Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

日本への遺言    後藤田正晴(毎日新聞社)

2008年07月20日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 戦前・戦後の混乱期を高級官僚として生き抜き、高度経済成長後は政治家として政府与党の副総裁まで登り詰めた、「カミソリ後藤田」。
 平成も20年経過し、政治や経済が深く混迷している現在、「この人が生きていれば、どんな手を打ったか」、「せめて、この人には相談したかった」と多くの政治家や官僚が心の中でつぶやいているに違いない・・・

○アメリカとの付き合い
 戦後60年振り返ってごらんなさいよ。アメリカぐらいね、戦争している、あるいは海外派遣している国はありませんよ。-省略- 毎年平和だって言ってどっかで戦っている。これにね、いつまでもあんたお付き合いできますか?
○郵政改革
 今の「官」から「民」へという時にね、私はぜひ言いたいのは、一体「官」が担当しなければならないですね、境界点はどこまでだ、それから、利潤というものを美徳としておる「民」が引き受けることができる限界はどこだと。そこの分界線を明示しないまま、「官から民へ」は少し乱暴だと。-省略- 議論でもう少し、そこの定義をしてもらいたい。そうでないからこそ、現在イラクで何が起きていますか。軍事会社じゃないですか、株式会社がですね、大変な高い値段で戦の一部を引き受けてやっている。戦なんてのは、これは国の役割ですよ。それが民間会社になっている、こんなべらぼうな話があるわけがない。
○平和主義
 戦後60年の間ですね、日本のこの自衛隊によってですね、他国の人間を殺したことないですよ。それからまた他国の軍隊によって日本人が殺されたこともない。先進国でこんな国はね、日本だけですよ。これは本当にね、誇るべきことだと思う。まさに平和主義のいいとこなんですよ。-以下略-

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京様式経営 モジュール化戦略   末松千尋(日経新聞社)

2008年07月10日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 地球環境の悪化に対する恐怖心を払拭すべく立ち上がったG8「洞爺湖サミット」… しかし巷間、将来への不安と閉塞感が溢れており、一人ひとりが next one を探しあぐねているような…
 物質的に行き詰まったときは、精神的な安寧を求めるのが常ならば、正にその時が今であるのだろうか…

○ロバートメトカーフ:ネットワークの効果は、参加するユーザー数の二乗に比例して大きくなる
○業務プロセスを明示せず、暗黙知や習慣に依存したり、複雑化させる傾向
○オープンソースの定義:①再配布の自由、②ソースコード公開の義務、③ソフトウェア変更の自由、④再配布ソフトウェアのライセンス継承義務
○工場の6S:整理,整頓,清潔,清掃,作法,しつけ
○カリスマが通用するのは小学校1クラズで。それ以上は階層が必要
○FM京都のコンセプト:おしゃれな知性
○情報システムというツールは、それを使う人間の能力以上に機能することはありえない
○資本主義の大衆化が進んでおり、従業員は資本家でもあり、経営者でもある時代
○日本の「オーバークオリティ現象」と「高コスト体質」
○MIT:2004から順次無条件で教育資本公開
○ネットワークが追求する三要素:①資源共有、②機能分散、③負荷分散
○モジュール:様々な機能を提供する個別要素
○シリコンバレーの思考的支柱:プラグ&プレー
 →構造をシンプルにして全体の発展につながるようとするモジュール&インターフェース思考
○共通のプラットフォーム上では、特殊性、差異性が無ければ生き残れない
○「日本らしさ」:深いところに存在する素晴らしさ →大乗仏教、般若心経「色即是空」
○「無我」:全てがかかわり合って生きている →オープン水平分業

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オシムの言葉   木村元彦(集英社インターナショナル)

2008年07月01日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 '08オリンピックイヤーは、またサッカーW杯の最終予選の年でもあり、サッカーフリークは代表チームの動向に目が釘付けのようである。
 しかし、僅かな時間を遡れば、オシムという名伯楽が伝統国に対抗できるように、「蹴球維新」を達成してくれそうな気配が漂っていたことを、忘れてはいけない。('70年代JSL日立製作所、高橋英辰監督の「走るサッカー」、'74W杯オランダ代表、リヌス・ミケルス監督の「Total Football」を彷彿したのだが…)

○言葉は極めて重要だ。そして銃器のように危険でもある。このメディアは正しい質問をしているのか、ジェフを応援しているのか、そうでないのか。新聞記者は戦争を始めることができる。意図を持てば、世の中を危険な方向に導けるのだから。ユーゴの戦争だって、そこから始まった部分がある。
○システムが選手を作るんじゃなくて、選手がシステムを作っていくべきだと考えている。
○モチベーションを上げるのに大事だと思っているのは、選手が自分たちで物事を考えようとするのを助けてやることだ。
○DFは集中できずに、ピッチで寝ているのなら、ホテルに帰って寝ていてくれ!それくらい集中して目を覚ましてやっていかないと今日の試合は難しい。我々は、磐田まで遠足に来たわけではない。もし負けるようなことがあっても、自分たちのできることをすることで、我々のプレーを見せよう。やることをやってもし負けるのなら、胸を張って帰れるはずだ。
○攻撃的ないいサッカーをしようとする、それはいい家を建てようとする意味。ただ、それを壊すのは簡単です。戦術的なファウルをしたり、引いて守ったりして、相手のいいプレーをブチ壊せばいい。作る上げる、つまり攻めることは難しい。でもね、作り上げることのほうがいい人生でしょう、そう思いませんか?

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