Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

フラット化組織の管理と心理    横田絵理(慶応義塾大学出版会)

2007年03月26日 | 本と雑誌
Hitorigaten
 「ピラミッドからフラット」への荒波が押し寄せてから久しく季節が流れ、「年功序列」が幻想と化し、「団塊世代」がいよいよ表舞台から降壇しようとしている。
 組織の機能と求められる「人財」とは何か?再確認する時期になってきた

 

○Drucker(HBR)1988:「オーケストラのような組織の提案」
○電子メールは日本の会社を変える(インテルジャパン西岡社長)
○情報を縦積みのピラミッド型組織から横のやりとりを重視するフラット化組織へ → 組織の構造が変わるという問題でなく、仕事の仕方が異なる
○内発的動機付け(intrinsic motivation)
○外発的動機付け(extrinsic motivation)
○情報特性:
 ①インフォメーショナル特性-行動や意志決定を行うとき、協力的にサポートしてくれる情報
 ②コントロ-リング特性-ある特定の方法で行動や感情、思考に対し圧力をかける情報
○日本の人事システム:①職務の柔軟性、②労働市場の内部化と内部指向性、③組織的・人的資源の平等配分
○フラット化の意味:①昇進・昇格のチャンスが少なくなる-動機付け誘因が減る、②非公式的習慣がなくなる、③コスト軽減
○「人の三井」といわれているように、当社は良くも悪くも平等主義である → やる気がある人は資格も給与もあがる仕組みをつくろう
○「人事は経理の傘下に落ちてしまったのか、と今の状況をみて私は渇を入れたい」
○組織フラット化の目的:
 ①マネージャーの自律性・主体性に期待
 ②現場の迅速な意志決定
 ③トップへの情報伝達の迅速化

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私には夢がある   M・L・キング説教・講演集                   クレイボーンカーソン他(新教出版社)

2007年03月18日 | 本と雑誌
Hitorigaten
 この表題の言葉に、一体どれくらいの人々が勇気づけられ行動を起こしてきたことか。
 差別・飢餓・貧困・病気等絶望の淵を這いずり回る黒人達へのメッセージであるが、無気力・無感動に苛まれるとき、決まって「くちずさむ」フレーズである

○彼の雄弁は、暴力無き心理の力を通して新しい正義の状態を作り出そうとするもの
○特権階級は、強力な抵抗なしにその権力を放棄することは決してしない
○隔離する人間に誤った優越感を与え、隔離される人間に劣等感を与えてきた
○斬新主義というものは、逃避主義や何もしない主義にほかならず、結局無行動主義に終わる
○必ず新しい日はやってくるのだ、と信じて帰って行きたいと思う。だから今日の午後、私には夢がある
○南部再建期に関しては、南部貴族階級は世界を取り、貧しい白人には黒人差別を与えたのである →黒人よりはましだと告げる
○正義のために積極的な行動を起こすことこそ、共産主義に対する最大の防御である
○現状への安逸への満足、共産主義へのいわれなき恐怖、不正義に順応してしまう傾向などのために近代世界の革命精神を生み出した西側諸国が、今や反革命の根拠地になり下がっているのは悲しいことだ
○アーノルド・トインビー:歴史とは、憎悪という自己破壊的な道を歩いて止まらない国家や、個人が残した残骸が散らばっているところなのだ
○人類の状況を改善し、知識を拡げ、力を増し、文字を豊かにし、思考を高めるような労働は、生活の資を稼ぐために残されるものではない

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一気にわかる!デフレ危機        猪瀬直樹(PHP研究所)

2007年03月11日 | 本と雑誌
Hitorigaten
 道路関係四公団民営化推進委員会委員や政府税制調査会委員として名を馳せている著者の、「民に任せよ!」という意志が感じられる一冊。
 「情報公開」という「錦の御旗」に、今後果たして「官」はひれ伏すのか、はたまた・・・

 

○短期市場金利を低く誘導 → 金融機関の貸出金利低下→貸出量増加
  → マネーサプライ伸びる
○フォーグッズインデックス(4つの利益):「環境」、「人権」、「社会貢献」、「株主への説明」
○何のために予算を執行するのかというストーリーが描けていないから全く意味がない予算しかつけられない
○究極の政府依存型モラルハザード国家:郵貯等 → 全て国の借金につけ変える!!
○将来のシナリオ:ビジョンを持たない政府 → リスクを取ろうとする経営者は現れない
○60年代通産省による「産業再編」 → 「本田技研」は存在しなかった!
○経済政策の4つのポイント:①不良債権処理、②景気回復、③財政再建、④長期成長率
○最先端の意識を持っている人々の意見を経営全体に反映させるような組織づくりが急務
○政策的な公共性は、必ずしも利潤とは結びつかず、赤字企業が出てくるのは当然だが、政策的な公共性でかかるコストの部分と民営化で利潤が出る部分の会計処理をきちんと行う
○構造改革:民営化か廃止か → 独立行政法人への移行は×
○日本官僚システムの問題は、優秀な官僚を省益の護持に走らせてしまう制度
○失業保険給付:日本180日、独32ヶ月、仏60ヶ月、米国12ヶ月
○日本の失業制度:「失業は恥である」 モラル
○失業者へのフォロー:失業保険 3兆円 → 数倍にする→不良債権より安い!
○企業システム:情報共有型 → 上から下まで全てがゼネラリスト

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人にはどれほどの土地がいるか     谷野 陽(農林統計協会)

2007年03月07日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 未来に対する「絶望的な予測」が発表され続けている現在、「生命の糧」から見た地球の容量がいかほどのものなのか?議論の大本に戻ってドグマを確認したいものである。
 いずれにしても、人間の生物学的サイズは、「座って半畳寝て一畳」と言われておりますが・・・

 

○食物連鎖:独立栄養生物、従属栄養生物
○植物生産量:1,630億㌧(陸地1,073億㌧うち森林695億㌧ 農耕地91億㌧、海洋557億㌧)
○人口密度:
 ・狩猟-5K㎡/人
 ・初期農耕-0.5ha/人
 ・焼畑-12.5ha/人
○日本の人口密度
 ・7世紀 500万人(646年:班田収授制度)
 ・10世紀 600万人
  ・16世紀 1,100万人(1582年:太閤検地)
  ・18世紀 2,900万人(1716年:享保の改革)
○マルサス人口論:人口等比級数、食糧等差級数
○「成長の限界」(ローマクラブ):1972年
○「来るべき宇宙船地球号の経済学」:1968年
○世界穀物生産量:約20億㌧ → 340Kg/人/年 → 2,700㌍/日 → 57億人
○ウルグァイラウンド:輸入数量制限廃止 → 関税化
 ・輸入価格=国際価格=国内価格/(1+関税率)
○年間CO2放出量:米国5.3㌧、独3.0㌧、英国2.7㌧、日本2.4㌧、中国0.6㌧、印度0.2㌧
○一人あたり農地面積:日本401㎡、仏3,375㎡、伊1,949㎡、独1,476㎡、英1,022㎡
○葉面積:土地面積の4倍程度の表面積が最も 効率的
○日本型食生活:独特の食習慣と経済社会の発展段階に対応
○サロー:生産性(スイス)、消費水準(中国)、人類平等性(スウェーデン)、社会規律(日本)

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