Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

早い者が勝つ経済       竹中平蔵(PHP研究所)

2006年11月24日 | 本と雑誌
Hitorigaten
 「失われた10年」を取り戻すため、日本の構造改革に断固取り組むとして開幕した「小泉劇場」。
 その理論的バックボーンとなっていた竹中平蔵教授が著した一冊。嵐の5年間を振り返ってみるとき、参考となるものである。

○「デファクト・スタンダード」:早く販売を始め市場を席巻したものが世界標準へ
○東アジアの奇跡:①適切なマクロ経済政策、②初等-中等教育への充分な投資、③効率的安全な金融政策、④適切な農業政策の実施
○GDP1単位当たりエネルギー量:OECD100、日本62.2、中国990
○地域経済総合5ステップ:①自由貿易地域、②関税同盟、③共同市場、④経済同盟、⑤完全経済同盟
○96年10月:総選挙・橋本内閣-行政改革(米価決定、税制、公共事業)→ 株価、為替市場の低迷
○日本経済の構造調整:①市場構造、②労働構造、③財政金融、④行政システム
○政治の三バカ介入:①整備新幹線、②六兆円のGU農業対策、③住専への公的資金導入
○行政改革:①事前介入から事後チェック、②業界を通した行政介入、③ルールに基づく行政
○国際競争力:輸送機械、電気機械、一次金属、化学 → GDP20%
○個人資産1,200兆円 → 運用利回り1%UP → 12兆円の利益!
○1986英国のビックバン:「国際化」、「機関化」 → 米国の圧力
○80年代米国の景気回復:生産増加 → 雇用増 → 所得増 → 消費増
○近年米国の景気回復:金利低下-設備投資増
○中国の7つのリスク:①社会主義市場経済、②農村停滞、③国営企業不振、④金融制度、⑤諸侯経済-地方分権、⑥人口構成-一人子政策、⑦エネルギー問題

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農業は人類の原罪である       コリンタッジ(新潮社)

2006年11月11日 | 本と雑誌

Hitorigaten
 刺激的な表題に、思わず手にしてしまった一冊である。「人は生きるために、生き物の生命を奪う」だから食事の前には手を合わせて「いただきます」子どもたちに伝えるべき躾である。

○農耕の始まり:1万年前に中東→新石器革命
○狩猟・採取民:バラエティに富んだ食べ物
○農耕民:ほんの数種類のおきまりの作物
○「原農耕民」:4万年前(旧石器時代後期)                                                                                         ①園芸(庭いじり)
  ②耕作:耕す → 挿し木
 ③牧畜
○カイン(菜食)とアベル(肉食):創世記四章二節
○農耕民と牧畜民は、どの時代にも利害が対立
○Homo属:200万年前→Homosapiens:10万年前 バスの列に紛れても全く違和感ない
○大型動物を絶滅に追い込んだのは人間
○クロマニョン人:原農業 → ネアンテルダール人:狩猟
○新石器革命:ある特定の場所で長期にわたる大規模な農業の始まり                          → 都市の発達と文明
○最後の氷河期:1万年前
○決定的な出来事:海水面の上昇(200m?!)
 → 海辺の平地から内陸部へ移動
 → 大麦・小麦の発見
○旧約聖書:「週間農民新聞」?
○人口:800万人(1万年前)→60億(2000年)
○カイン:新石器時代 → 頑固さ、愚かさ、勤勉さ → 現代人の反省を!

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定年と読書               鷲田小弥太(文芸社)

2006年11月02日 | 本と雑誌

Hitorigaten
 「定年になって時間ができてから、思う存分読書に沈積したい」と願っていた。しかし何のことはない、現役である「今」、時間を差し繰って読む難解な「本」が、実は一番頭に残るものであることに気づいた次第。


○アラン「幸福論」(岩波文庫):偏差値の高い大学を出た人の方がいい仕事をしている。そしていい顔をしている
○人間は、精神が常に外向きだと、かえって疲れる。正確には、粟立つ心にぶつぶつができる、心がざらざらする
○読書は精神に集中力と持続力を要求する
○小西甚一「日本文学史」講談社学術文庫:問題は、偶然にせよ関わった仕事で、懸命に努力した人がその仕事を「これぞ」と思えるようになる、と言うことが判然とした
○カーネギー「人を動かす」(創元社):当たり前のことだが、読解力は組織力によってはかれるものである。
○古い経験や知識や技術が、新しい歩みを踏み出す障害になる。これはよく見られる例である
○自分が時間と労力を存分に費やして獲得した古い経験や知識や技術を生かして、改良を加えて新しい歩みに踏み出すという実例を作ることが、いま一人ひとりに求められているのではないだろうか
○高齢者が仕事に何らかの形で関わってゆく普通のスタイルになるのではないだろうか
○社会を、人間関係を動かすのは、人間自身である。賢さにはさまざまな意味があるが、最終的には知恵と愛嬌である

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