Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

ホワイトハウスの記憶速読術      斎藤英治(ふたばらいふ新書)

2009年06月25日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 

 ホワイトハウスの主が交替し、世界中が変革・対話路線のボスの一挙手一投足から目が離せず、固唾を呑んで見守っている現在・・・
 2001年出版の記憶術と速読に関するマニュアル本のダイジェスト版と考えれば、重宝な一冊と言えるのだろうが、二冊目は、"no, thank you" か・・・
(薄っぺらな耳学問は、ケガの元というが・・)

○記憶力を向上させる5つの習慣
 ①外部からのストレスをうまく制御し、心の 安定集中をはかる
 ②強い目的意識や動機
 ③リハーサル
 ④栄養に気をつける:良質の蛋白
 ⑤右脳でイメージ化する
○記憶力が良い:①記名、②記憶保持、③想起
○読者が把握すべきなのは、文章の一語一語の解釈ではなく、筆者が著そうとする意味を掴む
○大宅壮一氏:「新しい材料と、発想の新しいところだけ読めばいいんだ」
○スキミング:全体的な印象を得ること
○スキャニング:ある特定の言葉や事実や数字の発見を目的
○プレビュー法:①表紙、書名、著者名、経歴等
②前書き(後書き)、③目次、④チャート、図表、イラスト等、⑤索引等
○28(ニッパチ)の法則:ランキング上位2割が売上高の8割 →上位2割を重点的に管理育成する

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後藤田正晴と十二人の総理たち    佐々淳行(文藝春秋)

2009年06月15日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 人口1億2,000万人、GDP550兆円を誇るZipanguは、何故借金まみれの「非正規大国」に堕したのか。「その国の指導者は、その国民の民度を示す鏡である」とすれば、この国におけるここ何代かの総理大臣の言動は、もの悲しくもある・・・
 選挙を間近に控えた現在、議院内閣制を憂うるより、未来を指向する自らの一歩を踏み出したいものである、信頼するに足る将と共に・・・

○弔電・献花・弔問・香典を一切辞退し、「日中友好会館」での記帳受付のみ
○いらん、君はまちがっているよ。警官が警官を守ってどうする?
○公共の秩序維持と人命尊重の二律背反を防ぐ「汝殺スナカレ」の理想に貫かれた「日本の機動隊」は、台北と北京という相容れぬ政治体制を持つ二つの都に移植され根づいた
○危機管理の本質は、アメリカのプラグマティスト哲学者ウィリアム・ジェームスの「宗教的経験の諸相」の一節に語り尽くされている
○何か重大なことが起きたとき、ひとは皆誰かがこのことについて何かしなければならないと考える。だがなぜ私がと自問する。ごく少数の人はなぜ私がやらなくていいのかと自問する。この二つの自問自答の間に人類の道徳的進化の過程が横たわっている。
○どうしてこうも日本の知識人は危機管理感覚が鈍く、「認識」と「価値判断」が混同され、危機管理オピニオン・リーダーの層が薄いのだろうと将来を憂いていた
○役人を三十年もやっていれば、どこを通せばどうよくなるか、通さないとどんな結果になるかをようく知っているのに、誰も何もできない
○国会答弁要領:衆議院-アメフト、参議院-ピンポン
○転覆した日本を懸命に復元させようとする後藤田世代と、昭和一桁の少年たちはそういう共通の目的があったのだ

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メディア・リテラシーの現場から  小中陽太郎(風媒社)

2009年06月06日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 情報媒体の形態や機能は紙ベースから携帯端末に至るまで、等比級数的な技術革新を遂げている。かつてSF小説や漫画雑誌等の中に出ていたテクノロジーやサービスが、目の前に「手頃な商品」として突如として出現する21世紀。
 瞬時に世界中に配信されるコンテンツの信憑性は、如何ほどのモノか?
 確認する術を、我々は本当に持ち得るのだろうか?またまた、眠れぬ夜が続きそうな・・・

○私たちが英文を読むのが遅いのは、アルファベットを1文字ずつ追うからで、ベルグソンではないが、母国語人は塊で読む
○テレビは「虚構」である。番組は構成されたものである。という考えは、意味論の「地図は現地ではない」という命題とともに強く心に残る
○「・・・必ず原典に当たり、確認せよ。一つの事実は、必ず二人のニュースソースから確認しろ」と、何度も言われた
○世論操作:①事実を歪めて嘘をつくこと、②権力にとって都合のよい部分だけを公表し、都合の悪い部分は伏せること、③最も効果的なときを狙って公表すること
○マスコミの報道が、政治の課題を追求することより政局を追いかけることに熱心になっている、という矛盾した報道姿勢
○テレビ:興味の同時性、関心の同時性
○「フランス人は文法を習ったわけではないが、経験の積み重ねが文法となったのである。日本人には、その経験がない」:森有正
○メディア・リテラシーとは:水中の屈折率を教えるようなものではないか
○文法が遺伝子に組み込まれているとしても、ものの価値判断、文化的意味付けは、後天的なものであろう。そうなれば、メディアのコードを読み解くときに世界史を学び、人権意識を学び、美の意識をマスターしない限り一歩も進まないことになる

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