Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

「亡国農政」の終焉  山下一仁(ベスト新書)

2012年11月13日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 農業の持続的発展と食糧の安定供給を将来に亘って保証することの困難さは、誰もが想像していることではあるが、ともすれば誰もが忘却の彼方に追いやってしまう…
 日々の生活の中で地域や国、はたまた想像力の羽を伸ばし遠い地平の彼方に思いを致せば、「欠乏」と「飢餓」が深く静かに忍び寄る恐怖感にたじろぐ今日この頃…
 「食糧・農業問題」に関して"Homo economicus"の叡智とは、そして"Homo sapiens"の矜恃とは一体何なのか? 眠れぬ夜が続くのだが…

○外国から食料が入ってこなければ、たとえ飢餓が生じても、食糧自給率は100%になる
○米価を維持するための「減反政策」で1970年に344万haあった水田は、254万haに減少
○特に農地の「ゾーニング」(土地利用規制)の必要性を経済学的に明らかにできた
○1881~第二次世界大戦後まで:農政の課題①「小作人の解放」、②「零細農業構造の改善」
○柳田國男:「構造改革思想」→東畑精一(シュンペーター高弟)、小倉武一(農林次官)→農業基本法
○郷土会(柳田國男、新渡戸稲造):石田忠篤(1884~1960) →小作人の解放
○石田忠篤:農民の世話役、自分は百姓になりたいが自信がないから、せめて百姓を世話する人になりたい
○「国の基たる農業」とは、国民に食料を安定的に供給するという責務を果たす農業であった
○第一次農地改革:日本政府の完全なイニシアティブ(1945.11)-地主5ha所有 →GHQ:「農地改革の覚書」(1945.12)-地主1ha所有
○平時は米国から小麦や牛肉を輸入しながら、コメを輸出する。外国からの輸入が途絶えたときは、輸出に回していたコメを食べる
 →どこの国もやっている食料安全保障策
○小農保護:守旧派と呼ばれる勢力と社会主義的な勢力の双方から支持されている

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