクス(1473-1543 ポーランド)が体系化し提唱した「地動説」。今では万人が認めるコモンセンスで、疑う余地のないもののはず…
 それに異を唱える本書の題名は正に秀逸、思わず手を伸ばしてしまう。
 今読み返してみても「!」、「?」の付箋を多くの段落に付けてしまう程、野口先生の論点は明確でありエバーグリーン…

○おぼしきこといわぬははらふくるるわざなれば(兼好法師)
○情報化時代に必要なのは、必要なものを自ら求める主体的な選択姿勢だ。不必要と判断した情報は、こちらから遮断する
○テレビは「一分間メディア」である。説明に一分以上要する内容は言えない
○分数の演算ルールは理解できなくてもよい。覚えて使えればよい
○仕事に誇りを持てず、給与を得るための単なる義務になってしまう-最小の努力で終わりにしたい →責任感も薄れる。ましてや事態を改善するための積極的な努力など望むべくもない○作業規則やルールをどの程度厳格に守るかは、その職場の「空気」のようなものだ
○優秀な労働力が低コストで得られれば、そこに仕事が流れるのは、経済原則からいって当然
○正規雇用からの離脱が、積極的な選択の結果なのか、それともやむを得ぬ結果なのか
○日本で必要なのは、先進的で専門的な仕事をする新しいタイプの自営業
○農業生産に関しては、日本は比較劣位にあるだけでなく絶対劣勢にある
○組織の存続は絶対的前提として疑わず、組織内部における保身と栄達だけを考える
○危機に直面して指導者はさっさと逃げ出し、踏みとどまって最後まで戦うのは、最前線の現場。どうやらわれわれが住む国の本質は。ここにあるらしい

コメント
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