Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

幕末士伝 中居屋炎上   祖父江一郎(集英社)

2024年02月10日 | 
Hitorigaten

 今の職場にお世話になってから手にした、幕末から維新にかけて胎動した養蚕に関わる社会・経済の動き、開国と絹製品等の輸出に関する資料には息を飲む思いでした。
 特に、横浜開港、銅御殿(中居屋重兵衛)に思いを馳せると、未だベールに包まれているものの、歴史の新たな頁を切り開いた壮大なドラマが脳裏を駆け巡ります。多くの上州人が刻苦勉励した物語が浮かんできます。
 そう、もう少し関係資料を紐解き続けよう…


○半原村は御料地(天領)だった時分には暮らすのがやっとの貧乏村
→養蚕と出稼ぎ大工でなんとか暮らせた
→尊徳先生が取り入れた八丁
→村中の女が撚る
→何もないから大工の腕と八丁と結びついて思わぬ場所に生糸の産地が誕生
○徳川幕府草創期の武士に比べて昨今の武士が志操を失って堕落したのは、世襲制によって形式ばかり受け継いで内面の精神が衰えたためだというのが粂女の主張するところであった
○これからは商人の時代です。商人がお武家方と相携えて国を救い、国の新しい仕組みを造る時代がやってくるのです。しかし、私は利のみを求めるつもりはありません。利をもって利とせず、義を持って利とすべし…我が国を外国と対等な国家に生まれ変わらせるべく高い志操を持った商人の時代を築くつもりです
→蛟龍もいよいよ天に昇るときを迎えましたか
○川越藩が育て上げた前橋提糸は、御尊藩のみならず我が国にとってはまたとない切り札的な商品となりましょう ~水はただだからといってあたかも水車が最高の動力と錯覚していたら前橋はダッカの二の舞になってしまう
○しかし、生糸がこちらの言い値で売れる内はフランスの養蚕地が微粒子病に侵されている十年間ほどの間のことだ
○猪や鹿を撃つときは、獣たちが前足をあげる一瞬を狙えと教わりました。それが柔術の投げの間合いにも通じましょう。
○アメリカ人に率直に条件を突きつけて相手を説得できる人間を尊敬します
○どこで見上げても空は変わらない 空の涯ばかり見極められない 涯があるのかないのかも解き明かせない そうとかわっていても解き明かそうとするのが人間だ~わからないながらも見通しを誤らない人間がどれだけいるかで、世の中の値打ちが決まる
○雨と風ふたつに分かる柳かな
○悠久、天は程遠く、天寿悠久ならざりし…死生有命というが、鞠躬尽瘁ともいう
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