Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

福澤諭吉    西部邁(文藝春秋)

2007年12月30日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 明治維新や第二次大戦敗戦と比較される、混沌とした社会情勢への処方箋を福澤諭吉に求めるのは、自然の成り行きなのだろうか。
 筆者の「福澤先生」に対する畏敬の念あるいは「憧れ」、はたまた「羨望」が感じられるのは、読み込みが浅いか・・・。

○境界人・マージナルマン:「葛藤せる諸要素の平衡」を洞察する精神
○正直と怜悧は人の美徳なれど、頑愚と軽薄とは常に之に伴うべき弊害なり
○山本常朝「葉隠」:「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」、「人間一生誠にわずかの事なり。好いた事をして暮らすべきなり」、人間はよく「からくった人形」
○規則は悪を止めるためのものなりといえども、~之を作りて善人を保護せんがためなり
○智識に長じた士族は、地方政治を指導するに当たって中央と地方の関係や、国権と民権の関係を公益と私益の関係を推考するであろう
○「人にして人を毛嫌ひするなかれ」
○政治家は病に当て治療に力を用ひ、学者は平生の摂生法を授る者の如し
○およそ大事と云うは、二三箇ならではあるまじく候。これは平生に詮議して見れば知れていることなり。これを前もって思案し置きて大事の時取り出して軽くすることと思はるるなり
○「国家の気品」、「国家の安寧」、「国民の学問」からなるトリニティ
○「良識の人」、「平衡の人」、「総合の人」は熱狂を避けることにおいて、いいかえれば節度を守ることにおいて、静かに熱狂しているのだ
○国民国家をそれぞれの「固有の文明」は自国民にとって守るに面白く、他国民にとって示されるに面白いものだからである → グローバリゼーションは断じてありえない

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ウィニング 勝利の経営     ジャック・ウェルチ(日本経済新聞社)

2007年12月16日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 GE社の最高経営責任者として、20年間にわたって君臨し、「20世紀最高の経営者」と賞賛された立志伝中の人物が記した、経営哲学書か。リタイア後、世界各地への講演旅行での質疑応答が盛り込まれており、資本主義経済における悩みは、万国共通を実感するものであるが、「わが経営」と較べて、緊張感が伝わってこないのは、致し方ないことか・・・

○ミッションは方向性を正確に示し、、バリューはその目的に到達するために取るべき行動
○率直さを引き出すためには、報酬を与え、褒め、語り続けることだ
○トップ20%、ミドル70%、ボトム10%(人の選別)
○あなたがリーダーであれば、全てのことに質問するのがあなたの仕事だ
○優れたリーダーとは、自分が一番バカな人間に見えてしまうような優秀な人たちをチームメンバーとして集める勇気を持つ人だ!
○目標達成度は定量的な基準、期待される行動を取ったかどうかは定性的な基準
○よい人材は、自分が最高レベルに達したとは絶対に思わない、いつももっと上に上がろうと必死の努力をする
○戦略なんて限られた資源をどう割り振りするか、それだけのことだ!
○新規事業はいつもガレージから始まる必要はない。何か新しいことを始めるおもしろさスリルは何物にも代え難い
○事業運営の効率改善、生産性の向上、コスト削減に関して、シックスシグマの力に勝るものはない
○家庭内業務手順マニュアル:いざというときの計画を立てて、やりくりしている
○ここでは週6日働くのは、ごく普通のことですよ:中国にあるアメリカの多国籍企業
○ビジネスは人そのものである。重要なのは人、それだけだ

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もう、国には頼らない              渡邊美樹(日経BP社)

2007年12月07日 | 本と雑誌
Hitorigaten

  ご存じワタミの社長が熱く語る人生哲学。
居酒屋、学校、病院、老人介護施設運営を通じて解き明かす、「人間教育」の重要性や難度、素晴らしさ、あるいは「経営」、「サービス」の真髄か・・・。

○「官」に無くて「民」にあるものは、それは「経営」です
○あらゆる仕事は人が自分を成長させるまさしく「教育の場」なのです
○「官」がやるべき仕事は、枠組みをつくり、国民に成り代わって市場に不公正がないか監視すること、そして社会全体を見渡して不幸な人ができないようなセーフティーネットを設けることでしょう
○市場メカニズムに乗せて、お客様本意で商品やサービスを選べるようにすれば、お客様は最善の選択をします。結果、お客様は幸せになり、各分野のサービス水準も上がり、サービスの担い手たちも幸せになるはずです
○ビジネスというものは、価格帯を飛躍的に下げると、そこに全く別の世界、新しい業態、サービスが現れます
○「介護型」に対する「自立型」の老人ホーム
○信頼できる第三者に介護を委ねること
○「官」が守っているのが、日本の「農業」ではなく、日本の「農協」や「農家」
○環境対策が経済活動を上回ることはあり得ないのです
○真に環境を守りたければ、私たちは経済活動を止めるしかない
○環境対策にこだわる理由として、「教育者としての後ろめたさ」をなくしたい
○地球の大いなる営みを、どう邪魔しないようにするかが人間の存在意義だ
○経営というものは、「できないことをできるようにすること」だと信じています

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