Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

東京都主税局の戦い            石原慎太郎(財界研究所)

2008年03月26日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 四百億円の追加出資を含めた経営改善方策など、何かと物議を醸し出している「新銀行東京」。
 豊富な財源を誇り、透徹したリアリストである石原知事が、あたかも「ブラフを嚼ますギャンブラー」に堕した本当の意味は何だったのだろう・・・

○都庁は5万3千人(警察、教員除く)
○入るときは一流、係長は二流、課長は三流
○「お前ら、これで死ね。骨は知事が拾ってくれる。俺も死ぬから。」
○秘密裏に作業は進めたが、都幹部には発表前に了解を求め、記者会見が終わると間髪を入れず都議会に訴えるという石原のしたたかさ
○2000年2月23日 定例都議会知事施政方針演説
○シャウプ勧告:事業及び労働者が、その地方に存在するために必要となってくる都道府県の施策の経費の支払いが法人事業税
○平成12年度「地方財政計画」
 ・歳出:88.9兆円
 ・歳入:地方税35.1兆円、地方交付税21.4兆円、国庫支出金13.0兆円、地方債11.1兆円
○時代認識を持つべきなのは政治家だから。文明論も理念もない人が政治家になってもしょうがない
○あらゆる課題において、まず、我々が他力本願の姿勢から脱却する必要がある
○政治家には、ある種のゲーム感覚が必要とされる
○局地戦があり、それを束ねた戦術があり、さらに大きな戦略がありというように三つの要素を勘案
○ロマンロラン:「物事を決めるときは悲観的に、いざやるときは楽観的に」
○石原信雄:政策的な補正を減らせば、交付税全体の額も減らせ簡略化できる。基本は、交付税を縮小し、代わりに地方税を強化すればいい

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食べものは、商品じゃない              竹内直一(七つ森書館)

2008年03月14日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 「食べものは商品じゃない」-この表題が全てを暗示していると言っては、過言だろうか・・
 地球環境、人口、政治、経済、人文、科学等あらゆる分野で最終的なドグマとして、無視したいが避けて通れぬ、喉に刺さった魚骨のように人を苦しめる厄介な二つの代物、「エネルギー」&「食べもの」・・

○人口爆発:2025年85億人、2050年100億人
○北(先進国):人口1 穀物消費1
○南(途上国):人口3 穀物消費1
○水田面積:1,480万t(コメ) → 1,000万t(減反)
○英国:1840年代「穀物自由化論争」 → 第二次大戦30% → 現在120%
○食糧備蓄(政策備蓄):韓国4ヶ月、フィンランド2年、スイス・スウェーデン1年
○1954:日米相互防衛援助協定-小麦無償配給
○1961:農業基本法-構造政策、選択的拡大、他産業なみ所得
○1970:総合農政-生産調整(30~50万ha減反)
○食品産業:20兆円産業 → 自動車以上
○市場制度改革→中央卸売市場、荷受業者:生産者、消費者とも被害者
○日本人だけが持ちうるものといったら何だ? → 1億1,000万人の能力ある人間!
○全ての人にとって絶対不可欠な食べものは、市場原理を超越した生命財
○森林面積:日本0.2ha/人 → 世界平均の1/4
○消費者運動の哲学:消費者主権論 → 「静かな革命」
○ラルフ・ネーダー:雇い主より社会への忠誠を
○日本の消費者が変われば日本が変わる! → 日本が変わればアジア太平洋が変わる!
○民主党(カーター):家族農場、共和党:穀物メジャー
○自国民の食い扶持は自国内で賄うことこそ、国際的な責務である

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本当に憲法改正まで行くつもりですか?                        山口二郎、福島みずほ、倉田真由美   

2008年03月05日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 旧社会党に想いを馳せる学者、政治家、エッセイストが語るアイロニーと言っては過言か。
 国という大きな塊を、どのようにかたちづくるか、また将来どのような道を歩ませるか、といったビジョンを示せないのは、本鼎談の目的が違うから致し方ないとしても、別の形で聞きたいものである(でも、やはり無理か・・・)

○あの人はおじいさんと父親(安部晋太郎元外相)のことしか頭にないんですよ
○岸信介はデモ隊を鎮圧するために自衛隊を出動させようとしたんですね
○赤城宗徳(防衛庁長官)がそんなことをしたら日本は内戦状態というか大変なことになると、その要請を断ったという経緯がある
○ファシズムというのか格差縮小だった → ファシズム以下
○ナチス党:国家社会主義労働者党
○「助ける命」と「助けない命」
○「救う命」と「救わない命」
○もっとみんな、ある意味わがままになって、自分にとって損か徳かをよく考えた上で、賛成か反対かを判断しましょう
○「テロ」を許容する社会の怖さ-メディアのリンチ
○小泉純一郎:何憚ることなく欲望を追い求めることが許され、さらには賞賛される世の中をつくり出した
○規制緩和だの「官から民へ」だのといったスローガンは、金儲けは正しいという剥き出しの本性を少し婉曲に云ったものにすぎない
○アウシュビッツスローガン:「労働は人を自由にする」
 → 子供と年配者はガス室送りになり、免れた者は死ぬほど働かされる
 → 同性愛者を迫害し、障害者を虐殺した

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ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法     福田和也(PHP研究所)

2008年03月01日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 気鋭の評論家が著した、悪魔の仕事術入門書か。言説を生業とする教育者あるいはサービス業者にとっての情報収集や瞑想、並びに体調管理や知的散策等は、トップアスリートや武道家の生活習慣に通じるものがあると感じる次第。
 PCやインターネット活用後に著した続編も、必見もの・・・

○探して集めて、読んでまとめて分析するということの困難 → 戦争にたとえれば、前線での戦闘と後衛での補給
○難しい本の読み方:①議論の前提が分からない、②言葉、概念が分からない、③論理の筋道が分からない
○何が自分にとって必要なのか分かっていなければなりません、ついでそれが何処にあるのかも、とらえていなければならない
○現場をへないで書くのは資料整理の結果ですが、現場を見て書くのは自分としての表現
○正岡子規:「理想」が月並み平凡であり、「写生」は多様多彩である
○「理想」は一見現実の拘束を受けない自由を楽しんでいるように見えて、実は既成のイメージなりパターンに強く拘束されているのだと。
○書くための認識について:①書く文章の構造、②自分が何を書くと言うこと
○小林秀雄:段落の中での飛躍が多い-省略
○江藤淳:本当にこの飛躍が巧み-スピード感
○「花の美しさなどというものはない。美しい花があるだけだ」→ 美の抽象的な概念などというものではなく、個々の事物に即してしか立ち現れない
○一度結末まで来てからだと、見通しがずっとすっきりしてくる
○プロとアマチュアの違い:ありていに云えば、その書き手の原稿があれば一冊の目次が成り立つというような

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