Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

痛憤の時代を書く 鎌田慧(アストラ)

2011年06月10日 | 本と雑誌

Hitorigaten

 福島第一原発事故の主因は、天災か、人災か。いずれジャッジメントは、降るのだろうが…
 事態の収束に見通しが立たず、何時までも心の中に抜けない「黒い棘」が刺さったまま…
 初期段階からメルトダウンが判明していたにも拘わらず、パニック回避という美名の元、情報操作を繰り返していたのか…
 本書の表題の如く、正に「痛憤の時」なのだ!

○藤田省三:命取りの「安楽主義」 →いまの安楽を失いたくないからだ
○国益にたいしては人権を、報国にたいしては共生を対置したい
○教養とは知識の多さのことではなく、人間にたいする思いのふかさのことだ
○日本病:「三カンの欠如」①責任感、②正義感、③倫理観
○原子力三原則:①公開、②自主、③民主←→①権力、②金力、③虚言力
○証拠開示:検察庁にある証拠を法廷に開陳
○希望をもつのはわるくない。あきらめたら、すべてそこで終わりになるからだ
○イラク攻撃と狭山事件:双方とも国家がマスメディアを利用して国民に浸透
○差別とピンハネを強化する工場への人材派遣は解禁され、首切りがモラルとされ、失業保険の給付は下げられる
○夫婦ふたりが満期になっても、アパート代さえ支払えないような生活保護費以下の「国民年金」は国の恥である
○結果として労働者は、自分の熟練を形成する機会を失い、取り換え可能な部品のような労働者になってしまいました
○「疎外された労働」:職場の連帯感の分断(社会学的視点)
○単純作業ではなく、視野の広さと高い技術を要する仕事が、労働者のプライドを生み、そのプライドがさらにたしかな技術を形成していく

コメント
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