Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

ユビキタス、TRONに出会う  坂村 健(NTT出版)

2017年12月31日 | 
Hitorigaten

 TRONという言葉と最初に出会ったのは何時頃のことだったのだろうか…
(地方で禄を食んだおよそ三十数年前かも…)
 NEC98や富士通FMのデスクトップPCが職場や家庭へ漸く進出し始めた頃で、一人一台は夢の世界だったように記憶している。
 そんな折、筆者によるTRONの提言も正直「なんのこっちゃ~○×△??」状態だった…
 as time goes bye… 2017末現在、IoTが刻一刻と世の中をコントロールしつつある現実を見聞きするにつけTRONの概念、ユビキタス社会の到来を予言した筆者の正眼に脱帽するばかりである。
(近未来では、AIの発達とユビキタスによってHomo sapiensは仕事から解放され、Homo ludensへと進化or退化するのだろうか…)


○小さなICチップ:直径0.4ミリのごま粒大の中に、メモリと無線回路とアンテナ内蔵
○TRON:The Realtime Operating System Nucleus
○人と違うことをする独創性、将来を切り拓く力、そうしたことを個、点のような開発ではなく、面、基盤、トータルに進めるという考え方-米国に学ぶ点
○大きなビジョンをどう実現するかの戦略立案が不得意、マイルストーンが作れない
○プロジェクトの理想に賛同してくれる人材を少なくてもいいから集め志を高くし戦ってゆく
○なぜか日本では深く知らない人の方が声が大きいという不思議なことが起こる-産業政策の問題の根源
○経済はゼロサムゲームではない
○産業政策として重要なポイントは、国からまず最初のユーザーになること
○「インターネットの責任者を呼べ」
○「ベストエフォート」:最大限の努力 - 最高で40メガビット/秒の速度だが、常に保証はできない
○ベストエフォートのもとにギャランティ(保証)を求められても困る
○気軽に失敗できる米国とできない日本
○官は政府であり、官にしかやれないことを軽視すべきではない
○誰も責任がとれないときには、やはり民の存在が重要 → 民とは個人、一 ユーザーである → 事故責任 → 意見は言う権利あり
○場所を超越しようとするインターネット ←→ 場所に密着したユビキタスコンピューティング
○ユビキタス:ローカルには高いリアルタイム性を必要 → 身の回り10mの状況
○ブレークスルー:1950年代コンピュータが市場に出る、②60年代汎用大型コンピュータ、③70年代パーソナルコンピュータが市場に出る → ④ユビキタスコンピューティング
○インターネット:①60年代 誕生、②90年代商用化、③高速ブロードバンド
コメント
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