Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

クライシス・コミュニケーションが見る見るわかる                    東京商工会議所編(サンマーク出版)

2007年01月28日 | 本と雑誌
Hitorigaten
 老舗洋菓子店や鳥インフルエンザの発生など、またぞろ人間の健康や安全を脅かす事案の発生が相次いでいる。もう一度、供給側における危機管理の重要性を検証したい気分にされる今日この頃である

 

○人は起こしたことで非難されるのではなく、起こしたことにどう対応したかによって非難される
○予知に対するセンサー能力を敏感にしておくこと:営業、クレーム窓口、広報担当者
 ①大した問題にならない → 大変なことになる
 ②何とかなる → どうにもならない
 ③よくあること → あってはならないこと
○緊急記者会見の対応
 ①真っ先に伝えるべき事は、謝罪の意思
 ②原因究明に取り組む姿勢を明確に表す
 ③再発防止策を具体的なシステムや組織で示す
 違法性がないにせよ社会的な責任を感じている
○電話取材に対する回答(タライ回しはしない、話を良く聞くことが基本中の基本)
  → 即答は避け、「こちらから折り返し回答します」と伝え、連絡先を聞いておく
○風評被害に負けないために
 ①誤報、風評リスクに対する確認事項
 ②社内対応:社員の不安、動揺を回避
 ③影響の把握と原因究明
○情報開示の不足と誤解 → 「明らかな誤報」、「見解の相違」
○経営トップの危機管理意識が最も重要
○最悪を想定して、日頃から二次的な危機を回避する準備に取り組むシステムづくり
 ①平常時の危機管理:シミュレーション、危機管理マニュアル作成等
 ②緊急時の危機管理:対策本部の設置・運営、対応策の立案等
 ③収束時の危機管理:イメージアップ、モラルアップ、キャンペーン展開

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オヤジの知恵      早坂茂三(集英社)

2007年01月10日 | 本と雑誌
Hitorigaten
 「コンピューター付きブルドーザー」を陰から支えた敏腕秘書が語る、「賢者の美学」と言えないだろうか。角栄待望論が、国政選挙の度に繰り返されるのは、訳があったと気付く一冊

○先行き何があろうとも空は落ちてこない、山より大きな猪は出てこない。お互いは唇に歌を持ち前進を続けたい
○若者は、無名で失うものがなく、そのエネルギーは山をも砕く。だから未来は若者のものだ
○みんなの前で褒める、二人きりの時に叱れ
○心せよ、惻隠の情。これをなくすな、なければすぐにでも用意せよ
○学問と教養だけは、オカネで買えないですねあるだけの自分を出すよりしようがない
○損して得取れ、手柄は先輩や同僚に譲れ
○国民が働く場所を用意して、三度のメシを食べてもらう、外国と喧嘩せず、島国で豊かに穏やかに暮らしてもらう-これが政治である
○英国紳士のモットー:勇敢であれ、楽天家であれ、ムキになるな
○嘘をつくな、すぐばれる
○気の利いたことを言おうとするな、後が続かない
○田舎者をバカにするな、後で必ずシッペ返しされる
○屁理屈をこねる前に、職場で陰ひなたなく、能力のギリギリまで仕事を真剣に取り組むこと
○指導者の条件:洞察力、決断力、実行力、情熱、人脈、情報量、専門知識、経験、気配り
○渡辺美智雄:「火事は最初の五分間、選挙は最後の五分間」
○日本は本当の話、民主国家ではない。その本質は官主国家である
○感動、興味、工夫、健康、恋:カキクケコ
○末ついに海となるべき山水もしばし木の葉の下くぐるなり

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時間をほどく        小栗康平(朝日新聞社)

2007年01月01日 | 本と雑誌
Hitorigaten
 「泥の河」を初めて見たのはいつのことだったろうか?田村高廣が演じる手品のシーンが妙に印象に残っている。
 子どもの目線から捉えた映像が新鮮であり、その後の監督の「立ち位置」は既に確立されていた、と強く感じる次第

○まだ社会化されていない時間、いのちの時間といいたいような、ふくよかで融通無碍な、とらえどころがない全体性へと戻りたいのだ
○助監督は他のパートの助手さんと違って何の技術ももたない。(中略)にもかかわらず、なぜ現場を右だ左だということができるのか。それは、人間そのものの魅力、人間の力量でしかない
○死者は、生者にとって最も意味のあるときを選んで死んでいく
○「映像」のためのテキスト:①「映像」は作られたものである ②言葉と映像の違い ③映像をかたちづくる三つの要素 サイズ、アングル、モンタージュ
○画像には痛みがない、他人事である、抜け落ちてしまったものがいっぱいある
○折り合いがつかずなにごとも受け入れまいとひりひりするようにして過ごしていた若いとき
○吉田喜重:手つかずの時間としての未来と、手遅れの時間でしかない過去によってのみ、かろうじて人生は語られるものであれば(中略)この現在という時間は(中略)ついに語ることができず
○セルゲイ・エイゼンシュテイン:モンタージュ理論-物語という時間から外れなければ、空間はどのように変えてもいいのだ
○経費の削減をいうのであれば、中央の省庁をこそ小さくすべきで、税の権限委譲もしないまま、蛇口の先を絞るのは本末転倒
○もともと、世界は隙間だらけなのだ。森に風が渡るように個別と個別とは離れている。それで気持ちがいいはずだ

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