Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

民主主義が一度もなかった国・日本  宮台真司 福山哲郎(幻冬舎新書)

2019年01月31日 | 
Hitorigaten

 「戦後政治(日本外交)の総決算」や「戦後レジームからの脱却」等は、歴代の為政者が異口同音に唱えてきた政治信条あるいは呪縛からの解放を願った言霊だったのだろうか…
 それ以前の豊葦原瑞穂国は、彼らにとっては理想郷(アルカディア)でありつづけているのだろうか…
 未来へは、背中から飛び込むため「来し方」を凝視できるのであるのなら、本書で喝破している「自民党は農村政党」と「米国の核の傘」は、未来永劫、大和人を縛り続けるのだろうか、またまた眠れない夜が続く…


○欧州:保守-仏革命「市民の自由」を懐疑、リベラル-国家を懐疑し市民を称揚
○米国:保守-独立革命「市民の自由を護持」、リベラル-市場を懐疑し国家を称揚
○「任せる政治」は17世紀以降の江戸幕府の治世の成功に由来
○官僚行政は統制が当たり前。これら縦割りになった互いに無関連な省庁を、どの省庁にも帰属しない大目的の下、どの省庁からも無関連な政治家が使いこなす、それが本義
○小室直樹:広義の「事情変更の原則」が効かない二つの領域-憲法、条約→外交約束
○農政のスタンスや、年次改革要望書スキームを含めて国内政治のあらゆる枠組みが米国の「核の傘」を前提としている現実
○これからの民主党外交:事実性を意識的に利用すること
○社会システム理論-恣意的でない境界設定など原理的に一つもない
○言わなくても当てにできる自明性がある場合、自明性には必ず蓋然の境界線があって、それは指摘するものでなくて利用するもの
○ルース・ベネディクト「菊と刀」:日本には罪の文化がなく恥の文化がある
○柳田國男:日本には血縁主義や主民宗教や階級分化がないけど、国土への愛着がある
○「便利で豊かな町へ引っ越そう」と誘うのでなく、「この町を便利で豊かにしよう」
○「統合」も尊厳を与えますが、「自己信頼」も尊厳を与え、後者のほうが強力です
コメント
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